ZOZO買収は前澤前社長の金欠が原因?!ヤフーが買収で得た本当に欲しかったものとは?

一代でインターネット衣料品通販会社ZOZO(ゾゾ)を立ちあげ、国内最大のファッションECサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営。
一躍時の人となった前澤友作氏。
しかし9月12日付けでZOZOの社長を辞任。
ヤフーにZOZOの株を約600億円で売却しました。

かつては大富豪とも言われたZOZOの創業者である前澤氏ですが、なぜヤフーに600億円でZOZOを売ったのでしょうか。
それについて解説します。

文春砲で明るみになった600億円の負債額

前澤氏がZOZOの社長を辞任後、9月19日発売の週刊文春で「2000億円株担保借金で火の車」などと報じられました。
これについて前澤氏は23日にTwitterで「僕の借金は約600億円」「2000億円、と出ていますが事実ではありません」と否定しました。

これで2000億円と憶測された借金ですが、前澤氏本人のTwitterによって600億円であるということがわかりました。

前澤氏といえば高額な絵画や月への宇宙旅行を購入したり、Twitterで100万円をばらまいたりと、派手なお金の使い方をすることで注目を集めていました。
はたから見れば億万長者とも見える豪遊ぶりでしたが、それらは前澤氏が保有するZOZOの株を担保にした借り入れによるものでした。

マーケティングの失敗による低迷のはじまり

ZOZOが上向きだったころは良かったものの、やがて経営は下降の一途をたどります。

ZOZOスーツの失敗

黒地に白い斑点のあるZOZOスーツは、着用して専用アプリで撮影すると、自動的に全身の採寸ができるというものでした。
無料で配布され、SNSなどで鳴り物入りで拡散されたため、目にした方も多いかと思います。
それで採寸したデータをもとに、ゾゾタウンで自分にピッタリのサイズの洋服が購入できるということでしたが、使い勝手が良くないということで支持を得ることができませんでした。

「有料会員優遇制度」に反発したメーカーの撤退

ZOZOは2018年に有料会員となった顧客が割引される「有料会員優遇制度」をゾゾタウンで導入しました。
ただでさえゾゾタウンで常時安く売られている商品が、メーカーの意図とは関係なくセールで割引され、有料会員優遇制度で更に安く買いたたかれる状態に、いくつかのメーカーが撤退していきました。
自社のブランド価値を守りたいという考えのもとの撤退でした。
この件はニュースでも大きく取り上げられ、他のメーカーや消費者を不安にさせる要因になったと思われます。

経営の低迷と1/3になった株価

2018年7月末の発表では、4-6月決算で営業利益が前年同比の26%減とガクンと落ち込むこととなりました。
2019年3月期の決算では連結純利益が159億円に。
これは前期比21%減で、創業以来の減益となりました。

株価は下がり続け、なんとピーク時の1/3に。

これにより土地や今まで収集した美術品を売却が始まったようです。

 

こうしてみるとZOZOがヤフーの傘下になる選択を選んだのは、やはり前澤氏の金欠が要因の一つであると思われます。
ヤフーへの売却益はかなりの額が負債の返済に充てられるようです。

 

買収でヤフーは欲しいものを手に入れた

しかしヤフーはただ単に斜陽のネットショップ会社を買収しただけなのでしょうか。
ヤフーはヤフーショッピングを運営していますが、今後さらなるネットショップ事業の強化を狙っています。
それに伴いZOZOのゾゾタウンを新しいネット通販サイト「PayPayモール」に出店させて通販事業を伸ばすことを考えています。

ZOZOは自社で物流のシステムを持っており、在庫管理や配送といった流れを確立しています。
ヤフーとしてはただ前澤氏に乞われてネット通販会社を買収するのではなく、常に争う楽天を突き放し、Amazonの強みでもある物流システムを手に入れるという、eコマース事業の物流戦略としても意味のある買収になると思われます。

まとめ

前澤氏の浪費により600億円の借金はあることがわかりました。
ZOZOを売却した原因は明らかにこの負債にありますが、必ずしも後ろ向きな買収ではなくYahoo!にとっても前澤氏にとってもwin winな結果になったのではないでしょうか。

前澤氏は売却益によって負債を返済し、今後別事業への資金とする。
ヤフーはZOZOの物流システムと今まで培ったノウハウ。

ヤフーは今後傘下に置く事でZOZOをうまく軌道に乗せる必要がありますが、それにより得るものは大きいと思われます。
前澤氏も奇抜な発想の持ち主ですし、今後の動向が気になりますね。

 

 

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