借金依存症とは?貸付自粛制度の利用や借金の解決法について

世の中には、様々な「依存症」が存在します。
依存症と聞いて思い浮かべるのは、「アルコール依存症」や「薬物依存症」ではないでしょうか。
中でも「借金」に依存してしまう「借金依存症」については、非常に厳しい現実が突き付けられます。
一度ハマってしまうとなかなか抜け出せない依存症の中でも、できるだけ避けたい借金依存症とはどのようなものか、具体的な対処法や借金問題の解決法について紹介していきます。
心当たりのある方はもちろん、身内で借金をしている方がいれば、どのように対応するべきかを知っておきましょう。

借金依存症とはどんな症状?

借金依存症とは、常に借金をしていないと落ち着かない病気のことを指します。
アルコール依存症の方がアルコールが切れると不安を覚えるように、借金依存症の方は借金をしていない状態が続くと不安になるため、それを解消するためにまた借金を繰り返すのです。
このような症状は、最初はごく僅かな金額の借り入れをすることから始まります。
例えば生活費が足りなくなってしまい、1000円のキャッシングをしたとします。
1000円程度なら、いつでも簡単に返済できると思っているので、それほど申告には考えていません。

ただこの状態が続き、回数を重ねることで間隔が麻痺してしまい、気づけば多額の借金を抱えていたということに陥ることもあるのです。
借金依存症の具体的な症状としては、預金口座からお金を出している感覚でキャッシングを利用したり、仕事や人間関係などの日頃のストレスを発散するために利用する、といったことが挙げられます。
借り入れを繰り返すうちに、借金をしているという感覚が麻痺してくるので金銭感覚もおかしくなり、収入以上の借り入れをすることに抵抗がなくなってしまうのです。
このような状態を借金依存症と言います。

借金依存症の人に対してできること

もし家族や身内・知人にこのような症状の人がいる時に、対策としてはどのようなものがあるのでしょうか?
何よりも、まずは周囲の人がお金を貸さないことが大前提です。
借金依存症の人は借金をしているという自覚がないので、自分がお金を借りても返済できると思い込み、簡単にお金を貸してほしいと頼んできます。

同情でお金を貸す事は絶対にダメ

借金依存症の人に借金を頼まれても「可哀想」「自分が支えてあげなければ」とお金を貸してしまうのは、逆効果なので絶対にやめてください。
そもそも「お金がなくて可哀想」に見えるのは、本人の借金をしてしまう行為が問題であり、根本的な部分を直さなければ何回でも繰り返します。

相手の為にも頼まれた側は頼まれたらきっぱりと断ることが大切です。

貸付自粛制度を利用する

キャッシングを利用できないように、貸付自粛制度を利用する方法も良いでしょう。
この制度は、借り入れなどの浪費癖がある人に貸付を利用できないように制限するものです。
ただし本人が直接申し込まなければ利用できないという難点があります。
親族の申し込みでも可能ですが、その場合は本人の住所が不明な場合に限ります。

この貸付自粛制度を利用できない場合には、キャッシングカードを取り上げる、というのも良いでしょう。

カウンセリングなどの専門家に受診させる

専門的なカウンセリングを受けさせる必要があります。
借金や買い物依存症などの場合、借金や買い物をしてしまう原因が他にある場合があります。
幼少期の家庭環境や、仕事上のストレスなど、本人や家族も気づかない心理的な要因がある場合があるので、専門家を頼って根本的な原因を無くすことは非常に有効的であると言えます。

借金依存症に有効的なこと

  • 医療機関のカウンセリングを通して借金依存症であることを自覚させる
  • 自助グループに参加して依存症を克服するための回復プログラムに参加させる

本人だけで依存症から抜け出すことは難しい

借金依存症は否認の病気とも呼ばれ、本人の自覚がないまま症状が悪化してしまうこともあります。

一時的に落ち着いたように見えても、再発しやすいのが依存症です。
家族の知らぬ間に多額の借金をして、発覚を恐れて隠してしまう場合もあります。
借金依存症であると感じた場合は、本人や家族だけでなんとかしようとせず、早いうちに専門家に頼りましょう。
各都道府県の保健所や精神保健センターなど、相談にのってくれる施設もあります。
もし身内が借金依存症になった時には、周囲の人間の協力と専門家の助けが必要です。

借金依存症の借金の対処法「任意整理」

「借金依存症」になった時には、精神的な治療と並行して借金を整理していくことが大切です。
借金を整理することを法律的に「債務整理」と呼び、手続きが認められれば借金した金額を減額、または全額免除してもらうことができます。
債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3つの方法があります。
この中から、いずれかの方法を選択して、借金を少しでも減らしていきましょう。

まず任意整理とは、将来かかってくる利息を免除してもらう制度で、減額は少ないですが裁判所に行かなくても債権者との話し合いだけで手続きすることができます。
そのため利用者も多く、利用しやすい点が特徴です。
そして個人再生は借入額のおよそ1/5程度にまで減らせて、持ち家などの自宅を手放すことなく利用できる、メリットの大きい制度です。
最後に自己破産ですが、こちらは借入金額を全額免除できるといった制度ですが、自宅や車といった高額な財産は全て処分されて債権者に配当されます。
ただし99万円までの現金や、身の回りのものは手元に置いておくことができます。
まずは、これらの対処法を利用してみましょう。

まとめ

家族や身内が、万が一借金依存症になってしまった時は、焦らずに対策を考えることが大切です。
どうしても自分では決めきれない場合には、行政や専門家に相談することで解決していくことをおすすめします。
借金依存症は病気でもあるので、治療と並行して進めていく必要があります。
まずは焦らずに、どの方法を選択していくかを考えてみましょう。

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