与信審査は、金融機関や貸金業者が融資を行う前に、借入れ希望者が返済能力を持っているかどうかを確認するプロセスです。これは、不良債権のリスクを軽減するために必要なステップで、貸し手がリスクを最小限に抑えるために行われます。審査では、借入れ希望者の返済能力や信用履歴が評価され、これにより、借入れの可否や貸付条件が決定されます。
与信審査は、個人向けと法人向けで異なる評価基準が用いられるため、それぞれの審査内容に違いがあります。
個人向け与信審査と法人向け与信審査
与信審査には、個人向け与信審査と法人向け与信審査の2種類があります。
個人向け与信審査
評価基準
個人向け与信審査では、主に以下の要素が評価されます。
- 収入状況
- 借入れ希望者の年収や職業、雇用形態が重要です。安定した収入があることが重視されます。
- 返済履歴
- 過去の借入れに対する返済状況が確認されます。信用情報機関から取得する情報が基に、遅延や滞納がないかがチェックされます。
- 借入れ状況
- 他の借入れがどれだけあるか、またその返済状況も考慮されます。すでに多くの借入れがある場合、追加の融資が難しくなることがあります。
- 資産状況
- 不動産や預貯金などの資産があれば、信用力の補完として評価されることがあります。
審査の流れ
個人向けの審査は、申し込み、情報収集、評価、結果の通知といった流れで進行します。借入れ希望者は、必要な書類を提出し、金融機関はそれを基に審査を行います。
法人向け与信審査
評価基準
法人向け与信審査では、次のような基準が重要視されます。
- 財務状況
- 法人の財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)が評価され、収益性や資本構成が確認されます。安定した利益が上がっているか、負債比率が適正かなどが重視されます。
- 事業計画
- 法人の将来の事業計画や成長性が評価されます。新規プロジェクトや投資計画が明確で、実現可能性が高いかがチェックされます。
- 業界状況
- 法人が属する業界の状況も重要です。業界全体の成長性や競争環境が法人の信用力に影響を与えるため、これも考慮されます。
審査の流れ
法人向けの与信審査も、申し込みから始まり、情報収集、評価、結果の通知といった流れで行われますが、企業の財務情報や事業計画を詳細に検討するため、審査に要する時間が長くなることが一般的です。
個人向けと法人向けの違い
個人向けと法人向けの与信審査では、次のような違いがあります。
項目 | 個人向け | 法人向け |
---|---|---|
評価基準の違い | 収入や返済履歴 | 財務状況や事業計画、業界の状況 |
情報の入手方法 | 信用情報機関 | 財務諸表や内部資料の提出 |
審査の複雑さ | 比較的早い | 時間がかかる |