元利均等返済とは、借入金の返済方式の一つで、毎月の返済額が一定になるように設定される方法です。住宅ローンや自動車ローンなどで広く採用されており、返済期間中の各月で支払う金額が一定となるため、家計の管理がしやすい点が特徴です。これに対して、元金均等返済という返済方式もありますが、元利均等返済はその名の通り「元金」と「利息」を合計した返済額が毎月等しくなるという特徴があります。
元利均等返済の仕組み
元利均等返済では、返済の初期段階で利息の割合が大きく、元金の返済額が小さい一方、後半にかけて利息の割合が減り、元金の返済額が増えていくという特徴があります。具体的には、毎月の返済額は一定であっても、その中で元金と利息の配分が変動していきます。借入直後は元金が大きいため、利息の支払いが多くを占めますが、元金が減少するにつれて利息負担が軽減され、結果的に元金の返済に多くが充てられるようになります。
例えば、3000万円を金利2%で30年返済する場合、初期の返済額のうち利息の占める割合は高く、元金の返済は少しずつ行われます。しかし、返済が進むにつれ、毎月の返済額のうち元金が占める割合が増え、利息の支払いは少なくなっていきます。
元利均等返済のメリット・デメリット
元利均等返済のメリット・デメリットは以下になります。
メリット
元利均等返済の大きなメリットは、毎月の支払い額が一定であるため、返済計画が立てやすい点です。特に家計管理をしやすく、月々の予算を安定させることが可能です。一定の収入があり、長期的に安定した返済を続ける予定がある場合には、元利均等返済は非常に有効な選択肢となります。
さらに、固定金利であれば金利の変動に左右されないため、返済期間中に支払う総額を予測しやすくなります。また、低金利の時代では、金利の影響が少ないため、借入時の金利を固定しておけば、長期的に低金利の恩恵を享受できます。
デメリット
一方で、元利均等返済にはデメリットも存在します。特に、元金均等返済と比較すると、総支払額が多くなる傾向があります。これは、元利均等返済では返済の初期において利息が多くかかり、元金の減少が緩やかであるためです。結果として、元金均等返済に比べて支払う利息の総額が増える可能性があります。
また、元金の返済が遅れる分、資産価値の上昇が期待できない場合や、早期に元金を減らしたいと考える借り手にとっては不利となることがあります。例えば、家の価値が下がるような状況では、元金の減少が遅いために売却時に残債が残ってしまうリスクが高まります。