新型コロナウイルス感染拡大に端を発し政府より発令された緊急事態宣言。
5月14日に39県で解除され、残る8都道府県については関西3府県は21日にも解除の予定としています。
今後感染の第二波が無ければ、経済も時間を掛けて少しずつではあるものの、ゆるやかに回りだすと思われます。
しかし新型コロナウイルスの関連倒産も相次ぎ、今後も事業縮小などで人員削減によるリストラが増える見込みです。
そのような中、リストラされた高齢者は再就職が難しく、短期間で生活に困窮する可能性があります。
このように、高齢者が仕事を失ってしまった場合には、どうすればよいのでしょうか?
緊急事態宣言による倒産
ようやくの緊急事態宣言解除ですが、解除まで持ちこたえられず、倒産に至ってしまった企業が多く出ました。
倒産数は東京都に続いて大阪府、兵庫県と多く、業種別ではホテル・旅館、飲食店やアパレル、雑貨小売店となります。
アパレル大手のレナウンも、経営再建を断念して民事再生手続きを開始しし、兵庫県の神戸空港タクシーでは、4月の売上が前年比で9割減にまで落ち込んだため、82人の従業員を全員解雇した上で自己破産を申請するとしました。
リストラされる高齢者
新型コロナウイルス関連の倒産や営業自粛によるリストラは、今後も増加する傾向にあると思われます。
大人数のリストラの場合、リストラ対象は働き盛りの年代と共に高齢者も含まれ、再就職が難しい傾向にあります。
高齢者の多い運転手業
タクシー会社やバスの運転手などの仕事は、比較的高齢者が多く、仮に仕事を失った場合は元の仕事と同じ職種を探ことが多いです。
しかし現在は、新型コロナウイルスの余波によりどこも経営は苦しいため、すぐには仕事を手にする事は難しくなるのです。
また、一度に大量の求職者が出た場合は、特殊な資格が必要な職種や技術が必要な場合を除くと、採用されるのは比較的若い人材となる傾向にあるため、高齢者の再就職は難しいと言えるのです。
65歳以上の人が受け取れる失業保険がある
65歳以上の人が失業した場合「高年齢求職者給付金」という制度があります。
失業保険には2種類あり、受け取る年齢によって異なります。
- 65歳未満の場合 … 基本手当
- 65歳以上の場合 … 高年齢求職者給付金
今回は65歳以上の人が受け取る事ができる「高年齢求職者給付金」について説明します。
高年齢求職者給付金
「高年齢求職者給付金」を受給するためには公共職業安定所(ハローワーク)で求職活動をすることが条件となります。手続きから認定されるまでの間に、パートやアルバイトなどの副職をした場合は受給資格が失効となるため注意が必要です。
受給するための3つの条件
・65歳以上の雇用保険被保険者である
・失業した日(退職日)直前の1年間に、雇用保険に加入していた期間が合計で6カ月以上ある
・現在、失業中であり、働く意思があり、求職活動を行なえること
以上の条件を満たしている場合、ハローワークに離職票を提出して申請しましょう。
申請に必要なもの
・離職票
・雇用保険被保険者証
・個人番号確認書類(個人番号カード、通知カードなど)
・身分証明書(運転免許証・個人番号カードのどちらか1点、もしくは保険者証、年金手帳の2点)
・証明書用の写真2枚
・印鑑(ネーム印は不可)
・銀行口座の情報
支給額の計算方法
支給額を算出するためには以下のものが必要です。
- 賃金日額
- 基本手当日額
賃金日額は以下のように算出します。
退職直前の6ヶ月の賃金の合計÷180日
賃金は残業代、通勤手当、役職手当などを含んだ総支給額です(ボーナス、退職金は含まず)。
賃金日額 | 基本手当日額(給付率) |
---|---|
2,480~4,970円未満 | 賃金日額×0.8 |
4,970~12,210円以下 |
0.8×賃金日額-0.3 ×{(賃金日額-4,970)÷7,240)} ×賃金日額 |
12,210超~13,500円以下 | 賃金日額×0.5 |
13,500円超 | 6,750円(上限額) |
まとめ
まずはハローワークで相談してみましょう。
年齢が65歳以上の場合は高年齢求職者給付金を申請したいことを伝えましょう。
頼ることができる制度は最大限利用し、再就職に向けて生活を立て直す事が大切です。