特定調停は借金の返済負担を減らせる?任意整理とどちらが良いか解説

借金の返済が今後も継続して行えない人がとるべき対策として、最も多く利用されているのが「任意整理」という手続きです。

ただ、任意整理は弁護士に依頼しなければ実施する事が極めて困難な手続きであり、それに伴って弁護士費用を負担しなければいけないというデメリットもあります。

お金が無いから任意整理をする訳ですから、中には弁護士に依頼できるだけの費用なんてないと悩む方も少なくはないでしょう。

一方、特定調停であれば弁護士費用をかけずに借金の返済負担を大幅に減らす事ができるかもしれません。

特定調停と任意整理の違いとは

特定調停

  • 債権者(借金の貸し手)に対して借金返済の負担となる「将来的に発生する利息や遅延損害金のカット」を交渉
  • 返済条件の軽減等の合意を目的とする手続き

任意整理

  • 特定調停と同様の内容で借金の返済負担を軽減させる事ができる

一見どちらも同じ手続きに思えますが、この2つには手続きに伴う費用面で大きな違いがあります。

任意整理の場合、弁護士が債務者(借金の借り手)に代わって債権者に交渉を行う手続きとなる為、依頼費用が発生します。

一方、特定調停は簡易裁判所が債権者と債務者の話し合いを仲介し、利息や遅延損害金のカットといった借金の返済条件の軽減が成立するように働きかける手続きとなる為、弁護士を立てる必要はなく、発生する費用は債権者1社につき印紙代500円、切手代を含めて1,000~2,000円程度で抑える事ができます。

その為、借金の返済に追われている中で弁護士の費用は払えないという人に特定調停は向いています。

また、特定調停では裁判所に対して「民事執行停止の申立」を行う事によって、既に実施されている強制執行手続きを停止できるといったメリットもあります。

特定調停とデメリットについて

特定調停は弁護士費用が支払えない人でも、申立てを行う事で裁判所が仲介人の債権者との交渉の場が設けられます。

その為、費用が無くても借金の返済額を減らせる唯一の公的処置となるのですが、その反面で特定調停ならではの以下のようなデメリットもあります。

過払い金請求は別途手続きが必要

特定調停でも、利息制限法の上限金利15~20%に金利を下げて再計算を行い、過去に払いすぎた利息「過払い金」が存在していたかどうかを見直します。

但し、もし過払い金請求が発生していた場合、特定調停の場合は別途、過払い金返還請求書を送付する手続きを行わなくてはなりません。

一方、任意整理の場合は過払い金請求も同時に行える為、過払い金が発生している場合は弁護士に依頼した方がコスト的に有利となるケースも考えられます。

手間がかかる

特定調停は債権者自身が借金の返済条件見直し交渉を行う為、特定調停申立書、関係権利者一覧表など様々な書類の作成を行う必要があり、自らが裁判所へ出廷しなければなりません。

なお、これらの書類作成を完了させて初めて申立てが可能となりますので、その間は債権者の催促が止まらないというデメリットもあります。

また、裁判所に出廷できるのは平日のみになりますので、人によっては休みを取らなければならない可能性も出てきます。

交渉が成立しない可能性もある

特定調停による交渉は、債権者が合意して成立となる為、場合によっては債権者が債務者の希望に同意しない事も考えられます。

また、交渉が合意されるように働きかけてくれる仲介の調停委員(裁判所)が借金問題の手続きにおいて専門的な知識を有しているとも限りません。

その為、やはり専門的な知識と高い、実績を持った弁護士に頼んで任意整理をした方が、自分の希望通りの返済計画で話し合いが成立する可能性は高いです。

特定調停と任意整理、どっちを選択すべきか

特定調停も任意整理も、基本的には将来利息や損害遅延金のカット、更には毎月返済額の減額や返済日の猶予などの交渉を行う手続きとなりますので、借金の返済負担は減る可能性はありますが、借金そのものが減額される、または無くなるという事はありません。

ただ、特定調停は費用が掛からないという大きなメリットがある為、なんとしても費用をかけずに借金の負担を減らしたいという人には向いているでしょう。

但し、任意整理のように弁護士が申立手続きや交渉を行ってくれる訳ではないので、手間がかかる、交渉成立の可能性が任意整理ほど高くないといった様々なデメリットを持っているのも事実です。

デメリットは多いが費用が掛からない特定調停か、デメリットは少ないが高い費用が掛かる任意整理か、自分にとってどちらが最適なのかをよく考えた上で選択する事が大切です。

よく読まれている記事