離婚して父子家庭に。借金返済と父子寡婦福祉資金貸付制度について

経済的には父子家庭より母子家庭の方が大変なことが多いです。しかし、父子家庭でもちょっとした出来事をきっかけに借金をして、長年苦しめられ、生活苦に陥ることは珍しくありません。今回ご紹介するDさんのケースも同様であるきっかけで消費者金融から借り入れしたことが始まりです。

Dさんは法律の専門家である司法書士事務所に相談したことにより、長年の借金の悩みが解消され、父子寡婦福祉資金貸付制度を利用するようになり、安定した生活を送れるようになりました。借金苦に陥るまでの経緯、解決に至るまでについてご紹介します。

  • 性別:男性
  • 職業:サラリーマン
  • 年齢:46歳
  • 借金:500万超
  • 対応方法:任意整理

Dさんが父子家庭となり借金苦になるまでの経緯

Dさんはごく普通の家庭に生まれ、地元の工業高校を卒業し、中小企業の営業に就職しました。友人の紹介で妻と出会い、5年間の交際を経て28歳の時に結婚。それから16年後に総額500万円超の借金を抱えることになります。

幸せな結婚生活から一転父子家庭に

離婚したのは結婚から7年後、長女4歳、長男1歳の時でした。結婚して3年、待望の子供の誕生に、Dさんは家族のためにもっと仕事を頑張ろうと決意しました。営業の経験も12年以上となり、責任のある仕事を任せられることも多く、残業が続く毎日。時には休日返上で仕事に打ち込みました。長女が産まれて3年後、長男も誕生します。Dさんの仕事はますます忙しくなります。結果、妻の異変に気付くことができませんでした。

子育てと家事をほぼ妻に任せっきりだったDさんは、ある日妻から離婚して欲しいと言われました。好きな人ができたからというのが理由でした。妻が浮気していることに気付くことができなかったDさんは、長男が産まれて1年経たずに妻と離婚することになりました。
離婚後、妻は親権を放棄したためDさんが親権をもつことになり、父子家庭として新しい生活がスタートしました。

子育てのために仕事をセーブする日々

子育てと家事をしながら仕事をする毎日が始まりました。
当初は全て自分でできると甘く考えていたDさんでしたが、今まで妻に全てを任せっきりだったため、自分自身全くなにもできない事を思い知ることとなりました。
泣き言を言っても仕方ないとがむしゃらにやってみても、想像を遥かに超える子育てと家事の忙しさ。仕事が終わって帰宅してからの僅かな時間で捌ききることは到底できませんでした。実家の両親に頼ってもとにかく時間が足りません。
会社に相談し、営業から社内業務の残業がほとんどなく定時で帰れる部署に異動してもらいました。そこまでしてなんとか生活できるようになりました。しかし、残業がなく給料は営業時代の7割ほどまでに落ちてしまいました。

借金のきっかけは自動車の自損事故

忙しい日々を送るなか、ある日会社から自動車で帰宅途中に自損事故を起こしてしまいました。
自力で走行できなくなり、お世話になっているディーラーに来てもらうことになりました。
実はDさんは、生活が苦しかったために任意保険の車両保険に加入していませんでした。自動車がないと子供を保育園に送り迎えにいくことができないし、買い物にだっていけない。どうしても修理しなくてはならない。Dさんは貯金がなかったので、自動車の修理代金として、ある消費者金融から30万円を借りることにしました。これが借金生活の始まりでした。

たった数年で多重債務に陥る

20代の頃は200万円以上の新車を自動車ローンで購入し返済できていたので、消費者金融だとしても、たった30万円の借金。
Dさんはすぐに返済できると楽観視していました。しかし、営業時代より7割に減ってしまった給料。5歳と2歳の子供たちの保育料など生活費は考えている以上にかかり、毎月の支払いはギリギリです。次第に利息さえ支払えなくなり、他の消費者金融から借りて、毎月の返済をするようになりました。あとは坂道を転げ落ちるように、Dさんは多重債務に陥ることになったのです。

10年返済し続けたが借金が500万円を超える

多重債務になってもDさんは返済を頑張り続けました。幸いにもボーナスは安定して年2回出ていたので、なんとか利息のみは返済し続けられました。自損事故にあった際に、カードで支払いボーナス一括で支払えばよかったと後悔する時もありましたが、返済は待ってくれません。とにかく、借金を返済するためにを綱渡りで過ごす日々。子供たちに知られてはならないと、督促状や電話しているのを見つからないようにやり過ごすことに必死です。そして月日は流れ、借金をして10年。借金総額が500万円を超えてしまったのです。

自らでは対処できなくなり司法書士に相談

借金を返済し続けて10年。総額500万円を超えてしまったDさん。利息だけで年60万円以上、月5万円ととんでもない額になってしまいました。Dさんは借金のことばかりで頭がいっぱいの日々でしたが、ある時、子供たちの寝顔をみて、このままではいけない、借金から抜け出さなければ子供たちが不幸になると行動を起こすことにします。今まで誰にも言えずに、ひたすら返済し続けた借金を相談することにしたのです。Dさんが選んだのは法律のプロ、司法書士事務所でした。

任意整理を依頼し借金額を大幅に減らすことに

Dさんは司法書士事務所で今までの借金のいきさつ、借金の総額、何年間返済し続けているか、何件の消費者金融を利用しているのかなどを詳しく話しました。また、現在の支払いの状況。仕事や家庭はどうなのかまでも相談しました。司法書士事務所も丁寧に対応してくれ、今までのこと、これからのことについて提案してくれました。その第一歩に勧められたのが、任意整理です。

任意整理とは、司法書士事務所が債権者と交渉をし、今後の利息をカットしたり、長期分割弁済などの和解を成立させてくれます。
任意整理すれば、支払いが断然楽になるのです。自己破産は裁判所が関与するので、書類などが大変ですが、任意整理はそれもなく、債務整理の中で最もポピュラーです。Dさんは司法書士事務所から任意整理のメリットとデメリットの説明を受け、任意整理をお願いすることにしました。

任意整理のメリット

  • 任意整理後、将来の利息が免除される。
  • 裁判所が関与しないので、手続きが楽。
  • 収入や資産を証明する書類を準備しなくてもいい。
  • 全ての債権者でなく、一部だけ整理することもできる。

任意整理のデメリット

  • 信用情報機関に情報登録(ブラックリスト)されるので、借入が約5年間できない。
  • 債務を減額させるには自己破産より弱い。
  • 和解の条件が厳しい貸金業者が増えつつある。

任意整理をして返済が圧倒的に楽に

Dさんが司法書士事務所に任意整理を依頼した結果、支払い期間が長期に渡り、利息制限法の上限利率を超える利息の消費者金融もあり、過去に払い過ぎている利息を元本に充て債務がなくなったところもありました。また、交渉で将来の利息がなくなったところもあり、Dさんは今までの返済よりも圧倒的に楽になりました。

借金は残りましたが、仕事で収入もあるので、返済していくことに希望を持つことができ、計算したところ、わずかですが、貯蓄していくことも可能となりました。

司法書士事務所に相談し悪夢から解放される

Dさんは任氏整理をし、借金苦もなくなり、安定した気持ちで家族と毎日を過ごせるようになりました。Dさんが考えたのは、借金を返済していたのは最も辛かったが、誰かに相談することができなかったことも辛かったこと。任意整理後に感じたのは、司法書士事務所に相談した時点で悪夢からは解放されていたのだということです。

借金を整理後のDさんの家庭状況

任意整理をして借金を整理した後のDさんは司法書士事務所に相談しに来た時より、顔色も良くなり、日々を楽しみながら過ごしています。10年間借金に悩み続け、任意整理をし借金を大幅に減らしたDさんの現在の家庭状況について紹介します。

父子寡婦福祉資金貸付制度を利用

Dさんは母子家庭には国からの貸付があることを知っていましたが、父子家庭にはないものだと決めつけていました。
任意整理しながら司法書士事務所で父子寡婦福祉資金貸付制度を紹介され、利用することにしました。

父子寡婦福祉資金貸付制度とは、児童の就学などで資金が必要な時に都道府県から貸付けを受けられる制度です。父子家庭の経済的な自立を支援してくれます。貸付利率については、無利子なので安心して貸付けを受けられます。
返済期限は、3年間から20年間までとなっています。

Dさんは父子寡婦福祉資金貸付制度を利用して、長女が進学したいと希望している高等専門学校の入学金、将来の授業料に充てることにしました。無利子なので無理なく返済でき、長女の夢も叶えてあげることができました。

一人になれる時間を持つことに

借金の返済が楽になり、家族との会話も増え、父子寡婦福祉資金貸付制度を利用して長女の進学の目途も立ったDさんは子供が産まれる前に趣味だった釣りを再開することにしました。数か月に一度ですが、好きな趣味をしながら、今の生活や将来について考えられる時間は貴重で大切なものとなっています。

家族、子供たちの未来を考えられるように

Dさんの借金を返済し続けた10年間はずっとお金のことばかりを考える日々でした。今も借金はありますが、家族、子供たちの未来を考えらえるようになったのが何よりの幸せだとDさんは感じています。長男が高校生になったら、営業職に戻ることも考えていて、長女も応援してくれているとのこと。Dさん自身の未来も明るくなっています。

借金は一人で悩まないこと、誰かに相談すること

Dさんが司法書士事務所に相談せずに、返済し続けたら総額500万円以上あった借金は増え続けていたでしょう。
Dさんは司法書士事務所に相談して家族が救われたと語っています。借金は一人で悩んでいても、解決することは稀です。誰かに相談することで気持ちは楽になりますし、解決のきっかけにもなります。

借金で悩んでいるのなら、法律のプロ、司法書士に相談してみてください。

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