これから始まる花粉の季節。
心穏やかでない人は多数いるのではないでしょうか?2020年の今年は、1月から流行し始めた新型コロナウイルスに伴う深刻なマスク不足によって、より一層不安なことだと思います。
ここにさらに不安にさせるニュースが2019年に巷を騒がせました。
花粉症の薬が保険適用外に?
健康保険組合連合会(健保連)は高齢化が進む現在、医療費も年々膨れ上がってることから、医療費の削減の一環としての改革案を示しました。その1つとして挙げられているのが、市販薬で代替できる花粉症の薬を保険適用外とし、全額自己負担とするというものです。
健保連によると、今回の提言が実現すれば最大600億円の医療費削減が見込めると試算しています。
花粉症は保険適用外とか言い出したヤツには人の心が無いのか
— Nearvit (@gackron2) February 15, 2020
不妊治療がほぼ保険適用外で湿布風薬花粉症を保険適用外にする可能性がある状況でギャンブル依存症に保険適用なんてしたら炎上する気しかしない
— hamnya (@2nd_fable) December 11, 2019
風邪薬や湿布も保険適用外に?
今回の提言では、花粉症の薬だけでなく、風邪薬や湿布、ビタミン剤やうがい薬なども保険適用の対象から外すべきとしています。処方薬と効能が変わらず、一般の市販薬と代替できる場合において公的医療保険の対象から外すと、年間2126億円の医療費の削減になるとの試算を出しています。
このため、「私は花粉症ではないから関係ない」では済まされないことになります。
風邪薬が保険適用外になる話、「風邪っぽいけど病院に行く時間がないから」と3週間ほど調子が悪いまま薬も飲まずに過ごし、全快しないまま職場の仲間と皇居ランに出かけたら走っている途中で心筋炎由来の心不全起こして倒れて1ヶ月後に亡くなったいとこを持つ身としてはちょっと待ったかけたいな
— さんぱち (@_abe38) December 2, 2019
湿布とか、花粉症の薬は10割負担とか言ってるのに、カジノ依存性には保険適用って。意味わからん。 https://t.co/Cb0MBZ7uhM
— ☆すみれ子☆🐾肉球新党🐾 (@misako177) January 13, 2020
保険適用外によって出る影響
保険適用外になることで出る影響としては、全額負担となることで今まで安く手に入っていた薬が、今までの価格よりも高額になることになります。
3割負担 | 市販薬 | |
---|---|---|
花粉症の薬 | 482円 | 1554円 |
湿布 | 96円 | 2551円 |
風邪用漢方薬 | 303円 | 4644円 |
現在花粉症の薬は、一部市販薬としても販売されています。病院の処方箋がなくてもドラッグストアや薬局などで購入できます。
市販薬として販売されている薬
- アレグラ
- アレジオン
- エバステル
- ジルテック
- クラリチン
これらは現在病院で処方された場合は3割負担で済みますが、市販薬としてドラッグストアや薬局などで購入すると全額自己負担となります。ちなみにこれは一部の薬に適用されるものであり、全ての花粉症の薬が対象ではありません。
医療現場で懸念される問題
少子高齢化が進む中、年々医療費が増加している現在、医療費削減に対する取り組みは、避けては通れない問題かもしれません。
しかしながら一方医療の現場では、なんらかの症状を持った人が適切な時期に適切な受診をしないことで、病気の発見の遅れなどにつながるのではないかとの懸念が出ています。
どの薬が対象になるの?
先述した通り、薬局などで販売されている市販薬と代替可能である花粉症の治療薬ということになります。
一部紹介したいと思います。
アレグラ(成分:フェキソフェナジン塩酸塩)
- アレグラFX【第2類医薬品】 / 久光製薬
- フェキソフェナジン錠「ST」【第2類医薬品】 / 協和薬品工業
アレジオン(成分:エピナスチン塩酸塩)
- アレジオン20【第2類医薬品】 / エスエス製薬
クラリチン(成分:ロラタジン)
- クラリチンEX【要指導医薬品】 / 大正製薬
エバステル(成分:ベポタスチン)
- エバステルAL【第2類医薬品】 / 興和新薬
ジルテック(成分:セチリジン塩酸塩)
- コンタック鼻炎Z【第2類医薬品】 / グラクソスミスクライン・CHJ
本当に適用外になるの?いつから開始される?
結論から言うと、まだ何も決まっていません。健保連が提言したにとどまっており、今後日本の健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議する中央社会保険医療協議会(中医協)で話し合われていく予定です。今後の流れが気になるところです。
ギャンブル依存症が保険適用になる理不尽さ
今回花粉症の薬や、風邪薬、湿布などといった一般的に身近な薬が保険適用外になるかもしれないといった提言がでたことで、SNSや巷では安倍政権への批判や疑問が高まっています。
その背景には、2020年2月7日に厚生労働省の医療報酬改定により、ギャンブル依存症の治療に公的医療保険が使えるようになったことが挙げられます。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致をしたい政府は「ギャンブル依存症者が増えるのでは」と反対する声を受けてこれを決定しました。
この決定により世間では、ギャンブル依存症の治療を保険適用とするのに、なぜ一般的に身近な花粉症の薬や風邪薬などを保険適用外とするのかといった不満の声が出ているのです。
この国は花粉症を保険適用外にしてギャンブル依存症を保険対象にするって本当?
— どん (@kt_k_done) February 15, 2020
いやいや、なんでギャンブル依存症に保険適用されて不妊治療とかは保険適用外。今だと風邪薬や花粉症の薬までも保険適用外にしようとかふざけたこと言ってんのに何故?自分が勝手にそうなったんでしょ……ギャンブル依存症保険適用するなら保険適用にしなきゃならないのいっぱいあるよね?
— ひより@ (@nono_piyo7) December 11, 2019
風邪薬保険適用外で、ギャンブル依存保険適用って、どう考えてもおかしいと思う!!!
— 831☻3190🐾 (@cvaqs603) January 13, 2020
なんでギャンブル依存症が保険適用されて花粉症が外されるんや
— 健ちゃん (@99Chomeske) November 21, 2019
まとめ
花粉症の薬や風邪薬などの保険適用外についてはまだ提言の段階であり、決定されたものではありません。
ただし日本国内における医療費の抑制は、避けては通れない問題であり、課題でもあります。今後どのようになっていくか、国民としても関心を持つ必要があります。