オーバーローン[おーばーろーん]

オーバーローンとは、住宅ローンや不動産ローンにおいて、借入額が担保として設定されている不動産の評価額を上回る状態を指します。
たとえば、不動産の価値が1,000万円であるにもかかわらず、ローンの借入額が1,200万円である場合、200万円分の「オーバー」した借入があるということです。これが「オーバーローン」の状態です。オーバーローンは、不動産の市場価値よりも多くの借金を抱えることになるため、ローンの返済が困難な場合や不動産の売却を検討する場合に問題となることが多いです。

オーバーローンの発生状況

オーバーローンは、主に次のような状況で発生します。

1.不動産価値の下落
物件を購入した時点では、不動産の評価額が高かったとしても、経済状況や地域の環境変化により、不動産の価値が下落することがあります。この場合、ローンの残債が不動産の現在の価値を上回り、オーバーローンの状態になります。
2.ローンの借入額が多い
不動産購入時に、自己資金が少ないために物件の価格のほぼ全額をローンで賄った場合、ローンの残高が不動産の価値を超えることがあります。さらに、購入時の諸費用(登記費用や手数料など)もローンに含めることで、借入額が増加しやすくなります。
3.返済が進まない状況
金利が高いローンや、返済が進んでいない状況において、長期間にわたって元本が減らない場合、オーバーローンに陥ることがあります。

オーバーローンの問題点

オーバーローンの最大の問題は、不動産を売却してもローンを完済できないことです。
例えば、借入額が1,200万円であるのに対し、不動産の市場価値が1,000万円に下がってしまった場合、売却しても200万円のローンが残ってしまいます。このため、不動産の売却を通じて借金を完済することができず、売却後も残債を返済する必要があります。また、不動産を担保に再融資を受けることも難しくなるため、資金繰りの面でも不利になります。

アンダーローンとの違い

オーバーローンと対照的な概念が「アンダーローン」です。アンダーローンとは、借入額が不動産の評価額を下回る状態を指します。たとえば、不動産の価値が1,500万円で、ローンの借入額が1,000万円である場合、500万円分の「余裕」があるため、この状況はアンダーローンと呼ばれます。

アンダーローンの状態であれば、不動産を売却した際にローンを全額返済でき、さらに売却益が出る可能性もあります。つまり、アンダーローンはローン返済のリスクが低く、債務超過に陥るリスクも少ないため、債務者にとっては安定した状態と言えます。

一方、オーバーローンの状態では、不動産の売却によって借金を完済できない可能性が高く、返済負担が重くなります。特に、不動産の価値が大幅に下落した場合や、返済が計画通りに進まない場合には、最終的に債務超過のリスクが高まります。

オーバーローンは、不動産の価値が借入額を下回る状態で、返済や売却において大きな問題を引き起こします。一方、アンダーローンは、借入額が不動産の価値を下回るため、リスクが低く安定した状況を保つことができます。オーバーローンを避けるためには、自己資金の充実や適切な物件選び、返済計画の見直しが重要です。

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