ニートの彼と同棲・過食症|600万の借金を自己破産した話

目次

督促状が届くのがつらかった

私は携帯代や保険料など、支払いを途中で止めてそのまま放置していたので、「未払い金が溜まったので解約します」という連絡状と共に、強制的に解約されていました。
その後未払いの支払い用紙が送られてきましたが、すべて無視していたので「このままでは裁判です」「差し押さえします」というような内容の督促状が届くようになったのです。

それを開封して確認する度に、心臓がどきどきして、どうなってしまうんだろうという漠然とした恐怖に泣いていました。
ですが、無い袖は振れないのです。
これ以上切り詰められる場所はなく、そもそも食事を減らしてしまっていますし、毎日うどんだったので外食がしたくてしたくてたまりませんでした。

給料日に、コンビニの100円のポップコーンを口の中に入れて泣いていたのも懐かしいです。

待ってもらえるように電話すること

キャッシングまですべて借り切ってしまった後は、コツコツと返済しながら細々と生活していたのですが、私の症状が悪化してしまって病院代などがかさみ、そんな生活も長くは続きませんでした。

SMBCモビットや楽天ローン、じぶん銀行などは比較的審査が通りやすく、三井住友銀行カードローンなどの銀行は審査が通りにくく、滞納したあとも全額返済するまでは貸してはくれません。

なので、まずは三井住友銀行カードローンの支払いを止めました。
事前に連絡し、休職中であること、支払いが出来ないことを説明しました。
すると、「それでも返済はして欲しい、いくらなら支払い出来るか」と親身になってくれ、毎月1000円ずつの返済に変えてくれました。
もちろん、その時の担当者が優しく、親身になってくれたことが理由ですが、もともと1万円返済していたのに、それが1000円でいいというのはとてもありがたかったです。

また、車の車検や保険の支払いなどがかさんだときには、家賃を滞納したり、電気代を滞納したりしました。
そして、それを支払いに回していました。

  • 家賃は相談すれば2ヶ月くらいは待ってくれる(そこからずっと2ヶ月ずれて支払っていた)
  • ガス、電気は3か月滞納すると止められる
  • 水は半年まで待ってくれるが、比較的融通が利くので最長で8カ月滞納したことがある

借金で困っている人は、このように滞納を使いながら支払い管理がおすすめです。

借金をすると気分が荒む

自己破産をしたときに、弁護士に相談した際に言われたのが「借金をしている人はうつ病になることが多い」ということです。

これは、すごくわかります。
食べるものがなく、毎日うどんを食べていると、毎日の楽しみがなくなっていきます。
私の場合は服を買ったり化粧品を買ったりもしていませんでしたし(化粧品は5年前のモノを使っていました)、お風呂も週に2回。
なんで生きているんだろう、とそんなことばかり考えていました。

お金がないと、結局身の回りの物を削っていくしかないので、どうしても楽しみが減っていきます。
唯一の楽しみだった食事も、お腹いっぱい食べることは出来ない。
突破口が見えない、同じところで足踏みをしているような感覚でした。

でもまだ給料があるから、働けば元の給料に戻って支払っていけると信じていたのです。

私が自己破産を考えたきっかけ

私が自己破産を考えたきっかけは、とあるテレビ番組でした。
しくじり先生という、芸能人の失敗を紹介する番組で、多額の借金をしていた芸人について特集していました。
その芸人は、収入が少ないのに後輩にごちそうするためにクレジットカードを使っていて、多額の借金をすることになったというものです。
給料のほとんどが借金返済に使われてしまって使うお金が少ない、借金が返済できずに途中から利息だけ返済するようになる、という状況が私と酷似していて、共感してしまいました。

その芸人が語っていた、「債務整理をして、借金を返済した」「借金が返済した後の空の色が青くてきれいだった」という体験を知り、借金をしてからうつむくことが多くて、空なんて見ていない自分に気づいたのです。

ここで、私も債務整理をしようと考えたのです。

彼氏の浮気と復職失敗

体調を崩して働けなくなっていた私ですが、出費が重なるため早めに復職しなければと焦っていました。
しかし、会社は一度休職すると、復職カリキュラムというものが存在していて、給料が発生しない状態で通勤の練習をしなければいけないのです。給料が発生しないのに、会社にぼーっと座っているのはかなり苦痛で、復職カリキュラムを一度休んでしまって、それが原因で休職期間が3か月延長になることが決まってしまったのです。

復職できなければ支払いができないのに、思うように復職ができない。
そんな状況で、私は退職覚悟で休職期間にバイトを始めました。

そして、彼氏が1年以上前から浮気していることが発覚し、私の精神はボロボロに。
彼氏と決別するためにも、債務整理をしようと市役所の無料相談の予約を取りました。

無料相談でどんな話をしたか

無料相談の予約は一週間後にとることができました。地域によっては数か月待つことがあるとネットに書かれていましたが、関東内の田舎だったため比較的簡単に予約を取ることができました。

無料相談は30分と短いので、できるだけ簡潔に状況が伝えられるように、以下のものを用意しました。

  • 現在の収入
  • 現在の支出と借金の総額

これをわかる限り簡潔にリストにして無料相談に行きました。
債務整理をすると決めてはいたものの、最初から自己破産するつもりはありませんでした。
債務整理の中でも自己破産はかなりリスクが高いというのを知っていたので、テレビで見た芸人さんのように「自己再生」を行う予定でした

自己再生とは、自分で裁判所へ申し立てを行って、借金を減額してもらうというものです。

8割ほどカットしてもらうことができるというものです。
任意整理や自己破産は、弁護士を介す必要があるので、できるだけ支出を減らすために、自分でできる借金返済をしたいと考えていました。

無料相談をしたところ、借金の金額が大きいので弁護士を介したほうがいいこと、早めに債務整理をしたほうがいいこと、法テラスを紹介してもらいました。
たった30分でしたが、借金の悪いサイクルに入っているので早めに解決したほうがいいといわれ、債務整理への意識が強くなりました。

その日のうちに法テラスへ連絡

弁護士の無料相談をした後、法テラスへと連絡をしました。
債務整理をするときに、弁護士に依頼すると着手金などがかかると漠然と知識があったのですが、法テラスは初期費用が掛からずに依頼することができるサービスを展開している場所です。
法テラスのほうもすぐに予約を取ることができました。

無料相談をしてから債務整理への意識が強まっていき、その日も督促状がたくさん届いていましたが、落ち着いた気持ちで読むことができました。それ以上に、弁護士に依頼するからと、督促状を集めたり、借金の総額がわかるような資料を集めたり、前向きな活動ができるようになりました。

その時はまだ、空が青いとわかる状況ではなかったのですが、今までどうしたらいいかわからずに悩んでいた日々が、少しだけ明るくなったのを感じました。

債務整理についての知識がなかったので、インターネットで調べながら、借金からも彼氏からも解放される日々を想像していました。

親にはどうしても言えなかった

借金でつらかったときに、お金を貸してほしいと親にだけは言えませんでした。
心配をかけたくなかったし、今まで親に心配をかけないように、優等生になるように頑張ってきたのも大きいです。
独り立ちしてすぐに、変な男に騙されて苦労して借金まみれ、なんて聞いたら親とはもう連絡を取れないと思ったからです。

借金をしていた期間は3年ですが、その途中で母親が亡くなりました。
病気だった母が亡くなる前に会いに行ったときに、少しだけまとまったお金を手渡しされました。
その時はまだ自己破産の手続きをしていなかったので、借金の返済へ充てさせてもらいました。

母が亡くなった時には、自己破産の手続きを始めていたので、遺産は放棄しました。
自己破産時にとられてしまうので、せっかくなら家族に使ってもらいたかったからです。
その時にも、自己破産の手続き中であることは話せませんでした。

自己破産はバレない

自己破産は基本的には周りにはバレません。
自宅に借金の督促状が届きますし、弁護士事務所からの書類が届くので、家族と同居の場合はバレてしまうかもしれません。しかし私は別居しているので、まったく問題ありませんでした。

ただ、裁判所から親からお金を借りられないのか、というようなことを聞かれたり、親が死んでいたりすると遺産があるのではないかと質問されることがあります。
しかし、裁判所から両親へ直接連絡がいくことはありませんでした。

遺産をもらっている場合はそれも返済の対象になるのですが、私の場合は遺産を放棄したのでその手続きを弁護士に依頼して、「遺産の分配について書かれた書類」を用意してもらったので、それを裁判所に提出することで問題がないと判断されました。

弁護士に聞いたところ、自己破産をするときには家族構成を記入する場所があり、そこに母親が死亡していることが書かれていると必ず遺産のことは聞かれるそうです。
残っていれば自己破産の時に回収されてしまいますし、残っていない場合はそのことを後から書類を作ることで代用することが出来るようです。

返済は個人のものと考えられている

家族が同居している場合は別のようですが、別々に暮らしている場合は「借金は個人のもの」と考えられるそうです。
市役所などで生活保護申請をすると家族に扶養出来ないか連絡がくるようですが、借金の場合はそのような連絡が家族に行くことはないようです。

私はこれで救われました。

私が作った借金を、両親が支払って老後のお金が無くなってしまう、というようなことになってしまったら、後悔では済まない気持ちになっていたと思います。
家族の中では、私は順風満帆に生きていると考えてもらっていたいです。

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