闇金が大阪の闇金に債権の譲渡。そして驚愕の追い込み
時期は桜も満開になる4月の春の日差しがまぶしい日の事でした。
玄関のチャイムが鳴ったので出てみると、普通の会社員と思える男性が二人が立っていました。扉を開けると、1人の男がドアを閉まらないように押さえ
相手「Tさんですか?」
自分「そうです」
相手「I社から借りた200,000円利息込みで680,000円支払ってもらえますか」「うちがI社から債権を買ったのでうちに支払ってもらえますか」
自分「今払えないので待ってもらえますか」
相手「待ってくれってずいぶんI社も待ったようじゃないか、払う気あるの」「今日は手ぶらでは買いれないのでいくらか払ってもらうぜ」
相手も徐々に取り立て屋らしく口調も荒くなり、近所からでも借りてこいなどの暴言も飛び出してきます。それも自分がおかしたことで当然の報いとも言える事です。この時は騒ぎを聞いていた近所の人が110番して警官がやってきたので、二人は怒りをあらわにしながらも私のもとから去りました。
今回のことは200万近く闇金から借りた当然の報いでした。 今回借りた闇金は東京の会社だったため、この後東京の闇金は関西のその筋に債権を譲渡したようでした。
その取り立て屋による命が絶たれるような驚愕の追い込みがこの後始まったのです。
口座売買という「犯罪」への誘惑
支払いが遅れると当然な事ですが、催促、督促の連絡が朝から夜中まで連絡が入ります。
その電話に出ると、それは工事現場の騒音にも負けないくらいの大声で、脅しとも言えるような暴言でした。
そしてそれは連日続きました。
連絡に出ないと緊急連絡先として契約の時に言わされた、友人のところに連絡がいくので出ないわけにはいけませんでした。このような事態は、闇金から借り入れした自分自身が原因を作った事で当然の報いだと言われても仕方がない事です。
そんな時に、闇金との付き合いで一番長いI社の担当からメールが入り「銀行口座を持っていますか?持っていたら貸付金を清算できるかのしれませんよ」ということが書いてありました。
口座売買などという事は経験もなく、何のことか分からない状態でした。
I社「電話に何で出ないのや。逃げても必ず捕まえるで!ところで銀行口座持ってるか?」
自分「楽天銀行なら持っていますが」
I社「楽天の他でゆうちょ銀行銀行、住友を作ってできたら連絡くれや!借金チャラにしたるで」 か大手銀行で通帳作れるか?」
自分「多分作れます」
I社「ゆうちょ銀行、住友を作ってできたら連絡くれや!借金チャラにしたるで」
自分「何でチャラですか?口座を買い取りできるのですか?」
このようなやり取りで最終的にゆうちょ銀行が8万円、住友銀行が5万円で買い取られI社の借り入れはそれで清算という結果になりました。しかし、それが自分の生涯で、最も重い罪を背負うことになるとはこの時点では全く思いもよりませんでした。
何もわからないまま罪に手を染めた、あさはかな自分がそこにいました。
口座売買と振込詐欺
もちろん口座売買は立派な犯罪で刑も厳しく、1年以下の懲役100万以下の罰金刑が課せられます。
しかし年々口座を売る人の数は増えてきています。 その背景には、若い年代の多重債務者、いわゆるブラックと言われる人が増加しており、私同様通常の借り入れができない状態になったところへ、闇金からの甘い言葉の勧誘で口座売買に手を染めてしまうということがあります。
ヤミ金は口座売買で手に入れた口座を振り込み詐欺に利用します。
闇金による口座売買の流れ
闇金からの借り入れを返済が届こっているような借金者に口座で借り入れを清算するようにもちかける
口座を選定する。
ゆうちょ銀行が第一、第二は大手都市銀行、楽天などのネット銀行は好まれない(凍結処理が早いため)
売る口座の通帳、キャッシュカード、ワンタイムパスワード、暗証番号など情報を相手に伝える
通帳など揃ったら連絡を入れる
1. 先方から送り先の指示がある
2. 送り方はコンビニに行き宅配で送る必ず送り状番号を送った後に連絡する
送り先は全国の個人名、秘書箱など九州に送るなど送り先はいろいろ(足がつかない様にするため)
口座は早くて2週間長くて1ヵ月くらいの使用期間でそれ以上は用心のために使用しないようです。
口座の相場的価格は
◆ゆうちょ銀行5万円前後
◆三井住友・三菱・りそな・みずほは3万円前後
◆楽天・新生などは1万円前後
このような行為は口座売買で口座も凍結、法的措置の裁きを受ける事になりその結果生活環境が言葉では表せないくらい辛い毎日になります。
口座を売れば懲役1年、罰金100万の重罪
口座売買での出頭
闇金からの当然ともいえる返済の追い込みは日増しに強烈になってきました。
第三章で紹介しました闇金規制法の整備もあってかもしれませんが、近所の闇金経験者によると法律の規制前とでは「それは格段の違いがある」とのことでした。
格段の違いがあると言っても、闇金から債権を引き継いだ取り立て屋は法の隙間を狙って訪れていました。
警察の来訪。そして連行された
10社の闇金のうち約7軒は取り立て屋で追い込みは連日続いて、精神的にもかなりまいっていた時に玄関のチャイムがなり取り立て屋が、また来たと思い恐る恐る出てみるとそこに2人の警察官が立っていました。
玄関に出ると
警察官「Tさんですか?」
自分「そうです」
警察官「N署ですが署の方で聞きたいことがあるので同行してもらえますか」
自分「なんでですか」
警察官「ここでは言えませんので署の方で言います」
その警察官の一言で口座売買が発覚したと自分なりに理解して覚悟を決めました。
表に止めてあったパトカーに乗せられて5~6分で地元の警察署に着き「生活安全課」というところへ案内され、テレビの刑事ドラマでよく見る小さな取り調べ室へ連れて行かれました。
最初に浅田という闇金から融資の誘いがあったのが1月、その日から半年後には200万円近い闇金からの借金をしました。
そして梅雨も終わり厳しい夏がやってくる7月の上旬に、警察に連行される事になって、これからどのような取り調べでいつまで続き、その結果どうなるのかわからない不安な気持ちでいっぱいな、梅雨が開けた蒸し暑い日の午後のことでした。
なぜ口座売買が警察に発覚したのか?
まずなぜ口座売買が警察に発覚したのか、疑問を持たれると思います。それは 難しいことではありません。
次のような経緯で発覚します。
口座売買発覚経緯
各警察は警察庁の凍結リストにより管轄内の住民が記載されれば捜査に乗り出しているようです。
今回の私の場合も、やはり同リストに記載されて地元警察が捜査にのり出したと思われます。
闇金が利用した口座はゆうちょ銀行、イオン銀行、三井住友銀行、りそな銀行は闇金に使われていました。
使われていない銀行がみずほ銀行、新生銀行で計6銀行口座を売買したことによるこれから長期に警察の取り調べが始まります。
口座凍結通知書
前のチャートでお分かりのように、銀行が振込や入出金などで次のような不正な取引があれば銀行口座凍結を行います。
銀行口座が凍結される基準は以下のようなものです。
- 口座開設の住所と違う遠方での1日の振込、出金などが頻繁にある。
- 百万単位の個人名義の振込があるなど
ゆうちょ銀行口座凍結通知書