【体験者のプロフィール】
- 性別:男性
- 職業:介護士
- 年齢:40歳
- 借金:2,500万円
- 対応方法:任意売却
住宅ローンの返済が困難になった原因
住宅ローンを組んだのは30代の頃でした。その当時、息子は5歳、更に妻は新しい子供を授かっている状態で、そろそろ広い家に引っ越したいねという話をしていたのです。
賃貸も視野に入れていたのですが、老後の事などを考えた時に持ち家があった方が安心だという理由で、家を購入する事になりました。
家は土地代込みで3,500万円、頭金なしで住宅ローンを契約し、これを夫婦共働きという形で返済していたんです。
しかし、それから10年ほど経った頃、妻は病気に倒れ息を引き取りました。
これまで妻の稼ぎがあったから返済できていた住宅ローン。
私一人の稼ぎでは返済が難しくなってしまうのは必然でした。
将来を考えると住宅ローンの返済はできなかった
私が組んだ住宅ローンは夫婦の収入の合計額をもとに審査を受けて契約したものなのですが、名義人は私、妻は連帯保証人という形でした。
なので、妻は団体信用生命保険に加入しておらず、住宅ローンの負担が軽くなる事もありませんでした。
その当時は妻の遺族年金で何とか住宅ローンを支払えていましたが、子供が大きくなるにつれて養育費も増え、私は毎日のように頭を抱えていました。
息子は高校を卒業したら働きに出ると言っていましたが、元々大学への進学を希望していた為、それは何とかして叶えさせてあげたかった。娘も同様です。
そういった将来の事を考えれば、多少の貯金は必要。ただ現状では住宅ローンがある為、それができない。子供たちの事を最優先に考えれば、住宅ローンの返済はできなかったんです。
任意売却という打開策を見つける
住宅ローンの負担を何とかできないものかと模索する日々。自己破産も視野にいれていましたが、法律知識の乏しい私にとって自己破産はリスクのイメージしかありませんでした。何より、自己破産で車を差押えられてしまうと生活に大きな支障が出てしまうため、できる限り避けたかったんです。
そんな希望のもの、ネット検索をかけてみたところ、住宅ローンが払えなくなった場合の救済措置として「任意売却」という手続きがある事を私は知りました。簡単に言うと家を売ると言う事です。
どう足掻いても住宅ローンが払えなかった私は、この任意売却に頼るしかないと考え、自宅付近の不動産屋3社に査定をお願いしました。
任意売却を開始し家を手放す事に
査定の結果、いずれも住宅ローン満額を返済できる程の査定額はでませんでしたが、現状の負担を少しでも軽くできるならと考え、もっとも高額な査定額を出してくれた不動産屋に任意売却をお願いしました。
難しい手続きのほとんどは不動産屋が行ってくれたので、特に難しい手続きだったという事はなく、スムーズに事が進んだのを覚えています。
それから2ヶ月後、私の家に買い取り手が付いたとの連絡がありました。
家の損傷はすくなく、立地もそこそこ良かった事が決めてとなり、比較的早く買い取り手が見つかったとの事です。
残った住宅ローンの返済も厳しく
任意売却を開始した時点で住宅ローンは2500万円ほどありましたが、家が売れた事によってその負担は200万円までに減らす事ができました。
住宅ローンを契約している金融機関と交渉して頂き、私の収入でも無理なく返済できる計画で和解が成立。
月々9万円の返済は5万円ほどにまで減らす事ができました。
正直なところ、あまり減らなかったなと言うのが感想です。
今後、子供2人と私が住める賃貸に引っ越す事を考えれば、家賃が重なりこれまで以上の負担になる。
借金そのものは減らせたが、結局は借金自体を失くさない限り現状は改善しないと考えた私は、子供の為に貯めていた妻と私の貯金を崩し、残債(残りの住宅ローン)を完済しました。
任意売却後、アパートへ引っ越し
任意売却によって買い手がついから1か月後、私たち家族は近くのアパートへと引っ越しました。
部屋は1LDK、いままでは子供たち別々に部屋がありましたが、今は一つの部屋を共有してもらっています。
私の部屋はなく、いつもリビングで過ごしています。
地方なので家賃も5万円と安いです。ただ、住宅ローンを完済する為に支払った200万円の借金をとりかえす為、今は本業の介護職と別に夜限定でコンビニバイトもしています。正直かなり辛いですし、寝不足です。
住宅ローンを組む時はこんなことになるなんて夢にも思っていませんでした。
自分が死んでしまうリスクを考えて保険に加入した時、妻が亡くなってしまうリスクも視野に入れておくべきでした。