完済証明書[かんさいしょうめいしょ]

完済証明書(かんさいしょうめいしょ)は、個人または法人が金融機関などから借り入れたローンや借金の全額を完済したことを証明する書類です。
この証明書は、ローン返済が完了した際に、貸し手(金融機関など)が借り手に発行するものであり、特に大きなローンや長期にわたる借入れにおいて重要な役割を果たします。完済証明書は、住宅ローンや自動車ローン、消費者ローンなど、あらゆる種類のローンや借金に対して発行されます。

完済証明書の概要

完済証明書は、借り手がすべての借入金額および関連する利息、手数料を支払って完済したことを公式に証明する文書です。これにより、借り手は債務が全て解消されたことを確認でき、貸し手も同様に債権が消滅したことを明示します。完済証明書は、将来における取引や手続きにおいても重要な証拠となります。

たとえば、住宅ローンを完済した場合、この完済証明書を持って法務局などに抵当権の抹消手続きを行う必要があります。また、個人や法人が信用力を証明する際にも、過去の借入履歴を示すために完済証明書が役立つ場合があります。

完済証明書が必要な場面

完済証明書は、以下のような場面で必要になることがあります。

1.抵当権抹消手続き
住宅ローンを完済した際には、銀行などの貸し手が設定した抵当権を抹消する必要があります。抵当権とは、借り手がローンを返済できなくなった場合に、貸し手が不動産を売却して返済に充てる権利です。完済後はこの抵当権を抹消し、不動産の完全な所有権を借り手に戻すため、完済証明書を用いて法務局で抹消手続きを行います。
2.信用力の証明
将来新たに融資を受ける場合や、住宅購入などの大きな契約を行う際に、過去にローンを完済した実績が信用力として評価されることがあります。完済証明書は、過去の借入履歴を示し、返済能力の証拠として金融機関などに提出できる書類です。
3.金融機関や税務署の確認手続き
完済後、金融機関や税務署からの確認手続きにおいて、完済証明書が求められる場合があります。特に、税務上の優遇措置やローン減税などを受けていた場合、その終了を証明するために提出が求められることがあります。

完済証明書の取得方法

完済証明書は、通常、借入先の金融機関やクレジット会社から発行されます。完済後、借り手が直接金融機関に依頼することで取得することが可能です。一般的には次のような手順で取得します。

1.ローンの完済
まずは、ローンの元金と利息をすべて返済する必要があります。残りの借入金額を確認し、最終的な支払いを完了させます。
2.金融機関への依頼
完済が確認された後、金融機関に対して完済証明書の発行を依頼します。大手銀行やクレジット会社では、インターネットバンキングや電話での手続きが可能な場合もあります。
3.発行と受け取り
通常、完済証明書は郵送で送られてきますが、金融機関によっては窓口で直接受け取ることも可能です。発行には数日から数週間かかることがあり、金融機関ごとに異なります。また、手数料が発生する場合もあるため、事前に確認が必要です。

完済証明書の内容

完済証明書には、以下のような情報が記載されます。

借入人の情報

完済した借入人の氏名や住所が記載されます。法人の場合は会社名や所在地も含まれます。

借入金の情報

完済したローンや借入金の種類、契約番号、借入金額が記載されます。これにより、どのローンが完済されたかが明確になります。

完済日

ローンが完済された日付が記載されます。この日付が、借入れの終了日として公式に認められます。

金融機関の情報

発行した金融機関の名称や担当者の印、署名などが含まれます。これにより、証明書の信頼性が担保されます。

完済証明書の重要性

完済証明書は、法的にも非常に重要な書類です。特に住宅ローンなどの場合、抵当権の抹消手続きが完了しない限り、不動産の完全な所有権が移転しません。そのため、完済証明書を受け取った後は、すぐに法務局で手続きを行うことが求められます。また、金融機関や税務署に提出する際にも、正確な情報が記載されていることが重要です。

完済証明書は一度発行されると、その後のローンや借金に関する証明として、長期間保管しておくことが推奨されます。紛失した場合、再発行が可能ですが、金融機関によっては手続きが複雑であり、追加の手数料がかかることもあります。

完済証明書が不要な場合

すべてのローンで完済証明書が必須というわけではありません。たとえば、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなどの小額の借り入れでは、完済証明書が発行されないこともあります。また、自動車ローンや学生ローンなど、一部のローンでは、完済後に自動的に処理が完了する場合もあります。しかし、住宅ローンなど不動産に関連する大規模な借入れでは、完済証明書が特に重要な書類となります。

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