現代では医療が発達し、超高齢化社会となっている日本。
60歳で定年を迎えて「これから第3の人生のスタートだ!」と張り切りたいところですが、借金がある場合はそうもいきません。
その多くは住宅ローンですが、定年退職を迎えてもまだ返済できていない借金を背負っている方はたくさんいます。何とかなるだろうと甘く構えていたらすぐ目の前に迫るのは、「老後破産」の4文字です。
では、しっかりと返済をしつつ、老後破産をせずに済むためにはどうすべきでしょうか。
定年後も残る借金をどうすべきか
誰でも同じような人生ではなく、それぞれに波乱万丈で様々な事情を抱えたままで定年を迎えます。身体が健康であればそのまま働きたいと考える方も多いですが、実際にはケガや病気で退職を余儀なくされたり、定年後の再雇用がない会社もあります。
そんな時でも借金の返済は待ってくれません。定年になって退職しようがケガや病気になろうが、借金は返さなくてはなりません。
しかし、夫婦二人の年金を合わせても返済を優先すれば生活が出来なくなる、という方もいます。
この時、一番良い方法としては、退職金で借金の返済をしてしまうことです。もしも退職金制度がない会社であったり、さほど金額が高くない場合でもしばらくは失業保険があれば返済は出来るでしょう。
ですが、その後も中々再就職が決まらなかったとすれば、いよいよ困ったことになっていきます。
定年前に借金を返済するためには
定年退職を迎えると同時に破綻する人が多いのは、何の対策もしてこなかったからでしょう。では、来る定年を見据えて何を準備しておくべきだったでしょうか。
1、専門家に相談する
定年退職の時期ははっきりとわかっているはずです。それを迎える前、まだ収入があるうちに、定年後にも残ってしまう借金の返済予定が立たない場合には、1日でも早く専門家へ相談しましょう。
例えば市町村役場の無料相談会、法テラスで弁護士に相談する、日本クレジット協会で家計見直しに協力してもらう、消費生活センターで多重債務の相談に乗ってもらう、などです。
特に、借金の返済がどうしても難しいと思われる時には債務整理の検討も必要となってきます。
そんな時はお金や法律のプロである弁護士や司法書士に相談しましょう。
任意整理や特定調停、個人再生、自己破産などについてアドバイスをくれます。
どうしても返済が無理なら
色々やってみたけれど、やはりどうしても借金の返済は出来そうにない、このままだと老後破綻を迎えるという方は、債務整理を終わらせた後、生活保護を受けることを検討しましょう。
ただし、生活保護を受けるためにはいくつかの条件がある上に、借金の返済に生活保護受給金をあてることは出来ませんので、安易に生活保護を受ければいいとは考えないでください。
借金持ちが定年になるまでの心構えとは
毎日を必死で生きていて、そんな未来のことまで考えることはできない、という方もいるかもしれませんが、自分の将来はある程度推測できるはずですから、破綻を迎えたくなければ努力するしかありません。
では、どんな心構えや行動をしておくべきでしょうか。
1、仕事先は探しておく
まず、会社を退職、もしくは辞める前に次の仕事先を探しておきましょう。リストラなど急な失業では探しながら借金を返済していく必要がありますが、定年退職であれば時期が分かっているはずです。
もし再就職が厳しくても、ある程度活動を頑張ったなら気持ちを切り替えてアルバイトやパートも考慮に入れてください。細く長くでいいので安定した収入を得ることが大切です。
2、利用できる制度がないか確かめる
再就職までに時間がある場合には、利用出来る制度はないかチェックしてみてください。
例えばハローワークでは「求職者支援制度」や「失業手当、失業保険」「技能習得手当」などの申請が出来ます。各市町村の役場では、「国民健康保険料免除」の申請も出来ますし、「社会福祉事務所では生活福祉資金貸付制度」もあります。
自分が利用できる制度はないか、調べてみましょう。日本は申請制度ですので、自ら申請手続きを行わないと誰も教えてくれたり案内してくれたりはしません。しっかりと調べてください。
3、新しく借入はしない
そして、破綻はしていないけれどやはり生活が厳しいからと、新に借金をしないようにしましょう。多くの金融機関では60代以降では審査が厳しくなりますし、健康面でも不安が出てきます。
4、夫婦仲・家族仲をよくしておく
更に、夫婦や家族がいる人はその仲をよくすべく努力をしてください。夫婦どちらかの健康が損なわれて思うように働けなくても、もう一人が働けるなら生活は保てる、ということがよくあります。
基本的には「離婚すれば共倒れ」だと考え、パートナーとの絆を育むことも必要です。熟年離婚はお金がかかる上、借金はなくなりません。