介護ストレスで買い物依存症から引きこもりに|借金350万円を返済

目次

弁護士さんとの対面

電話で弁護士さんとの面談の予定を決めました。電話対応してくれた受付の女性の方はとても優しく、私はほっとしました。
そして、約束の日時に弁護士事務所へ出向きました。
予約の電話の時に持参するように言われた、請求書類や、どこの会社からいくら借りているかなどを記録した紙をしっかり持って。
これらは、わかる範囲でいいと言われていたので、よく覚えていない旨を受付の方に説明し、いよいよ弁護士さんとの対面となりました。

私は何を言われるのだろうと怖くてたまらなかったのですが、強面で私と同年代ぐらいの弁護士さんは優しく、借金をした経緯などをうんうんと頷きながら聞いてくれました。私は感極まって涙目になりながら、この先どうしたら良いのかわからない旨を伝えました。
そして、私が一生忘れないであろうこの一言を言われたのです。

「お金の問題は必ず解決します。大丈夫ですよ。」それは神様からの一言のように思えました。
「お金はどうにかなるんだ」と安心し、さらに涙目になる私。そして、弁護士さんは衝撃の一言を放たれました。
「自己破産してはどうですか?」

自己破産しますか?しませんか?

私は本当に驚きました。
自己破産は一億や2000万など、高額の借金にしか適応されないと思っていたからです。
弁護士さんは続けて言いました。「これからカードが作れないなど弊害は生まれますが、自己破産で生活がガラリと変わることはありません。自己破産した方が心が軽くなる場合が多いです。」と。

別の日に弁護士さんが私の負債額を調べてくださった結果、約350万円と判明しました。
「この金額分の借金があると自分で気づいていましたか?」と聞かれ、正直に「全く思いませんでした」と答えました。
本当にいくらかなんて知らなかったのです。
「お母さんが亡くなられて、それまで介護で我慢していた何かが爆発してしまったのでしょうね。」と声をかけてもらい、思わず涙がこぼれました。私の場合、車のローンが残っているので車は売却することになるでしょうとのことでした。田舎暮らしの私は車がない生活を想像し、かなり悩みました。
悩んだ結果、私はこう選択したのです…。

自己破産は選ばなかった

自己破産をするのかしないのかの選択を迫られた私は、「車がないと困る」という理由で自己破産を断りました。
弁護士さんは「車はお金を貯めて中古車などを買うといいですよ」等アドバイスをくださったのですが、現在の車のことをものすごく気に入っていたのもありますし、車がなくなって周りの人たちにどう説明していいかわからないという思いで、やはり自己破産は断りました。
世間体を考えている場合ではなかったのですが…
また、「人様に迷惑をかけない」という信念のもと、「借りたものは返す」を実行したかったのも自己破産を断った理由の一つでした。
この判断が最良だったのかは未だにわかりません。
しかし、自分で「借りたものは返します。毎月きちんと返済していきます」と弁護士さんに宣言したので、あとは本当に責任を持って返済していくのみです。

選んだのは任意整理

私は結局任意里整理を選びました。
ローン会社などお金を借りている所と、借りている私の間に弁護士さんが入って返済期限や返済金額などを整理してくれるものです。
これは数日かかるとのことでした。

少し詳しく説明すると、私が借りている相手全社に弁護士さんがかけあい、全部の会社の借金をひとまとめにします。
そして私が毎月払える金額を考慮して、毎月の返済金額と返済の期限を決めていいました。

弁護士さんをお願いしてから、借金した相手の会社と私は連絡をとることをしなくてよくなりました。
このことだけでも心が軽くなってきたのです。

一眼レフカメラも手放した

そして私は毎月4万円を数年かけて支払うことになりました。
そのようなことが書いてある誓約書にサインをし、次の月から返済が始まります。
数日後、弁護士さんから連絡があり「一眼レフカメラの件なのですが、売却してその売上金はローンの返済にあてたいと〇〇会社から連絡がありました。」とのことでした。
そして私は「わかりました。お願いします。」と淡々と返答していました。
ちなみにパソコンのローンも残っていましたが、今後仕事で使うだろうということで売却せず、そのまま返済することになりました。

弁護士さんに言えなかったこと

私は今自分が借りているローン会社などを全部提示し、任意整理していただきました。
しかし、「彼氏の母親からの30万円」については伝えることができませんでした。
なぜかと言うと、「キャッシュカードなどでの借金と、彼氏のお母さんから借りた30万円は一緒ではない」と言う思いがあったからです。
自分でもうまく説明することができないのですが、「この30万円だけは、自分でちゃんと支払いたい。彼氏にも、彼氏の母親にも謝罪して現金で手渡しで返済したい」と思ったからです。
現在は、毎月3万円ずつ彼氏の母親へ現金手渡しで返済を続けています。
次の記事が最後になりますが、「借金」について、弁護士さんに依頼する前と依頼した後の生活や心境の変化について話して行こうと思います。

借金を背負った私が弁護士さんに依頼する前の心境

私は、約350万円の借金を背負っていました。
「クレジットカードの分割払い」でここまで負債が大きくなるとは思いもよりませんでした。

しかも、看護師で安泰のお給料をもらいながら普通の生活を送ると思っていました。
小さい頃から、「人様に迷惑をかけるな! 自分の事は自分で責任を持ってやりなさい!」と教育され、それを信条としていた私が彼氏の母親からも借金するなんて夢にも思っていませんでした。
そして、弁護士さんに相談する前の私の生活は、「何かに怯えて部屋に引きこもる」ものでした。

手紙が投函されたり電話の音に怯えた日々

毎日のように届く督促状。毎日いろいろな番号からかかってくる電話。ドラマのように怖い人たちが家にくるのではないかと怯える毎日でした。人間「ポストに手紙が投函される音」や「電話が鳴る音」にこれだけの恐怖を感じるものなのかと驚きもありました。そこまで追い詰められているのに「友達や彼氏、親戚など周りの人にバレたくない」と世間体を気にしているのか誰にも相談することができませんでした。
食欲もなくなったかと思うと、過食気味になったりと、心身ともにおかしくなってしまっていました。

弁護士さんに依頼した後の心境

思い切って弁護士さんに相談した後の私の心は、まるで土砂降りの大雨から一転して虹がかかる青空のように晴れ渡りました。
「人に相談する」ことがこんなにも心を軽くするなんて。生活の変化で一番大きかったのは、「人の目を気にせず外に出られるようになった」ことだと思います。

引きこもった私が外に出られるようになった

弁護士さんに相談前は「外に買い物に行っている時に怖い人に取り立てにあったらどうしよう」など怯えながら、人の目を気にして夜中にだけ外に出るような生活でした。部屋のカーテンも閉めっぱなしです。
しかし、相談後は何も気にすることなく日中に外に出ることができるようになりました。
カーテンも開け、明るい部屋で生活できるようになったのです。

そして、電話にも出られるようになりました。手紙も余裕で読めるようになりましたね。
本当に生活が一変しました。彼氏との同棲も再開し、母の死を悲しむ余裕も出てきました。

借金があることは変わらない

しかし、ここで勘違いしてはいけないことが「借金はなくなってはいない」と言うことです。

もし自己破産を選んでいたら借金はなくなっていたと思います。
しかし、私は自分の意思で「借りたものは返す」ことを選んだのですから、借金の350万円はこれから何年もかけて支払っていかなければならないのです。

弁護士さんに「任意整理」をしていただいてから、返済計画が明確化しました。
「いくら」を「何年後まで返し続ける」ことが明確化しただけでもこれからのお金の使い方の予定が組めるようになったのです。

「任意整理」をすることによって、これからクレジットカードの作成や利用、ローンを組むこともできなくなってしまいましたが、私は分割払いを覚えるまではずっと現金での支払い生活をしていたので元の生活に戻るだけです。
クレジットカードがないことは大きな買い物ができないことになるので、「買い物依存症」と診断された私にとっては丁度よかったのかもしれません。

支払いは大丈夫か振り返る事が大切

「350万円くらい自分で返済できるのでは?」と思った方も多いかもしれません。
しかし、私には「350万円」の借金はとても大きいものでした。

「借金」は、金額では計り知れない巨大な沼のようなものだと思います。
一度踏み入れたらなかなか抜け出せないもの。
そのように私は感じました。

「人様に迷惑をかけるな! 自分の事は自分で責任を持ってやりなさい!」と言う母の言葉はとても立派なことだと思います。
しかし「時には人に頼ることも必要だ」と思いました。
借金の入り口はどこにあるかわかりません。「これくらいなら…」と始めは少額でもだんだんと雪だるま式に大きな塊になります。

もし「借金をしてしまってどうしたらいいのかわからない」と悩んでいる場合は、借金の金額にかかわらず、弁護士や司法書士などの専門家を頼るべきです。
「お金は、借りるのは簡単。しかし返すのは地獄」と今回のことで学びました。
私自身の経験から、クレジットカードの使用時やカードローンなどの返済時には一度「支払いは大丈夫か?」と立ち止まって考えてからの使用をオススメします。

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