【体験者のプロフィール】
- 性別 :男性
- 職業 : 物流関係倉庫
- 年齢 : 30代
- 居住地: 東京都
- 借金 : 100万円
ビギナーズラックで儲かる
私は大学を卒業するまでギャンブルとは無縁の生活でした。アルバイトで稼いだお金の半分は貯金にまわし、質素な生活を送るどこにでもいる普通の大学生でした。
ギャンブルの誘いと敗退
社会人になって、高校の頃からの悪友に「楽にお小遣い稼ぎすることができる方法がある!」と教えられたのが競馬でした。1万円を倍にするのはとても簡単だと言われ、試しに500円をかけてみましたが、ものの数分で擦ってしまいました。
私は負けず嫌いな性格で、負けた分を取り返そうと、次のレースにも挑戦しました。しかし仮説や予想などの概念がなく、ただあてずっぽうに掛けているだけなので連敗が続き、結局競馬デビューは苦い結果に終わりました。
情報収集と再チャレンジ
悔しかった私は、次は当てようと様々な情報を収集したり、アプリを駆使して戦略をよく練り直しました。
試行錯誤するうちに、勝ったり負けたりを繰り返すようになってきました。
そしてだんだん要領が分かってきて競馬がとても楽しくなってきたのです。
安田記念でのビギナーズラック
そして忘れもしない2014年の安田記念。
前日に馬券を買った結果なんと1万円が13万円になったのです。気持ちがハイになり、次のレースも大きく勝てるんじゃないか?と気持ちが大きくなっていました。そして次は思い切って3万円を使うことにしました。
レース中は、仕事だったので結果は仕事が終わった後に確認すると、何と、馬券が全て的中!3万円が、280万円になったのです。当時23歳だった私の、年収とほぼ同じ額が数分の間に手に入ってしまったのでした。
ギャンブル依存症の始まり
普通の人なら、お金のありがたみを感じると思うのですが、そのときの私は違いました。2日連続で、6桁以上の額が手に入り有頂天になっていたのです。
このお金を使って、もっともっと増やし一生働かないでいいほど稼いで楽をしたいと思ったことで蟻地獄にはまってしまいました。
この時の私は、既にギャンブル依存症の沼に片足をつっこんでいたのだと思います。
狂った金銭感覚と借金
当時23歳で人生経験が浅かった私は、大きい配当を当てたことにより、金銭感覚が狂ってしまっていました。10万円を稼ぐのってこんなに簡単なんだ!と思ってしまい、買いたいと思っていた服、ゲーム、ブランドの財布、高級な飲食店など我慢していた物全部にお金をつぎ込み贅沢三昧!ものの3カ月で、競馬で儲けた額を使い果たしてしまったのです。
しかし、お金が無くなってもまたギャンブルで稼げばいいやという考えになり、派遣の仕事も出勤の回数を減らしてロクに働かず、あわよくばギャンブルで生活して行こうと考えていました。
膨れ上がった借金100万円
ところが所詮はビギナーズラック。いつまでたっても勝つことはできず、カードに頼る日々が続き、気づくとカードの借金が100万円まで膨れ上がっていました。
取返しの付かない所まで来ていました。何回死にたいと思ったことか、今考えるとぞっとします。
借金を抱えて
100万円借金があった頃は、毎日生きている心地がまったくしませんでした。
1日に使える額は小銭程度で、弁当を買う代わりに自宅からおにぎりを持参して食費を削り耐え忍び、友達から遊びに誘われても断っていました。
借金を抱えていることは、友人や家族には言えませんでした。誰にも相談できないことで鬱にもなりかけました。
生きていても、「何も楽しいことはない一層死のうか。」と何度も考えて人を信じたりできず常にネガティブな思考になっていました。
そこで、私は派遣に入る回数と準社員で働く日数を増やすことにしました。
そしてあることを考えたのです。
返済はギャンブルという考えと奇跡
普通であれば、そこで地道に働いてコツコツ返していくしかないと考えるはずですが、私は違いました。ギャンブルで作った借金はギャンブルで返すという発想になったのです。
ギャンブルで作った借金を、またギャンブルで返済しようなどという考えは本来ならば良くないことは重々承知しています。ただ当時の私はそうした考えになってしまい、実際実家暮らしだったためにできたことでした。
そして今までとは全く違うやり方に変更し、200万円の配当を当てることに成功したのです。
借金を返済して通常の生活にもどった
その儲かったお金を借金の返済にあて、ギャンブルに依存するのではなくまっとうに働くようになりました。
今回の借金を含む一連のできごとで、私の中でギャンブルはやり切った感があり、ギャンブルは娯楽だという考え方に変わりました。
今ではかつてのようにギャンブルにお金をかけることはなくなりました。
依存症は克服することができたと思っています。
もうあのころのような、借金にまみれた生活に戻りたくないので、現在は見栄を張らず身の丈にあった生活を送ることを決めて、今も月に使う額をしっかりと決めてローンなども組まず無借金生活を送っています。