090金融［ゼロキューゼロきんゆう］

「090金融」とは、主に携帯電話の「090」から始まる番号を使って、無許可で違法な金融サービスを提供する業者のことを指します。これらの業者は、正式な金融業者として登録されておらず、貸金業法などの法律に違反して高金利での貸付を行います。

通常、消費者金融業者が取得している登録番号や事業所の所在地が明らかにされていないことが特徴であり、非正規の手段で借り手を募集し、契約を行うため、多くの問題が生じます。

090金融の手口

090金融業者は、以下のような手口で借金に苦しむ人々をターゲットにします。

簡単な借入手続き

正規の金融機関や消費者金融では、借入の際に厳密な審査が行われ、本人確認や収入の証明が求められます。しかし、090金融業者はこれらの手続きをほとんど行わず、携帯電話番号や簡単な個人情報だけで借り入れができるといった利便性を強調します。これにより、通常の金融機関では借り入れができない信用不安のある人々が引き寄せられやすくなります。

高金利の貸付

090金融業者は、法律で定められている上限金利をはるかに超える違法な高金利で貸し付けを行います。
貸金業法における上限金利は、例えば年20%程度（借入額による）に制限されていますが、090金融では年数百パーセントという極めて高い金利を課すことが一般的です。これにより、借り手はわずかな金額を借りただけでも、すぐに返済が不可能なほどの利息が膨らみ、深刻な借金地獄に陥ります。

違法な取り立て

090金融業者は、返済が遅れた場合、過激で違法な取り立てを行うことがあります。頻繁な電話や自宅への訪問、家族や職場への圧力など、借り手の生活に重大な影響を与える手段が用いられます。
また、借り手が返済できなくなった場合、新たな高利の借金を勧めてさらに債務を増やさせるケースもあります。これにより、借り手はますます返済が困難な状況に追い込まれます。

身分証やキャッシュカードの要求

090金融は、貸金業法や出資法に違反する違法行為です。貸金業法では、金融業を営むためには金融庁または都道府県知事に登録が必要であり、正当な業者は登録番号を取得し、透明性のある事業運営を行う義務があります。また、出資法では貸付金利の上限を定めており、この上限を超える金利で貸し付けを行うことは刑事罰の対象となります。

090金融業者は、これらの法律を無視して営業しており、行政による摘発や刑事処罰が行われています。警察や金融庁も090金融に対する監視を強化しており、被害者が増えないよう努めていますが、違法業者は巧妙に手口を変えて活動を続けるため、利用者が自ら注意を払うことが重要です。

法律での規制

090金融の利用がもたらすリスク

090金融を利用することは、借り手に多大なリスクを伴います。まず、違法業者と関わることで、法的な保護を受けることができません。正規の金融業者であれば、借り手には利息制限法や貸金業法に基づく保護があり、過剰な取り立てや高金利から守られる制度が整っています。しかし、090金融業者との取引にはそうした保護が一切なく、違法な金利や取り立てに対抗するのが難しい状況に陥ります。

また、違法な取り立てや個人情報の悪用により、借り手の生活や信用が脅かされる可能性もあります。特に、高金利による返済負担が重くなり、他の借金を繰り返してしまう悪循環に陥ると、最終的には自己破産を余儀なくされるケースもあります。

090金融は、経済的に困難な状況にある人々を狙う違法な金融手段です。利用者は自身の権利を守るためにも、違法業者に手を出さず、正規の専門家に相談することが最善です。