自己破産は、申立てを行えば借金の支払い義務が無くなるというイメージがありますが、実際は裁判所から借金を支払わなくて良いという「免責許可」が下りなければ借金が0になるという事はありません。
私の場合、借金の原因がギャンブルであった為、それが免責不許可事由に該当し、借金の返済義務は残るかもしれない可能性がありました。
しかし、結果としては自己破産手続きにて免責許可が下りたので借金の返済義務は無くなりました。
今回はその時の体験談についてお話していきたいと思います。
【体験者のプロフィール】
- 性別:男性
- 職業:営業職
- 年齢:29歳
- 借金:500万円
- 対応方法:自己破産
ギャンブルにはまってしまった経緯
私の勤める会社は俗に言う「体育会系」で、毎日のように怒号が飛び交っていました。
私も日々上司や先輩から怒られ、大きなストレスを抱えていました。
そんなある日、普段なら通り過ぎるパチンコ屋を目の前に、先日友人がパチンコで大勝したとSNSで発信していたのを思い出し、「少しやってみようかな」という気持ちで入店。
結果は損で終わりましたが、不思議と悔しい気持ちはなく、楽しかったという気持ちが強かったのをよく覚えています。
例えるなら趣味に没頭している時の感覚に近く、パチンコをしている最中は常に考えている仕事の事も忘れる事ができ、ストレス解消にもなりました。
ギャンブルをする為に借金をするように
私がパチンコをする理由は、勝ちたいというより、高揚感を得たいというものでした。
お金を賭けているというスリルと、ユーザーを楽しませる様々な演出や仕組みを持ち合わせているパチンコが、私にとって唯一会社のストレスを解消できる趣味になったのです。
日々怒鳴られてストレスが溜まっていたので、その分パチンコに通う頻度も多くなり出費も重なりました。
しかし、パチンコをしていなければストレスで精神がどうにかなってしまいそうだった私は、借金をしてでもパチンコをしたかったのです。
そんな毎日を繰り返すうちに借金は膨らみ、返済が難しくなると新しい借金を作るという行動を繰り返し、気づけば借金の総額は自分の年収を上回る500万円にまで膨れ上がっていたのです。
借金の返済ができなくなり弁護士に相談
全てのカードを借入限度額一杯まで使ってしまった私の元には、借入先である複数の金融機関からの催促通知が届きました。
返済の遅れで遅延損害金も膨らみ、遂に月の収入ではどう足掻いても返済できない状態になり、弁護士へ相談するという結末にまで追い込まれました。
そこで弁護士に勧められたのは「自己破産」です。
正直最初は渋りました。
会社や家族に多額の借金をして破産がバレるのは困ると弁護士にも相談しました。
その相談に対し弁護士は「自己破産が家族や会社に知られてしまう可能性は極めて低いです。
むしろ、このまま借金を滞納して強制執行された方がバレるリスクは高い」という回答を貰いましたが、やはり不安はありました。
ただ、最終的には「自己破産は終わりではなく、一度自分をリセットする手続きですから、悪い事ではありませんよ」という弁護士の言葉が胸に刺さり、自己破産手続きを決意しました。
自己破産手続きで裁判所から免責が許可された
私の場合、本来であれば作らなくても良かったギャンブルでの借金であった為、それが免責不許可事由に該当し、一部は免責の許可が下りない事を指摘されました。
ただ、実際には裁判官の裁量によって免責不許可事由に該当する借金でも免責が許可されるケースが多いようで、私の場合も破産審尋で裁判所に出頭してから2ヶ月程で弁護士から「免責が許可されました」と連絡を受けました。
破産審尋で裁判官から細かく聞かれるのではないかと心配していましたが、聞かれた事と言えば「借金の原因」「自己破産に至るまでの経緯」「なぜ返済できなかったのか」「返済できなくなった時の生活費はどうしていたのか」といった感じで、おおよそ10~15分程で完了しました。
自己破産後について
自己破産が完了した後、当然ながら各金融機関からの催促は無くなり、毎月の返済負担を追う必要もなくなりました。
ギャンブルの原因ともなった会社のストレスから解放されるために転職もしました。
新しい職場では仕事のストレスも少なく、「なぜあんなにパチンコにはまっていたのだろう」と疑問を感じてしまう程です。
車などの財産は差し押さえられましたが、今では借金のなかった時とさほど変わらない生活を送れていますので、非常に満足です。