2019年末に発生した新型コロナウイルスは、世界にその感染者数を増やしながら、いまだ鎮静化の目途はたっていません。
経済への影響から、更に一般の個人への影響も如実に表れ始めています。会社の破綻から個人の破綻へ。特に住宅ローンや経済的に余裕のない人、借金を抱えた人などには深刻な問題と言えます。
他人事ではない失業・突然の解雇
新型コロナウイルスの影響は、必ずしも他人事ではありません。
現実に札幌市の観光バス会社が、突然2月末に8人の運転手のうち7人を解雇、4月には都内のタクシー会社が従業員600人を解雇したとのニュースがありました。
「自分は大丈夫」は通用しない
「うちは大丈夫」と安心していたら、ある日突然倒産・リストラといったことも十分起こりえることです。今後もこの状況が長引くようであれば、影響はさらに大きくなり、倒産や解雇の流れは避けられないものとなるでしょう。
解雇に至らずとも、給料を減らすなどといった対策を取らざるをえない企業も増える可能性があります。
パートやアルバイト、派遣などといった場合は、雇用形態そのものが正社員と違うため、影響は大きなものとなる場合があります。
住宅ローンや借金を払えない「コロナ破産」
こういったことから、住宅ローンや借金の返済ができない、もしくは今後の返済に不安があるといった声が多くあります。
新型コロナウイルスの影響といえど、住宅ローンや借金の返済が止まる事はありません。この状況がさらに続いた場合、リーマンショック依頼の景気悪化に陥る可能性があり、国民の収入悪化も現実的なものとなってきました。
- 長期休業のため、収入がない・激減する
- ボーナスが無くりそう
- 業績悪化により解雇された
- 会社が倒産した
こういったことから、住宅ローンの支払いや借金の返済、生活費の捻出自体にも支障がでてくる可能性があります。
コロナ破産に陥る人たちは、今後増えてくると考えられるのです。
新型コロナで住宅ローンが返済困難な場合の対処
このような状況の中、住宅ローンを組んだものの、突然の解雇や会社の業績不振による給料ダウンでローンの支払いが困難になった際の、銀行の場合の対処法を紹介します。
銀行の場合「リスケ」を利用する
収入減少により月々の支払いが厳しく、住宅ローンの返済が滞るかもしれないといった場合にはリスケ(リスケジュールの略)を申し出てください。
リスケとは、返済条件の見直しや変更のことをいいます。
リスケによって以下のような交渉をすることができます。
- 返済期間の延長
- 元本の返済猶予
- ボーナス返済付きの取りやめ
- ボーナス分を毎月の返済に充てる
リスケを利用できる条件
- 今後も返済可能な安定した収入がある
- 一時的に資金繰りが苦しくなっている
- 今後新たな借入の予定がない
リスケで返済猶予してもらえる期間は6ヶ月か1年
リスケによって返済猶予をしてもらえる期間は以下になります。
- 通常6カ月
- 1年
1年猶予があっても厳しいといった場合でも、とりあえず6ヶ月か1年のリスケをして、その期間の終了後に延長することで期間を延ばすことができます。
リスケのメリット・デメリット
リスケを利用した場合、メリットもありますがデメリットもあります。
メリット | 一時的ではあるが返済が楽になる |
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デメリット | 以降新たな借入をすることが困難になる ローンの借り換えをすることが困難になる |
リスケ申し出のタイミングと注意
リスケを利用するタイミングは返済が遅れる前です。返済が滞った後の場合、リスケができない場合があります。
リスケ申請の一番よいタイミングは、以下のようになります。
- 返済が滞る「前」
- リスケを始めたい「返済日」の約一か月前
しかし条件やタイミングを合わせても、必ず認められるというものではありません。交渉相手や内容によって認められない場合があることを考慮しましょう。
ただし有効的に利用すれば、負担を軽減してローンを支払っていくことができる効果的な手段なため、銀行の相談窓口で相談してみることをお勧めします。
任意売却をする
収入の回復が見込めない場合や今後の支払いが全くできない場合、不動産を手放すことになりますが、任意売却という手段もあります。
任意売却とは、債権者の同意を得て不動産を売却することです。
3ヵ月から6ヵ月滞納が続くと、債権者は住宅ローンを回収する手段として不動産を差し押さえて競売に持ち込みます。
しかし任意売却の場合は競売の実行を止めて、身内などに自宅を売却し、賃貸戸建として家賃を支払うことでそのまま自宅に住むことが可能な方法があります。これはリースバック、家族間売買、親族間売買とも言います。
任意売却のメリット・デメリット
メリット | 競売よりも高い価格で売却できる 周囲に事情を知られずに売却ができる 持出し金が無い 残債は分割返済可能 住み続けることができる場合もある 引越し費用を最高30万円、売却代金から融通してもらえる場合もある |
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デメリット | 住宅ローン滞納3ヶ月以上で信用情報機関に掲載の場合あり 連帯保証人などの同意がいる |
リースバックしない場合に自宅は失うことになりますが、任意売却することで支払いの苦痛から逃れることができます。債務整理に強い弁護士のいる専門業者に頼むことで、有効な手段と言えるでしょう。
住宅ローンや借金返済の解決への道
住宅ローンの支払いや借金の返済などで困窮した場合、ご自身で悩まずに専門知識がある司法書士や弁護士などを頼ったほうが良いでしょう。
一人で悩んで、目先の返済をしたところで、生活や心身共に疲弊してしまうのが目に見えており、尚且つ解決への道は遠いものとなる可能性があります。
対して司法書士や弁護士に任せた場合、気持ちが楽になるだけでなく解決への道が開けるはずです。