台風や洪水で家が被災したらするべきこと。「罹災証明書」の申請方法

今年の台風21号は、雨、風、洪水の影響により日本列島に大きな損害をもたらしました。
今回の台風は、非常に強い勢力を保ちながら列島に上陸し、大阪などでは記録的な高潮があり、四国や近畿地方、東海などでは広範囲で雨と風が猛威を振るいました。
その為、多くの住宅で床下浸水や家屋が壊れるなどの被害にみまわれることとなってしまいました。
このような災害により、住居に何らかの損害が発生した際は、自治体による被害者支援の制度を受ける事が出来ます。

ただし、これらの支援を受ける場合には『罹災証明書(りさいしょうめいしょ)』というものを発行してもらう必要があります。罹災証明書が無いと支援制度自体を受けることが出来ません。
この記事では、この証明書がどういうものなのか?どういった支援を受ける事が出来るのか?などを詳しく解説していきたいと思います。

罹災証明書っていったいなに?

この証明書は、災害の被害の度合いを証明するものです。
災害があった時に自治体は、被災した人から申請があった場合に、被害がどういったものかの状況確認をし、この証明書の発行することになっています。

罹災証明書は、以下の申請や手続きの際に必要となります。

  • 災害の被害の届出
  • 火災保険の請求
  • 税の減免の手続き

持ち家や賃貸アパート・マンション、どのケースでも証明書の発行に手数料がかかりません。一枚だけというわけではなく、自分が必要になる枚数を発行して貰う事が出来ます。

この証明書は、色々な場面で支援の適用の判断材料になるため、余裕を持った枚数を貰っておくのがベストです。
自治体によってはこの証明書を要する事なく、被害届出書の提出にもとづいて『被害届出証明書』を発行するケースもあります。

罹災証明書』は、住宅の被害がどれぐらいであるか『被災証明書』は、災害で被害を確かに受けているという事を証明します。

罹災証明書 住宅の被害がどれぐらいであるか
被災証明書 災害で被害を受けた事を証明する

車や家具などが被害を被ったケースでは『被災証明書』でその被害を証明する事が出来ます。
被災の規模がどのぐらいのものかで、証明書の受付けが開始される日付が違うので、自治体に直接問い合わせる必要が出てきます。

罹災証明書で証明される被害の度合いはどのぐらいなの?

住居が被害を被った時に、自治体が被害の度合いをチェックして『全壊』『大規模半壊』『半壊』『床上浸水』などの判定がされます。

全壊

全壊』とは、住居の全てが損害を受けた事でなく、損害を受けた箇所が半分以上で壊れた部分が多く通常の住居生活が難しい。

大規模半壊

大規模半壊』とは、損害を受けた箇所が40%~50%未満、大規模な修繕をしないと通常の住居生活が難しい。

半壊

半壊』とは、損害を受けた箇所が20%~40%未満、損壊部分はあるが、小規模の修繕で通常の住居生活が可能。
他には『一部損壊』という項目もあり、損害を受けた箇所が20%未満。

床上浸水

『床上浸水』は文字通り、床より上に浸水があった時で『床下浸水』は、床上浸水までには至らない浸水があった時。

自治体がこういった被害の度合いをチェックし、その被害を証明書で証明をしてくれるというわけです。

罹災証明書を受ける取るのに欠かせない事

被災し住居に被害があった時は、自治体の担当部署に申請して、罹災証明書を発行して貰う事が出来ます。
火災被害の時は、消防署に行って申請します。

現場の写真を撮影する

どのぐらい損害が出たのかの度合いの記録を残す為に、スマートフォンやデジカメでなどで撮影した現場の写真が必要になります。
損害の度合いを証明する為の写真になるので、撮影する時のポイントがあります。浸水にあった住居を例に説明します。

住居の全体の写真を撮る

遠めから住居の4方向の撮影をしておきます。

浸水した深さの撮影をする

メジャーなどを利用して、浸水の深さを測ります。そして、測定をしている箇所が分かるように遠めから撮影をします。目盛りがはっきり確認出来るように近くからも撮影しましょう。

被害にあったところを撮影する

被害が出たところを遠めからと近くから2枚ぐらい撮影します。
その際は、被害が出たところがはっきり確認出来るように、指を差して撮影するのがいいです。

例にあるように、写真はなるべく多めに撮影をしておく事をおすすめします。
撮影写真は、証明書を申請する時だけでなく、保険会社に申請する時も使用出来ます。
この撮影写真を元に、自治体の職員が現場でのチェックをする事になります。

支援の制度を受ける為には必須となる作業になるので、しっかりとした撮影を心掛けましょう。

罹災証明書を申請する

この証明書を申請しなければならない期限は、災害の度合いにより期限が違ってきます。
災害に遭ってからだいたい2週間~1か月ぐらいが平均的なところです。
災害の内容により、6か月の期限があるケースもあります。

期限が過ぎてしまうと支援が受けられなくなる為、速やかに手続きをしましょう。
被害によって、期限の間に申請が出来ない方の為に、特定の措置があるケースもあるので自治体に問い合わせをしてみるのが良いでしょう。

配偶者や家族が代わりに申請する場合は「委任」する

申請は当人以外の配偶者や同居している家族が代わりにする事も出来ます。
当人や同一世帯以外の人が発行をして貰うには『委任状』が必須です。

申請する際に、運転免許書や健康保険証などの身分を証明する物を自治体でチェックされるため、あらかじめ用意しておく必要があります。
代理人がこの証明書を申請するケースでは、委任状を持っていくだけでなく、代理する人と当人の関係を説明しなければなりません。

委任ができない場合

被害にあった方が委任をする事が出来ない場合『被災者の3親等以内の親族』『法定代理人』が申請する事が出来ます。
それには、その関係を証明出来る以下の書類が必要になります。

  • 戸籍全部事項証明書
  • 登記事項証明書

証明書を受け取るには以下のものが必要になります。

  • 印鑑
  • 顔の写真が載っている証明書
  • 現場の写真

事前に自治体に電話をしてから持っていくものを用意するのが良いでしょう。

失くしてしまった時は、どうしたら良いのかも問い合わせておきましょう。
申請を行ってから発行までの期間は、被害のチェック・判定方法を熟知した自治体の職員が行います。

発行に時間がかかる場合がある

大規模な災害のケースでは、自治体の職員が救援の為などで忙しくなる場合もあるため、かなりの時間がかかることもあります。
1週間ぐらいで済む場合もありますが、1カ月以上もかかってしまうこともあります。

すぐに発行が出来ないケースでは『罹災届出証明書』をただちに発行して貰う事が出来ます。
証明書を申請する際に、発行期間の確認と併せて、担当者に聞いてみるのがいいでしょう。

災害処理をする

ゴミの処理をする

自治体や保険会社の現場の調査が終了してから、災害で出たゴミの処理をします。
使い物にならなくなってしまった家財を、粗大ゴミとして清掃会社などに持ち込む時、この証明書があるとゴミ処理の料金が免除されるケースがあります。

火災のケースでは燃えていないゴミは、未処分だと解体する時に工事のお金が高くなる為、なるべく処分をしておいた方がいいでしょう。
粗大ゴミを捨てる時は、ゴミ処理場を予約しないといけないケースがあります。

片づける前に、一度自治体の清掃の部署に問い合わせをしてみましょう。

証書類の再発行の手続きをする

ガス、電気、水道などの再手続き、証書類の再発行をします。
被災により死亡した人や障害が残った人がいるケースでは、年金などの手続きもしていきます。

どういった手続きをしていくのがいいかは、自治体の担当者に相談して行った方がいいでしょう。
高齢者や障害者が被災したケースでは、その地域にある民生委員にも相談した方がいいと思います。

罹災証明書を発行して貰うと受ける事が出来る支援

この証明書を発行し貰うと受ける事が出来る支援とはどういったものがあるのでしょうか?

税金や国民健康保険料などが減免される

被害を受けてしまった住居の固定資産税・国民健康保険料などの減免、所得税の確定申告などの際に、雑損控除や減免を受ける事が出来るケースがあります。
届け出るところは、税務署や自治体の保険年金・税務部署になります。
申請先が少し分かり辛いので、自治体の担当者へ相談した方がいいでしょう。

被災者生活再建支援金の給付が受けられる

自治体に申請をすると、国や国の指定の基金から、最高で300万円の支援金を受ける事が出来ます。
住居の被害の度合い・再建方法・世帯の人数などにより、金額が決まります。
支援金は住居の被害の度合いにより、支給される基礎支援金と住居の再建方法により支給される加算支援金とを合わせた金額になります。
世帯人数が1人の時は、各該当する欄の金額の4分の3の金額になります。
一旦住宅の賃借契約をした後に、居住する住宅の建設や購入などを行うケースでは、トータルで200(または100)万円と決まっています。

災害援護資金を借りる事が出来る

都道府県内で災害救助法が適用された市町村が1つ以上あるケースの災害が対象で、負傷した人、住居や家財に被害を受けた人に自治体が貸付けの受付と決定をします。
自治体から最高で350万円を無利息か年利3%で貸付けを受ける事が出来ます。

これは、世帯主の負傷の状況や住居の被害の度合い、世帯の所得などにより金額が決まります。

金融機関から災害復旧支援融資を受ける事が出来る

金融機関から無利息や低い金利で融資を受ける事が出来るケースがあります。
金融融機関によって、金利や借りる事が出来る額などが変わるため、金融機関に問い合わせる必要があります。

住居の再建について

住居の再建に向けて、どのように仮の住まいを決定したり、住居の修理をしていけばいいのでしょうか?

仮の住まいを確保する

被災して住む住居がなくなってしまった場合、公営の住宅に一時的に住む事が出来ます。
罹災証明書を持っていると、状況によっては被害にあった住居が修繕され、また住む事が出来るようになるまで優先して公営住宅や仮設住宅に住む事ができます。自治体の担当者に相談してみるのが良いでしょう。

住居を修繕するケース

住居を修繕するケースでは、『住宅応急修理制度』を利用する事が出来ます。
これは、住居が『全壊』『半壊』『大規模半壊』した時に、“修繕した住居に住む事が出来る”と判断された際に、修繕費を国と自治体が一部分負担してくれる制度です。

しかし所得の条件があり、1世帯当たりの限度額が54万7千円以内となっているので、まずは自治体に問い合わせましょう。
応急修理のケースでは、“災害発生の日から換算して、1カ月以内に完了する”という事も条件にあります。

あと、確定申告の際に損害額として計上が出来ます。
被災をした為に住居を修繕した際は、その費用を確定申告の際に雑損控除の損害額とする事が出来ます。

このため「領収書」「証明書」「源泉徴収票」「保険金」の支払い通知書は、捨てないようにしっかりと保存しておくことが大切です。

住居を解体するケース

住居を解体するケースでは、まずはどういった業者に住居の解体を頼むかを決めます。
解体工事の見積りは、複数の業者に頼んだ方がいいでしょう。

どの業者を決定するかは、親切に応じてくれる事、料金がはっきりしている事、近隣住民への配慮や懇切丁寧に仕事をしていく事を心得ている事がポイントです。
契約をした際は、工事についての不安な事などを業者に相談しましょう。

大規模な災害のケースでは、自治体が解体工事の窓口になっているケースもあるので、自治体の担当者に相談していく事になります。

解体工事の費用

解体工事の費用の補助金、助成金、解体工事で出るゴミの処分にかかるお金が減免になるケースもあるので、自治体の担当者に相談しましょう。
又、解体に必要になった費用を確定申告の時に、雑損控除の損害額として計上出来ます。

このため「領収書」「証明書」「源泉徴収票」などの支払い通知書は、必ず保存しておきましょう。

解体後は、滅失登記をする

住居を解体した後は、1カ月以内に建物の滅失の登記をしなければなりません。
滅失の登記をしないと、次の年以降も固定資産税がかかってしまうので注意が必要です。

滅失の登記の手続きは法務局でしますが、この証明書が必須になるため用意をしておきましょう。
手続きの方法が分からない時は、法務局や司法書士に相談するのがよいでしょう。
解体した建物が未登記だった場合は、自治体の税務の部署に届け出ることになります。

代りの不動産を取得するケース

被災した事で、滅失・損壊した不動産に代わる不動産を取得したケースは、不動産取得税の減免が受けられるケースがあります。代りの不動産を取得する事と決めたら、早い内に都道府県の税事務所に相談をしましょう。
その時は、この証明書が必須になるので用意をしておいて下さい。

不動産を処分するケース

被災した規模によっては、引っ越しをしないといけないケースもあるでしょう。
その際に、不動産を処分するか迷う事があると思います。

まず知りたいのは、不動産の価値がいったいどのぐらいあるかという事ではないでしょうか?
大きな財産なので、不動産の処分も1社だけではなく、複数の不動産会社に見積もりをして貰った方が安心です。

まとめ

いかがでしたか?
罹災証明書がどういったものなのか、支援の内容と併せて分かって頂けたのではないでしょうか?

災害にあった時は、この証明書を発行して貰うと受ける事が出来る支援も多いので、しっかりと申請に必要な用意をして、申請をしておくようにしましょう。

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