50代男性が「借金まみれだった半生」を振り返って伝えたいこと

私の半生は借金まみれだった。

若気の至りと言えば聞こえはいいが、自業自得の結果だったと思う。今は司法書士さんのおかげで過払い金請求や任意整理をしたことで、背中に背負ったものを降ろす事ができた。頭が良いと褒められた子供時代だったが、お金に関して無知なまま、バカな借金で自分の首を絞めてきた。

慎ましいながらも、良い意味で「普通な生活」を送っている今、自身の過去を振り返って思った事・伝えたい事を記載しようと思う。

大人になるまでに学ぶべき大切なこと

私は小さいころから、学校の成績が良かった。数学の成績もよく、高校の数学の授業で複利計算を学んだ時も一瞬で理解できた。
なのに、自分の家計状況にはきちんと向き合わないまま、ここまで来てしまった。借金まみれで半生を過ごした今、大人になるまでに学ぶべきだと思うことがあった。

貯金と節約は必修科目にするべき

貯金と節約。
これらは若い時に学ぶべきことだと思う。こういうことこそ、本当の必修科目として、高校でも大学でも教えるべきだ。
収入を増やすよりも、支出を減らす方がよほど楽だ。しかしある程度支出を抑えると限度が来る。ならばそこでいかに収入を増やすかを考えるのだ。同時にできる人は同時でもよい。
こういったことのノウハウは、意外に子供のころにちゃんと教える家庭は少ないのではないか。知識の早い子供のころに、しっかり教えておくべきだと思う。
年をとればとるほど、それが思い知らされる。

高校生までに金融知識・資産形成の知識を

もっと思うのは、高校生までに金融知識、資産形成の知識を学ぶべきだということだ。
去年、政府の役人が老後2000万円不足のデータを出して、結局財務大臣がその報告書の受け取り拒否という笑えない出来事があったが、本当は、国民全員がそういう老後資金を自ら準備できるように年齢に関係なく、金融学習を義務付けるぐらいでもいいと思う。

借金が人生をどれほど苦しくするか

そして、余計な借金をすることが、どれだけ人生を苦しいものにするのか、しなかった時とのギャップがどれほど大きいのかを教えるべきだ。これは決して私自身の失敗を他人のせいにしたいのではなく、私のような後悔を他の人にして欲しくないから思うことである。

ただ、私自身について言うと、どんなにいい教えを受けていても、根本的に人生を甘く考えてしまっているところがあるため、そこが改められなければ今後も同じことの繰り返しだろう。

50歳を過ぎて「人生を組み立て直す」

さすがに50を過ぎて、持病もあり、いつ死ぬかわからないということを意識し始めると、有意義に残りの時間を使いたいと思うようになった。食べる量も減り、食費も減らせるようになった。ネットを使った副業も少しずつ頑張っており、FXで夢を追うのもやめた。

やっと人並みにお金を稼ぎつつ、分相応の生活をしつつ、人生を組み立てようと思う日々を手に入れた。令和に年号が変わったことと、50歳の節目を迎えたのが、そうさせたのかもしれない。

人生は一度きり、そう思って若い時から、後悔しないような選択をしようと心掛けてきた。しかし借金癖から、大きく人生を狂わせた阿呆であるのは認めざるを得ない。家族や友人に大きな迷惑をかけた。

これまでの人生の苦しみは“自分”のせい

苦しくなると人のせいにしたくなる。親が悪い。生まれた家が悪い。会社が悪い。時代が悪い。教育が悪い。そう思ってきた。
しかし、本当の人生を取り戻しつつある今、これまでの人生の苦しみは、全て身から出た錆だとわかる。誰のせいでもない。自分のせいだ。少しずつ体力が落ち、目が、歯が、足が、お腹が、何かと病院にかかることが多くなった今になってやっと、自分の人生に少しでも懸命に取り組もうという気持ちになれた。

残りの人生は無駄にしたくない

もう残りの日々は無駄にしたくない。遅すぎるかもしれないが、今となっては一日一日未来があると信じて前に進むしかない。

しかし、後悔が大きくなるからしないが(終わったことは振り返っても仕方がないと潔く思っている)もし、過去の選択の道で、常に選んだ楽な道、先送りの道、可能性にかける道とは逆の道を選んでいたら、今頃どれだけの違いが生まれていたか計算してみるべきだとも思う時がある。

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