【体験者のプロフィール】
- 性別:男
- 氏名:T(仮名)
- 職業:生活保護受給者
- 年齢:66歳
- 借金額:200万円
- 対応方法:自己破産
還暦を過ぎれば大抵の場合は子供や孫がいて、それなりにのんびりした生活をしているものだと思います。
しかし私は2年前の4月頃に「借金地獄の扉」を開いてしまったことにより、闇金からの恐怖の追い込み、自己破産、労役、口座売買による逮捕など、通常なら関わる事のないことが次々と起こって今思えばよく命があったものだとただ驚くばかりです。
この記事を読んで驚く方もあるかもしれません。
私は借金のために闇金と関わり、言われるがままに口座売買という罪を犯してしまいました。口座売買により私は警察に逮捕され、その後色々な人に助けられて今は生活保護で生活しています。
嘘のような話ですが、これは全て事実です。
今まで取り交わした書類など、手もとにあるものを掲載しつつお話していきます。
家族、友人など大切なものを失いさらに社会での信用を無くしていく私自身の体験談をつづります。今同じような借金地獄の扉を開けようとしている人にぜひ見て欲しい。
闇金・借金・口座売買により逮捕・自己破産
2年前の4月頃に私は闇金や自己破産、労役、口座売買などを経験することになりました。なぜそうなってしまったのか。今振り返れば自分の自制心や欲望に勝つことができなかったことによる情けない原因と言えます。
私の人生を振り返ってみても、20代頃から借金の道に踏み込んでいたと思います。では何が原因かと問われてみて情けない事ですが、ギャンブルや酒に見栄をはり、自分に与えられた収入以上のものにはまってしまったことが原因の一つです。最終的に「なんとかなる」といいかげんなことを自分に言い聞かせてしまっていました。
いいかげんな気持ちを持ち続けて人生を送り、50代くらい迄は自分の人生に「運がよかった」ということもあって何とか生きてこられました。普通であればこの段階で人生を振り返り、過ちを正して残りの人生をまっとうに生きていくようにすると思います。
しかし私の場合は、過去に痛い目を見たにも関わらず再びギャンブルに手を染めてしまいました。年齢も60をすぎて、年金のわずかな収入で質素に暮らしていけば人生最大の恐怖を味わう事もなかったでしょう。
ギャンブルをやる人が共通していることが、負けをまたギャンブルで取り戻そうとすることです。
私の場合も勝つ事より負ける事が多く、その負けを借金して取り戻そうなどとあさはかな気持ちをもっていたことが借金への道の第一歩です。
借り入れの方法
1段階 | 銀行借り入れ 住宅ローン、車ローン、個人ローン |
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2段階 | カードローン 銀行系 |
3段階 | クレジットカード キャッシング |
4段階 | 大手消費者金融 アコム、レイク等 |
5段階 | 中小消費者金融 |
6段階 | 町金、闇金 |
私の場合は過去のクレジットヒストリーが事故扱いになっているため通常の借り入れ審査は通らない状態にあり、銀行をはじめとして中小の消費者金融でも借り入れはできない状態になっていました。
1~5で借り入れの信用状態がいわゆる“ブラック”と言われる悪い状態で、普通ならこの状態なら買い入れできない事で深入りしないと思いますが、それでも借入先を探す自分の情けなさを今痛感しています。
闇金13社からの借り入れ
CIC(信用情報機関)での信用調査に紹介されれば、どの借入先も融資はまず不可能で、自分のためには借入先がない方が傷口を広げずにこれから始まる闇金の追い込みや自己破産もしないで済むはずでした…。
しかし、1本の電話で今回の借金地獄の扉を開けた先には、何があったかの答えが見えてくる事態になってきます。
平成29年1月上旬
相手「もしもしあたし浅田と申しますが、今日は融資のご案内のお電話を差し上げました。融資は必要ないでしょうか。」
自分「必要ですが審査通りますか。」
相手「うちは独自の審査をしていますのでよほどのことがない限り融資できますよ。」
自分「ところで何故私の電話番号知っているのですか。」
相手「それはわれわれもいろいろな所と付き合いがありますので。」
私の電話番号が第三者に知られていたのは、一度東京の中小消費者金融会社に借り入れの申し込みをネットで行ったことでした。その情報がいわゆる「リスト屋」という名簿専門の業者にわたり、ブラックリスト者として名簿にまとめられて、関係筋に販売されているようです。
当然扱うのは闇金など無認可・無審査・無担保・保証人なし・金利は週払いの金融屋で、名簿になったリストから電話があったようです。
相手「審査してみますか?」
自分「お願いします。」
ここの段階で闇金とわからず借り入れ申し込みをしてしまいました。
30分くらい後に先ほどの金融屋やから再び電話があり、
相手「審査通りましたので、融資できます いくらご希望ですか。」
これが闇金とのつながりとなり、地獄の扉の先に恐怖というものが見えてくることに気づかず融資に期待さえ持っていたおろかな自分がそこにいました。
借り入れを資金にして勝負して返済すれば、いいと本当におろかな自分がいた事への情けなさがいまこみ上げてきます。
相手「初めてのために3万円が限度で利息は週2割の6,000円初回は利息6000円差し引いた24,000円振り込みます。」
これで毎週利息が6,000円月に利息だけで元金以上になる事を理解していたとは思えない行動です。
これが闇金への第一歩となる出来事でした。
闇金13社から借り入れ、結果的に返済できない状態は明確でした。
その時闇金の想像を絶する追い込みが続けられ自殺まで考えた結果、銀行口座売買までやる事で地元警察に逮捕、送検自分の銀行口座の凍結などいよいよ天罰が加えられます。
闇金との負の連鎖
平成29年1月上旬に浅田という闇金から電話があって融資の誘いにのったことがこの記事の始まりと言えます。
この電話がなかったならと今思いますが、それは理屈です。やはり人として物事の分別は自分でつける必要がある年齢という事がわかっていない情けない60歳です。
浅田という闇金との接触をきっかけに、今まで以上に自分の携帯に闇金と思えるメール、着信が頻繁に入るようになりました。
そんな怪しげなメールや着信は一般的には即、消去してしまうものですが、私の場合 借り入れ先の候補として期待感さえ持って自ら闇金とのつながりをもち、負の連鎖を深くしていたように思えます。
闇金からの巨額な借り入れ
浅田という闇金から3万円融資してもらい2時間後に初回の利息を差し引いて24,000円振り込まれました。
それを確認すると同時に全額引き下ろしてパチンコ屋へ行きスロットの台に座り負けを取り戻そうとあさはかな考えの自分がまたそこにいました。
しかし現実はそんな甘くはありません。負けと言う傷口はさらに深く広がりはじめました。
今日もまた勝つことなく負けと言う傷口がさらに広がり、1週間後の3万円の利息6,000円元金30,000円合計36,000円の返済を調達するあてがないことに気づき、我に返りました。友人はもう頼れないし、利息の安い消費者金融での借り入れができる状態ではありません。
そんな返済に不安をもっているとき、ふと自分の携帯の画面を見ると、闇金と思えるようなメールや着信が多数入っていました。
今思えばここの時点で精神が不安定と言われるような状態であったと思います。
返済のことを考えずただ借り入れすることしか頭になく、もう闇金しか借り入れできるところがない状況で自分から闇金に借金を増やして最終的に巨額借金になりました。 闇金と言ってもさまざまな内容がある事を身をもって体験します。
私の場合両方の闇金に手を出し1軒の闇金の利息をさらにもう1軒の闇金から借り入れて支払う、いわゆる自転車操業的な返済を行って最終的に10軒の闇金から総額130万くらいの借り入れとなりました。 もうこの時点で返済の恐怖はありましたがどうにもならない事とわかっていても返済期日は毎日のように訪れます。 最初の電話からわずか2ヵ月あまりで次のような闇金からの借り入れ状態でした。
合計10社
元金968,000円
利息316,000円/週円
利息1日 45,143円
利息1ヵ月1,399,433円
元金+利息 1ヵ月 2,367,433円
と膨大な負の連鎖が生じて、闇金からの借り入れも当然できず一社返済が届こうると一斉に督促の連絡が来ます。
余談ですが闇金は独自のネットワークがあるようで毎週末に自分の顧客が他の闇金に借り入れした状況を調べどんな状態かを常にキャッチしているようです。そのために1社遅れや飛ばしと言われる利息のみの入金などは注目しているようです。