高額な買い物や度を超えた遊びなどの浪費がかさみ、気づけば700万超の借金を抱えることに。いろいろ調べて悩みに悩んだ末に、個人再生よりも自己破産の選択をすることになりました。
自己破産するにあたって気になったのがクレジットカードのこと。今まで家賃や光熱費、その他もろもろの支払いには現金ではなくほぼカードを使っていたため、自己破産をした場合どうなるのかが気になったのです。
「クレジットカードはどうなるの?」「自己破産したらクレジットカードはもう使えないのかな?」 実際体験してわかったことを紹介してみようと思います。
自己破産でクレジットカードは使えなくなる?
結論から言うと、自己破産するとクレジットカードは使えなくなりました。
まあ、そりゃそうですよね。 クレジットカード会社からしたら「私は借金は返しません。自己破産します。」って通知を送ってくるような相手に、いつまでもカードを使ってお金を使われたくないですよね。
自己破産後にクレジットカードは解約される
「クレジットカードが使えなくなる」ということがどういうことかと言うと、カードを強制解約させられました。
と言っても、自己破産を依頼したときに私名義のカードは全て担当の弁護士さんに渡していたので、すでに手元には無い状態でした。あらかじめ弁護士さんから、自己破産手続きの開始でクレジットカードは解約になって使えなくなると聞いていたため、事前にカード払いにしていたもろもろの支払いの変更手続きをする必要がありました。これについては後述します。
解約されたカードは自己破産後何年たっても、もうそのまま使うことはできません。自己破産後に、ある一定の期間が経ってから再契約するしか無いと思います。
ただし自己破産したときに使っていたカード会社は、自己破産した後に再契約することは難しいとのことでした。たしかに一度借金を踏み倒してますからね。
未使用のクレジットカードも自己破産後使えない?
実は私はクレジットカードを複数枚持っており、そのうち1枚は一回も使ったことがないものでした。 このクレジットカードも解約になるのか弁護士さんに聞いたところ、未使用であったり、返済しなければならない支払いがないカードはすぐには止まらないとのことでした。
ただし、自己破産手続きが開始され、後述する信用情報機関に事故情報が登録されれれば遅かれ早かれ強制解約になるとのことでした。「こいつは支払いを踏み倒すヤバイやつなのか」と知ったカードが会社が、自社も被害に遭う前にカードを使えなくしてやろう、となるわけですね。
つまり、いずれ未使用のクレジットカードも使えなくなるということです。
クレジットカードの新規発行もできなくなる
自己破産の手続きが開始されると、クレジットカードの新規契約もできなくなります。自己破産するまでに契約していなかったクレジットカード会社だったとしても、新規契約はできません。
これは私も調べたのですが、信用情報機関に事故情報が登録されるかららしいです。
これがいわゆる「ブラックリスト」にあたるもので、クレジットカードを申し込んで審査される際に、この情報を確認して記載があると審査に落ちるようですね。審査って何してんねんと思ってましたが、こういうことをチェックしてたんですね。
信用情報機関の事故情報の登録が消される5~10年の間は、新規のクレジットカードの発行はできないみたいです。
信用情報機関とその登録機関は以下の通りです。
金融情報機関名 | 加盟業種 | 事故情報の登録期間 |
---|---|---|
株式会社シー・アイ・シー (CIC) |
クレジットカード会社 | 5年 |
株式会社日本信用情報機構 (JICC) |
消費者金融 | 5年 |
全国銀行個人信用情報センター (KSC) |
銀行 | 7~10年 |
信用情報の登録期間は気になったので、自分でもネットで調べていました。
CICとJICCがどちらも5年で登録が解除されるのに対し、銀行系のKSCは7年と書いているところもあれば10年と書いているところもありました。私の相談した弁護士さんは10年と言っていたので、10年は覚悟した方が良いと思います。
いつからいつまでカードを使えないの?
カードが使えなくなるタイミングは、弁護士さんが自己破産の手続きのための通知書類をカード会社に送付して受理した時点、そして次に利用できるようになるのは、先述したとおり信用情報機関の登録期間の終了後(5年から10年後)ということになります。
自己破産が終わったからといって、すぐにクレジットカードが使えるようになるということではないということです。
自己破産前にやったこと
口座引き落としに変更した
クレジットカードが解約になる前にしたことは、カード支払いにしている支払い方法を口座振替などに変更することでした。
家賃と光熱費、スマホの使用料の引き落としをカード払いにしていたため、急いで銀行口座引き落としに変更しました。生活に直結する家賃や光熱費の支払いが止まると、露頭に迷うことになりかねないため変更必須です。
あと、忘れがちなのがネットの回線費用やアプリのサブスク関連です。必要ないものは解約し、今後も利用するものは支払い手続きの変更が必要です。私の場合はNETFLIXを解約し、アマプラとネット回線を銀行口座引き落としに変更しました。
カードのポイントはどうなる?
クレジットカードは解約された時点でポイントやマイルも失効します。なので自己破産する前に、溜まった分はさっさと商品に交換しました。買い物でカードを使いまくっていたので、そこそこのポイントが溜まっていました。借金してポイントを買ったようなものだと思うと、皮肉なものです。
ただし楽天ポイントとアマゾンのポイントは、自己破産後もなくなりませんでした。クレジットカード自体に溜まるポイントは失効しますが、スマホのアプリやネット上で連動してポイントが溜まるシステムのものは失効しないようです。
自己破産とクレジットカードに関する疑問
クレジットカードを隠して自己破産できるのか?
先述した通り、所持しているクレジットカードは自己破産前に弁護士に渡します。そしてそのまま強制解約となり使えなくなるわけですが、このとき使用しているカードを、例えば1枚申告せずに隠していた場合どうなるでしょうか?私はちゃんと全て提出しました!でも気になったので弁護士さんに聞いてみました。
「使用しているクレジットカードを隠して自己破産できるか?」 答えは「NO」!
クレジットカードの返せていない残り(残債)があるにも関わらず、破産手続きをした場合、裁判所から「こいつはダメだ」と判断されて、最悪自己破産できなくなるらしいです。たとえ自己破産開始時に隠し通せたとしても、先述した通り、いずれ信用情報機関に事故情報が登録されればカード会社側が気づいて強制解約されます。 強制解約される・借金が膨らむ・裁判所の心象が悪くなって自己破産ができなくなる、この3コンボする位なら、おとなしく最初の時点で全てのカードを手放すべきです。
ETCカードは自己破産後にどうなる?
クレジットカードが解約される際に、当然のことながらクレジットカードに付帯しているETCカードも利用できなくなります。
私は仕事で車に乗ることが多く、高速道路も月に何回か利用します。そのためETCカードは必須なのですが、クレジットカードが解約される際にETCも使えなくなると痛手です。ETCを利用する他の自己破産者はどうしているのだろうかと調べたところ、良いものを見つけました。
「ETCパーソナルカード」は自己破産しても使える
ETCカードはクレジットカード解約時に利用できなくなりますが「ETCパーソナルカード」なら自己破産をしても使うことができるとのことでした。
クレジット機能がないため自己破産しても持つことができ、審査なしで発行できます。デポジットや年会費が必要だったりしますが、全く使えなくなるよりも全然良いです。
自己破産後にすぐ作れるクレジットカードはある?
自己破産をしてすぐにクレジットカードを作りたいと思った場合、すぐに作れるカードはあるのでしょうか?
答えは「No」
先述したとおり、信用情報機関に事故情報(自己破産した情報)が登録されてから抹消されるまで、5年~10年はクレジットカードの新規発行はできません。
クレジットカードによる借金の場合、精神的にカードに依存していると考えられます。私自身クレジットカードを持っていることで、多少大きな金額のものでもすぐに買っていました。このような依存症状がある場合は、強制的にクレジットカードを手放してカードを持たない生活に慣れることが大切だと思います。前向きにクレジットカード依存症から抜け出すための、矯正期間だと思えばいいかもしれません。
自己破産後クレジットカードの審査を最短で通るにはどうする?
自己破産後にクレジットカードを最短で新規発行できるのは、信用情報機関の事故情報の登録期限が切れる5~10年後です。
CIC、JICCに加盟しているクレジットカード会社を選ぶ
自己破産後にクレジットカードの申請をするには、先述したとおりまずは信用情報の登録期限が終了していなければいけません。
銀行系のKSC登録期限が7~10年であるのに対し、CICとJICCは5年で登録が終了します。
つまりはCICとJICCのほうがKSCよりも先にクレジットカードの新規発行ができるというわけです。
金融情報機関名 | 加盟業種 | 事故情報の登録期間 |
---|---|---|
株式会社シー・アイ・シー (CIC) |
クレジットカード会社 | 5年 |
株式会社日本信用情報機構 (JICC) |
消費者金融 | 5年 |
そのため、CICとJICCに加盟しているカード会社のクレジットカードを選んで審査が通れば、自己破産から最短5年で新規発行できることになります。
新規発行手続きをする前に、先に信用情報機関に問い合わせて(開示請求)事故情報の登録が消えているか確認しておけば、無駄な手間が省けると思います。
一度に複数のカードを申し込まない
カードが作れるようになったからといって、複数枚を同時に新規発行申込するのはNGです。
まずは1枚から。
信用情報機関は、事故情報(支払いできなくなったとか)以外に「クレジットカードの申し込み履歴」も登録されてるらしいです。過去に何枚作ったか・どこの会社のカードを作ったか、などが登録されるようで、新規発行申し込みをされた会社は、審査の際にチェックして「こいつは同時に3社に新規発行申込をしているぞ。借金返済に充てるんじゃないか?支払い能力がないんじゃないか?」となって、審査に通らない可能性もあるというわけです。
自己破産時に使っていたカード会社は避ける
自己破産をしたときに使っていたクレジットカード会社の申し込みは避けるべきです。
自己破産に巻き込んだ会社は、過去に支払いをバックレたことになります。自社内で自己破産などの債務整理をした人や、支払いが滞った人などをデータベース化して管理してい管理している場合もあるので(というか大抵してるはず)審査が通らない可能性が高いといえます。
クレジットカードのキャッシング枠は審査が厳しく、特にキャッシングの希望額が大きいと審査に落ちる可能性が高くなるようです。逆にいえば、キャッシング枠を付けない・キャッシング希望額を低くすれば審査が通りやすくなるということになりますね。
まとめ
今回は自己破産をした場合にクレジットカードは使えなくなるのか、自己破産する前にクレジットカード関連でしておくべきことなどを紹介しました。
特に支払い方法を変更することはとても大切で、早急に進めなければならないことだと実感しました。
インターネットで事前に調べておくと、弁護士さんの話も理解しやすいですし、流れを把握して進められると思います。