「トイチ業者」とは、違法な高金利で貸し付けを行う業者を指します。この言葉は「10日で1割の利息を取る」ことに由来し、具体的には10日間ごとに借りた金額の10%の利息を課す業者を意味します。このような利率は年換算で365%を超え、法律で定められた上限をはるかに超える違法な金利です。
トイチ業者は、借り手が返済能力を持たないことを前提にしており、高額な利息を課すことで借り手を経済的に追い詰める傾向があります。
トイチ業者の仕組みと違法性
「トイチ」とは、10日ごとに元金の10%の利息を上乗せすることを指します。例えば10万円を借りた場合、10日後には1万円の利息が発生し、合計11万円の返済が必要になります。これが繰り返されるため、借り手は短期間で元金以上の金額を支払わざるを得なくなり、返済が困難になるケースが多く見られます。
日本では、貸金業法と利息制限法により、貸付業者が課すことのできる金利に上限が定められています。利息制限法では、元金が10万円未満の場合は年利20%、10万円以上100万円未満の場合は年利18%、100万円以上の場合は年利15%が上限です。これに対し、トイチ業者が課す年利は365%を超えており、明らかに違法です。
出資法では、年109.5%を超える金利は刑事罰の対象となり、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科される可能性があります。このため、トイチ業者の行為は刑事罰に該当する違法行為です。
トイチ業者の手口
トイチ業者は、資金繰りに困っている個人や中小企業をターゲットにすることが多く、特に消費者金融や銀行から借り入れが難しい人々が利用してしまう傾向があります。急な資金が必要な人が、高金利でもやむを得ず借り入れを行い、返済が追いつかなくなるという悪循環に陥るケースがしばしば見られます。
トイチ業者は、脅迫や暴力的な取り立てを行うこともあり、借り手に強い精神的圧力をかけます。電話や訪問によるしつこい催促、借り手の家族や友人にまで接触して取り立てを行うこともあります。これにより、借り手は心理的に追い詰められ、さらに悪条件での再契約や、より多額の借金を背負う結果に陥ることが多いです。
被害を防ぐために
トイチ業者による被害を防ぐためには、まず違法な金利の貸し付けには決して手を出さないことが重要です。正規の貸金業者は、貸金業法に基づいて登録されており、金融庁や都道府県のウェブサイトで確認することができます。これにより、正規の業者かどうかを確認することができます。
万が一、トイチ業者に関与してしまった場合や、返済に困っている場合は、速やかに弁護士や司法書士に相談することが大切です。専門家は、違法な金利を無効にする手続きを行い、返済の負担を軽減するためのサポートをしてくれます。また、自治体や消費者センターでも違法業者に関する相談窓口を設けているため、こうした機関を活用することが推奨されます。