老後破産のリスクとは?老後の借金返済で破産しないためにできる対策

現在、借金を抱えている方は、老後の返済はどうすれば良いのかと考えることもあるのではないでしょうか。

実際に、公的年金だけでは老後の資金が不足してしまい、生活が成り立たなくなる「老後破産」に陥る方も多くいる状況です。さらに借金の返済ができなければ、差し押さえなどの強制執行を受けて、住む場所を失うなどのリスクが高まることになります。

そうならないためにも、今からできることをしっかりと把握して、取り入れるようにしましょう。

当記事では、最初に老後破産のリスクを詳しく解説し、その後で老後の借金返済で破産しないためにできる対策を紹介します。

老後破産のリスク

老後に借金を抱えて支払いが困難になる場合、債務整理をおこなったほうが今後の生活を再建するにも効果的な場合があります。

なぜなら、住宅ローンやクレジットカードやその他ローンの支払いを滞納すると、支払い督促を経た後に強制執行がおこなわれます。そして、老後のために確保したわずかな預貯金もすべて差し押さえられてしまうからです。

老後の不安を解消するためにできる借金対策

老後破産しないためにできることが、「借金をなくすこと」「蓄えておくこと」になります。

「退職金で借金は返済する」という考えもありますが、実はその考えは落とし穴です。最近は大手企業のリストラや倒産も珍しくないので、この先何年も同じ仕事に就けて定年退職を迎えられるかどうかは確実ではありません。

こちらでは、老後の不安を解消するためにできる借金対策について解説します。

対策1:任意整理

任意整理では、借金の金額を債務者に有利な金利で再計算し、減額された借金を返済していきます。期間は3年ほどで、毎月一定の金額を返済していく流れです。

なお、個人でも対応できますが、債権者との交渉が必要になるので債務整理に詳しい弁護士に依頼して手続きを進めるのがスムーズでしょう。
そして、話し合いをした時点で、それ以降の金利は支払う必要がなくなります。返済も早く終わらせることができますし、取り立てもストップするので精神的にも楽になるでしょう。

対策2:個人再生

任意整理では解決が難しいくらいに大きな借金がある場合、借金を元本ごと大きく減額できる個人再生なら解決できる可能性が高まるでしょう。
個人再生では、借金の金額が500万円以下であれば、最大100万円までの減額が叶います。そして、減額された金額を原則3年間で返済していく流れです。

ただし、個人再生は十分な金額の収入が求められます。収入が足りなければ個人再生の手続は開始されませんし、手続きの途中で収入が足りないと判断されれば個人再生手続は廃止となります。
また、個人再生を裁判所に認めてもらっても途中で返済不能になれば、債権者からの督促がくるだけでなく、借金を減額してもらうための決定(再生計画認可決定)が取り消されて借金が全額復活するようになります。

対策3:自己破産

借金の金額が大きすぎて任意整理や個人再生では対応できない場合、自己破産するしか方法はないでしょう。

自己破産をおこなうための手続きは、まず裁判所に自己破産の申し立てを行います。そして、破産開始手続きに問題がなければ免責許可決定を受けられるので、その時点で借金はゼロになります。

新たな借金はできない、一定額の以上の保有不動産を手放さなければならないなどのデメリットはありますが、「日本国憲法25条に定められている生存権の保証」をもとに年金受給権は保護。年金の支払いがストップするようなことはありません。

金融機関からの借入は口座凍結する場合がある

自己破産をすることで年金を差し押さえられることはありませんが、年金が銀行口座に振り込まれている場合は1点注意事項があります。

たとえば年金が振り込まれる金融機関で借金がある場合、自己破産をすることで預金口座が凍結。「この口座には年金が振り込まれる」と主張したところで、お金が戻ることはありません。
債権者となる金融機関に対する返済分として差し押さえられることになります。

対策4:繰り上げ返済などを積極的に利用

可能な範囲内でおこなうことが前提ですが、借金の繰り上げ返済は計画的におこなう方が後々スムーズになるでしょう。特に住宅ローンなど借入の金額が多いものについては、繰り上げ返済をおこなうことで支払い期間の短縮や総支払い金額をおさえることにもつながります。

まとめ

安心した老後を過ごすために借金に関する悩みは早めに解決しておきたいところでしょう。
債務整理で借金を減らしたりなくしたりすることもできますし、前もって繰り上げ返済を利用するなど、自身で検討して一番納得できる方法を選ぶようにしてください。

悠々自適に過ごそうと思っていた老後が借金を理由に悩みだらけの日々になってしまっては、生きている意味が見つからなくなるかもしれません。そうならないためにも、ぜひこちらをご覧ください。

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