【体験者のプロフィール】
- 性別 :男性
- 住居 :神奈川県
- 職業 :土木工事会社総務
- 年齢 :30代
- 借金 :総額220万円
- 対応方法 :一部任意整理
上司に連れていかれた高級セレクトショップ
24歳の時、職場の上司に「このあとちょっと時間ある?」と連れていかれたのは地元のセレクトショップでした。飲みにでも連れて行ってもらえるとばかり思っていた私は若干面食らいつつも、店内に並ぶ高級そうでカッコいい洋服を前に心が躍りました。
店を経営しているのは上司の知人らしく、その日は上司が1着3万円のシャツを購入する横で店内を眺めながら過ごしました。
その後たびたび終業後に誘われ、気づけば自分自身も買い物をするようになっていきました。何でもない買い物のように思えますが、これが私の借金のきっかけでした。
毎月購入ノルマを課せられるように
当時まだ若かった私は「いい服を着ないと損をする」「これを買ったら仲間だ」と上司と店主に煽られ、はじめは1万円のTシャツ、3万円のパンツなど所持金の範囲内で買い物を楽しんでいました。
しかし次第に月の購入ノルマを設けられたり、商品が勝手に取り置きされていたりするようになり、休日には来店を促す電話がくるようになりました。
金銭的に辛かったのですが、転職して間もなく未だ試用期間であったため、上司に嫌われたくなかった私は断る事が出来ずにいました。そして毎週のようにその店に連れられ、次第に月15万円もの金額を洋服代につぎ込むようになってしまったのです。
上司は店からキックバックをもらっていた
後に判明しますが、上司は店主からキックバックを貰っていました。借金を抱えた後にそのことを知ったときには、上司に対して人間不信になりました。
ともあれ当時はそんなこととは露知らず、自宅にはほとんど着る機会のない洋服がクローゼットに溜まっていくようになりました。
クレジットカードでリボ払いに手をだした
生活費を削って洋服を買い、給料日当日に所持金がほとんど消えるような生活をしていました。
現金だけでは立ち行かず、クレジットカードに頼るようになっていきました。高額な洋服を買っているうちに金銭感覚がマヒしたのか、クレジットカードの限度額は数か月でいっぱいになってしまいました。給料の大半を着もしない洋服につぎ込み、生活費をクレジットカードでやりすごす。
支払いが大きくなったらリボ払いへ変更してやりすごす。
怪しげな広告で5万円の借り入れ
こんな生活を続けているとついに限界が訪れました。
友人の結婚式の参加費用がどうしても用意できない私の目に留まったのは「web完結で即日融資!」といった消費者金融の広告でした。
「手を出す訳にいかない」と思いつつも、「今だけやり過ごせれば…」という気持ちで無人機へと向かいました。
初回の契約は5万円。短時間で借り入れが終わり、あっけない気持ちになったことを覚えています。
気づけば借り入れは5社に
5万円を借り入れしたときは「一括ですぐ返そう」と思っていました。
しかし消費者金融からの借り入れに抵抗が無くなってしまった私はさらに借り入れを重ねてしまったのです。
相変わらず上司には毎週のようにセレクトショップに連れていかれて高額な服を買い、その後もお金が足りなくなると新たな消費者金融で借り入れをしました。
気が付いたら5社から総額120万円を借り入れていました。この頃には完全に金銭感覚はマヒしており、借りたものにも関わらず金持ちのような振る舞いをするようになっていました。当時は気づいていませんでしたが、買い物依存症になっていたのではないかと思います。
クレジットカードのリボ払いも総額100万円残っている状況で、月の返済額が12万円を超えた頃に新たな消費者金融の借り入れ審査に落ちました。
「もう借りられない」という事実が、私を急激に現実へと引き戻しました。
債務整理という選択
周りの友人が家庭を築いているなか、私は数年かけて220万円の借金を背負っていました。
リボ払いで元本が減らない
月々の返済自体はできていましたが、リボ払いをしていたため借金の元本はほとんど減りません。
元々は自分で蒔いた種ではありますが、この先の長い期間返済し続けていくことは困難だと感じ始めていました。給与の高い会社に転職しようにも、次の会社の給与が入るまで耐える少しの貯金もありません。そんなときにとある弁護士事務所の広告が目に入りました。
「相談無料」に背中を押されて任意整理
「相談無料」と書かれていたことを覚えています。その後何日か悩み、私は意を決して相談へと向かいました。
「自己破産しかない」と思っていた私に弁護士の先生は、自己破産ではなく任意整理をすすめてくれました。任意整理は自己破産や民事再生などのデメリットを避けながらも、このまま返済を続ける場合に比べて実際の返済額を減額することができると教わり、借り入れの中でも比重の高かった消費者金融2社とクレジットカードの計3社128万円分の借り入れを任意整理し5年をかけて完済する計画を立てました。3社の月の返済額はそれまで8万円程度でしたが、和解成立後は月2万5千円程になりました。
心配していた弁護士費用は分割で対応いただき、和解交渉をしている間に問題なく支払うことができ安心したことを覚えています。
その後の生活
任意整理後に毎週のように通っていたセレクトショップとは縁を切り、転職して地元も離れました。
転職によって給与アップができたことに加えて、副業を始めたため順調に借金の返済は進んでいます。
任意整理をしていない消費者金融3社の繰り上げ返済も行えたため、2年経った今220万円あった借金も残り半分程となりました。
信用情報に履歴が残ってしまうことになりましたが、日々確実に完済に近づいている実感があります。当時のまま自転車操業で利息だけを返し続けるような生活では、きっと生きる気力さえも失っていたと思います。
あともうしばらく返済を続けて完済できたら、きっと晴ればれとした気分で新しい自分を迎えられると思っています。