脱サラして月収400万が50歳で5000万の借金で自己破産した話

自営業を営んで仕事をしている人も多くおられるはずですが、脱サラして自営業をしていても経営がうまくいかずに借金などをしてしまい、そのまま倒産して借金が残ってしまうこともあります。
自営業で借金を作って破産してしまったなら「どうすればいいの?」と呆然となってしまうこともあります。
この点について体験談を交えながら解決策を見つけていきます。

50歳で建築の自営業で5000万円の債務を抱えた

【体験者のプロフィール】

  • 性別:男性
  • 職業:建築業(自営業)
  • 年齢:50歳
  • 対応方法:自己破産

Aさんは50歳で建築の自営業を営んで生計をやりくりしていました。
それまで勤めていた仕事を脱サラし、自営業を始めたのはバブルの絶頂期。
景気がとても良かったのでその頃は400万円の月収がありました。

仕事の拠点は自分の地元の田舎だったので、昔から繋がりがあった人から仕事を受注してもらうこともでき、成功していました。
収入が安定していたので中古物件などを購入することもできましたが、バブルが崩壊してからは月収はカスカスにまで落ちてしまい、取引先も倒産していくなどして、一気に収入を得ることが難しくなってしまいました。

仕事を受注するには資金が必要なので、消費者金融を利用して借金をしていましたが、借金だけが増えていき、最終的に自らも倒産を選択せざるを得なくなってしまったのです。
その際に5000万円の借金だけが残ってしまう結果となりました。

自営業で高額な借金があるなら破産手続きがおすすめ

 

自営業で倒産となり、高額な借金が残って返済することが困難に思われるなら、自己破産をするのが得策です。
50歳という年齢を考慮しても、高給の仕事に就く可能性も低く、5000万円を返済することは難しいのが現実です。
借金を返済することができない場合は債務整理を行う必要がありますが、債務整理には任意整理個人再生自己破産があります。

任意整理は金融機関と話し合って利息を抜いて借金の元本だけを返済していく方法ですが、5000万円という多額の借金を返済していくのは簡単ではないので、おすすめできません。

個人再生であれば借金の額を最大5分の一まで減らして借金を返していく方法になりますが、5分の1でも2500万円という高額な料金であり、また自営業が倒産しているので、安定な収入も無いので、現実的ではありません。

自己破産であれば、借金の支払い義務が免除されます。
50歳という年齢を考えてみても、自己破産をするのが1番良い方法になります。

自己破産の手続きに違いが生じる

そのため、自己破産がベストな選択になりますが自営業は個人事業者という扱いになり、自己破産をするにしても破産手続きに違いが生じます。
自己破産で得られるメリットやデメリットに違いはありませんが、手続きに違いが生じます。
個人事業主の方が自己破産をする場合は管財事件となることが多いです。
というのも、自己破産には2つの種類があり、同時廃止事件管財事件とで分かれています。

総資産が20万円以下の場合は同時廃止事件となり、20万円以上の資産があるなら管財事件として扱われるようになっているためです。
自営業をしていた人であれば取引先があったり財産を所有していることもあるので、自己破産でも管財事件として扱われることになります。
この点が一般の人とは少し異なる点になります。

そのため、個人事業主が自己破産をすれば管財事件として自己破産の申請を行っていくのですが、管財事件の場合は裁判所に手続きの費用として約20万円を納め必要があります。
この費用が払えるかどうかで管財事件か同時廃止事件との分かれ目になってきます。

また、管財事件で自己破産を行うなら必要書類を用意しておく必要もあります。
用意しなければならない必要書類は19枚あります。

家計の状況を証明する家計簿は数ヶ月前から作成しておく必要もあり、家計簿を付けているなら無くしたり捨てたりしないようにしておく必要があります。
資料の数や内容は裁判所によって違いが生じることもあるので、注意しておくようにしてください。
管財事件として自己破産するためには、違いが見えます。

自己破産の流れとは

管財事件として自己破産をする場合、約半年〜1年ほどの期間が必要になります。
自己破産の流れは、弁護士に相談をして契約を行い、裁判所へ資料を提出すれば約1ヶ月後ぐらいに裁判所で審尋が開かれます。
このときは自己破産をした理由について質問されるので、その質問に答えていきます。
時間は10分から15分ほどであり、聞かれたことのみ答えるようにすればいいです。

その後も破産手続きを行っていきます。
免責手続きを開始し始めに免責審尋があるので指定された日に裁判所へ行って裁判官と面接を行います。
隠している資産がないかなどを確認され、もし資産を隠していることが発覚すれば何度でも面接を行われます。
資産状況は正確に伝えるようにしてください。

その後半年以内に債権者集会が開かれ、金融機関以外の知人などの個人債権者が集まっていろいろな件について話し合います。

この点でも問題なければ免責許可決定が出て借金の返済を裁判所が免除してくれるようになります。
免責許可決定から1ヶ月ほどで確定したことになり、借金を返済する必要はなくなります。

このような流れで借金を無くすことができます。

自己破産の後で考えておくべき事柄

自己破産をすることで5000万円の借金の返済義務を無くすことはできますが、自己破産をすることで制限を受けるというデメリットもあるので、その点もしっかり自覚しておく必要があります。

まず自己破産をした後、自営業を再開することは難しくなります。
新規でお金を借りることが難しくなり、融資を受けることもできなくなるためです。
自営業を再開するには資金が必要になるため、融資を受けられなくなる時点で自営業を復活させるのは難しくなります。
また、自己破産をすれば仕事の取引先への支払い義務もなくなるため、支払いをしないことになります。支払いをしなことで取引先と築いた信頼関係にヒビが入ることは避けられないでしょう。

そのため、今まで働いてくれていた人たちとの関係も解消されてしまうので、事業を再度復活させるのも難しくなります。

さらに、最低限の財産しか残らなくなります。
自己破産をすれば20万円以上の価値ある財産は手放さなければならないので、住宅や車などは処分の対象となります。
そのため、今回の50歳の男性の場合中古マンションを持っていましたが、この中古マンションは手放す必要があり、車なども持っていたなら当然車も手放さなくてはなりません。
20万円以下の財産や99万円以下の現金しか残すことができなくなります。
そのため、自営業で自己破産をするなら借金を返さなくて済む代わりにいろいろな財産などを失うことになります。

破産後は本当に自営業ができなくなるのか

自己破産をすれば自営業の登録が消滅してしまうので、自営業をやっていくのは難しくなります。
しかし、自己破産をした後も自由財産が残っているなら自営業を続けていくことができる可能性もあります。
しかし、自己破産することで契約関係を解消しなければならず、事業資産も処分しなければならないので、自己破産後に仕事を続けていくのは不可能に思うかもしれません。
しかし、建築業であれば技術のある職業なので、例えば知り合いの方の応援などで建築関係の仕事を続けていくことは可能です。
また、取引先によっては事情を話すことで、理由を理解してもらうことができ、今後も仕事の取引を続けていくこともできることがあります。
そこでお金を稼いで、また建築家の自営業を始める資金作りを行うこともできます。
しかし、自営業としては融資を受けられない状況になっているので、自営業としてまた再開するとしても規模は小さく、制限はかなり受けることになります。
それでも建築家として仕事を続けていくことはできるかもしれないので、お金を稼ぐ手段を見つけることはできるはずです。

まとめ

50歳で自営業を倒産してしまい、5000万円の借金を背負ってしまったなら自己破産をするのがやはり1番得策です。
任意整理や個人再生という手段もありますが、これらの債務整理では5000万円という大金を返済していくのは現実的に厳しく、年齢から考えても返済の際には大きな苦労をしてしまいます。
自己破産をすれば、ほとんどの資産を手放さなくてはならなくなるので、「資産を全て無くして何も残らない」と喪失感を感じるかもしれませんが、いずれにせよ借金を返済するのにほとんどの資産を手放すことになるので、自己破産をするのと他の方法に大差はないです。
自己破産した後は、借金は返さなくて良くなるので、それだけでもストレスを解消することができるはずです。

よく読まれている記事