キャッシングでお金を借りて、返済が滞る理由というものは人によってさまざまです。
ギャンブル依存症で給料以上にお金を使いすぎる、突発的な病気やケガで仕事ができない、先の入金を見誤った買い物をしてしまったなど。
自らの返済計画が甘かった場合は早急に自戒して見直すべきです。
だからといって貸し手である債権者が、どのような取立てをしても許されるというわけではありません。
テレビドラマのような過激な取立ては貸金業法という法律で、禁止事項とされています。
今回は貸金業法で定められた禁止事項を紹介します。
貸金業法とは
「貸金業法」は消費者の利益を守るための法律
貸金業者(消費者金融業・クレジットカード会社などのカードローンを提供している業者)を対象とした法律です。
複数の業者から借金をして返済が滞るケースが多発したため、抜本的な解決を図るため定められました。無理な貸し付けや、闇金に対する対策、違法金利の適正化などの内容が盛り込まれています。
貸金業法は消費者の利益を守ると共に、貸金業者の違法業務の改善させるための法律なのです。
もしこれに違反すると2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となっています。
借金の取立ての違法行為とは?
借金の返済が滞れば、債権者は取立てをするのは当たり前のことと言えます。
しかし債権者が債務者を、脅したり職場で騒いだり、精神的に参らせてしまったり身の危険を感じるような行為をしていいというのは間違いです。
借金の取立てにも一定の取り決めがあり、それに従っていない場合は違法となります。
貸金業法で定められた違法な行為について紹介します。
- 定められた時間以外に取立てをする
- 正当な理由のない勤務先などへの訪問や連絡
- プライバシーの周囲への暴露
- 他の金融業者から借り入れをさせて、返済の資金にさせる
- 弁護士を立てて債務処理手続きをしているのに、取立てをすること
- 債務者(保証人含む)以外への取立て
- 退去してほしいと意思を示しても居座る
以上のことがあった場合には、警察や弁護士に相談してください。
「早朝と夜中」に取立てはしていはいけない
特に取立てと聞けば深夜や早朝にドアをどんどん叩かれる、というイメージがある方も多いと思いますが、これは業者がやれば違反です。
実際には借金の取立てができる時間は、午前8時から午後の9時までとなっています。
早朝と深夜は取立てはできないということです。
この時間以外は電話や訪問も禁止されていますので、覚えておいてください。
- 借金の取立てが可能な時間…午前8時~午後9時まで
ただし、正しい時間内であれば取立てを行うことが法律でも認められているわけですから、苦情を言うことは出来ません。
他の金融業者からの借り入れを返済の資金にさせるのは✕
債務者に他の金融業者で借り入れをさせて、そのお金を返済の資金にさせることはできません。
例で言えば、お金がないという債務者にレイクやアコムで借り入れさせ、そのお金で返済させるということです。
お金を返済するのだから違法ではないのでは?と思われがちですが、貸金業法では禁止事項となっています。
借金について周囲に口外することは違法
他に禁止されていることは「プライバシーの周囲への暴露」です。
例えば「金返せ!」と書かれた紙をドアに貼り付けたり、近所の人に借金があることを話すといったようなことです。
借金の有無は本人以外に口外してはいけないことになっています。
ドラマで見るような、中傷するビラをまいたり、拡声器で借金について口外するなどはもってのほかです。
家族や友人など、借金をした本人以外への取立ても禁止されていますので、周囲が迷惑をこうむった場合もプロへ相談しましょう。
なお、警察や弁護士の他にも、国民生活センターや貸金業協会、金融庁などでも窓口があって相談を受け付けてくれます。
取立ての流れ
ドラマや映画に出てくるようなひどい取立ては、現在では禁止されているため出来ないことになっています。
しかし取立てそのものは存在しています。
取立てはこのような流れで行われます
- 携帯電話に電話をかける
- 自宅に督促の手紙を送る
- 自宅へ電話をして訪問する
最初の携帯電話の時点できちんと応答するかかけ直しをすれば、その後の流れへ進むことはありません。
借金をしていて返済が滞っている人は、とにかく業者や役所からの電話にはちゃんと応答することが大切です。
無視しても良い事は1つも無く、事態は悪化の一途をたどります。
家族や友人からの取立てではどうすべきか
身内や友人・知人などからの取立ては、証拠も残っていないことが多いですし、どちらも強い口調ではいいにくいでしょう。親しい間柄であれば諦めてくれる場合も多いですが、例えば離婚した夫婦などであれば財産分与の話し合いの中で借金返済を求められることも普通です。
親しい人は業者ではありませんので、著しい脅迫や暴力などがあった時以外は上記のルールは通用しません。深夜に電話があったり会社へ訪問されることもあるでしょう。
借用書があれば裁判などでは債権者がほぼ負けますし、今までの関係には戻れないと思うのが通常です。裁判は人の性格を変えますし、心身共にかなり傷つき疲れますから、家族や親族・友人知人からは借金をしないこと、そして貸してしまった方であれば社会勉強だと思ってあきらめるという判断も考慮してください。
警察に相談する場合
上記のようなルール違反があり、取立て行為(脅迫や暴力など)に恐怖を感じた場合などには、警察へ相談してください。
できるだけ証拠を集める
ただし、勢いだけでいくとうまくいかないことも多いですので、証拠を集めて持参するのを忘れないようにしましょう。
何であれ、証拠があればきちんと話も聞いてくれます。
- 取立てのあった日時をメモする
- 電話や訪問による暴言や内容を録音しておく
- メールは保存しておく
-
貼り紙はどは保存しておく
- 破損などがあった場合は写真に撮っておく
写真に撮影する場合は、日時が表示されるように設定してください。
ただし警察への相談の場合は、相談をしても相談実績を残す事はできますが、身に危険が及ぶような場合でないかぎりは根本的な解決にはならないことがほとんどです。
弁護士や司法書士に相談する
弁護士へ債務整理の相談に行く場合には、証拠がなくても大丈夫です。
利用しているキャッシュカードを持参してください。
弁護士や司法書士によっては相談料がかかる場合があります。
事前に問い合わせて、相談の流れや相談料について聞いてみてください。
いずれにせよ早目に専門家に相談することをお勧めします。