銀行や消費者金融といった金融機関では様々なニーズに対応したサービスを提供しており、現在では簡単にお金を借りられる時代になりました。ただ一方で、お金が借りやすい現代だからこそ、お金を借り過ぎて生活が困窮してしまっている人がいるというのも事実であり、私も以前はその内の一人でした。
朝10時から17時までのパート勤めで収入もさほど多くないにもかかわらず、多重債務を抱えました。気づけば借金総額は150万円。借金の理由も今考えるとバカな理由で、身の丈に合わない買い物によるものでした。
こんな状況かで、私がどのように借金を自力で返済したのかを今回はお話していきます。
【体験者のプロフィール】
- 性別:女性
- 職業:サービス業(パート)
- 年齢:32歳
- 借金:150万円
周囲の目が気になる性格だった
私は周りの人の目を気にしてしまう性格です。それは昔からのことで、学生の頃もメイクがおかしく思われていないか、服装が変だと笑われていないか、常に回りの目が気になっていました。いつも周囲の顔色を窺っていたのです。
ファッション雑誌を買いあさり、メイク道具や洋服もとりあえず雑誌に載っているものを買っていました。雑誌と同じものを持っていれば、とりあえず間違いはないと考えたからです。実際友達は私の持ち物やファッションを見て「あの雑誌に載ってたやつだよね?いいなあ!」などとうらやましがってくれたりしていました。
今考えれば、私はなんて弱かったんだろうと思います。
幼稚園のママ友間の格付けが気になりだした
私は20代後半で結婚しました。その後子供も一人授かりました。
子どもが生まれてしばらくは、日々の家事や子供の世話で忙しく、以前のように人目を気にするどころではありませんでした。しかし子供が幼稚園に通うにようになり、幼稚園の送り迎えをするようになると気持ちが一変しました。幼稚園や公園で立ち話するママ友ができ、毎日顔を合わせるようになると途端にママ友の目が気になるようになったのです。
ママ友間にあったカースト
幼稚園のママ友には、目には見えないカーストのようなものがありました。直接口に出して言ったりはしませんが、格付けのようなものがあるのです。「○○さんの今日の洋服は綺麗ね。ブランドね。」「△△さんのあの靴見て。安っぽい。」立ち話でひそひそとファッションやアクセサリーや持ち物について話題になり、認められれば仲間になれて、格下に認定されると途端にぞんざいな扱いになりました。
私は独身時代の洋服や持ち物で、なんとか認められていました。ただしいかんせん何年も前のもの。今の流行ものではありません。同じものを使いまわせばいずれ「また同じものを着ているわね。あれしかないのかしら」と言われるのではないかと、内心生きた心地がしませんでした。
“認められたい”一心でデパートへ
その為、私は子供を幼稚園に預けたあとに買い物のついでにデパートに行くようになりました。今はどのようなファッションが流行っているのか、コスメは何があるのかを確かめずにはいられなかったのです。そのまま店に入ると、すぐさま店員があれこれと私に似合うという洋服やコスメを見繕い、褒めちぎって購入を勧めてきました。
店員に勧められた洋服を身につけた私は、堂々としていました。いつものおどおどした顔ではなく、自信に満ちているように見えたのです。お洒落で綺麗な店員が勧めたものなのだから、間違いはないはず。現にとても似合って見えました。私は迷わず即決で購入しました。支払いはカードでした。
ママ友に褒められてエスカレート
次の日早速買ったスカートを履いて幼稚園に子供を送りに行ったところ、ママ友に褒められました。やっぱりあの店員のチョイスに間違いはなかった…。私はホッとした半面、次はどんな服が良いかと焦り始めました。そしてデパートに通うようになったのです。もうこの頃は買い物依存症になっていたと思います。
少しでも不安を解消する為にブランド品や、高めのアクセサリーを身につけるようになりました。私は綺麗で、生活は充実しているという事を回りに認めさせたかったのです。カーストの下位になるのが恐ろしかったとも言えます。
カードの負債は150万円に
しかし、実際はそんな品を買えるだけの収益も貯金もなく、カードの負債はたまっていました。自分名義のカード数枚と、夫から預かっていたカード。
パートの収入は12万円程。当初こんな私でも契約できるカードローンやクレジットカードは沢山あるのだと思いました。ショッピング枠は30万円。いちど手にすると自分のお金だと思い込み、自由に使えるお小遣いが手に入ったと思っていました。もちろんこれは間違いです。ただし当時の私は、借金をしているという感覚は薄れ、高い洋服など気になる商品があれば直ぐに借金をして購入していました。
いざとなったらパートのシフトを増やせば、なんて甘い考えを持ちながら、気づけば借金で借金を返済するようになり、その借金総額は150万円にまで膨らみました。
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借金150万円をどのような方法で返済していったのか
借金の総額が150万円にまで膨らんだ私に伸し掛かる毎月の返済負担。他のカードローンやクレジットカードは既に限度額一杯で追加融資の審査も通らない状況。当然ながら新しいカードを契約する事もできません。
遂に自分の収入では借金の返済は不可能というところまで追い詰められた私は、精神状態が崩壊寸前でありながらも、とにかく他の人に借金の事実を知られてはいけないと強く思い、以下の方法で借金完済を目指しました。
夫に離婚か自力での返済かを迫られた
この時点で夫にバレていました。私自身嘘がつけない性格で、挙動不審の末にカードの明細から事が露呈したのです。信じていたのに裏切られた、そんなような事を言われたような気がします。実際夫は何かあったときのために、ということでカードを私に預けてくれていたのです。裏切ったことに間違いはありません。
夫は渋い顔をして、自力で返済するか離婚するかどちらかを選べと言ってきました。迷わず私は自力で返済すると答えました。返済のあてなどはありませんでしたが、ともかくそう答えたのです。
自力で返済し始める
夫にバレたことを期に、私はいそいで抱えた負債をどうにかしなければと考えました。できることは全てしようと。家事や育児などの日常生活は今まで通りにしつつも、借金をどうするかを考え、インターネットなどで調べました。
お金になりそうな私物を全て売却した
購入したアクセサリーや洋服・靴などの中で、お金になりそうなものは全て売却しましました。正直、無駄な買い物を断ち切るという断捨離目的もありました。しかし購入した時のお金の5分の1にもなりませんでした。引き取り金額を聞いた時の、ただただポカーンとした気持ちは今でも忘れることはできません。
多重債務をおまとめローンで一本化した
インターネットで多重債務の負担を抑える方法を検索した時、まず初めにおまとめローンがヒットしたので利用する事にしました。2社ほど審査に落とされましたが、何とか金利の低い銀行のおまとめローンを契約してもらう事ができ、月の最低返済額を抑える事に成功しました。
借金の返済計画を見える化した
一枚の紙に、私のパート収入と出費を全て書き出し、月々どれだけの額を借金返済に充てられるかを見える化しました。収益や出費を毎月紙に書き記しました。
収益を増やした
パートを掛け持つ事は難しかった為、在宅でできる仕事について調べていると、誰でもノーリスクでお金を稼げるクラウドソーシングという仕組みを知り、これで月に3万円ほど収益を増やす事ができました。日中パートをし、夜に一通りの家事が終わったあとでクラウドソーシングで受けた仕事をするということで収入を増やしました。クラウドソーシングは指定されたテーマにそって記事を作成するという、私でもできる仕事が多かったので、借金返済はかなり楽になりました。
2年半の月日を経て借金完済
返済計画を見える化したのと、クラウドソーシングによって得た収入のおかげで繰上げ返済ができたので、借金は2年半で何とか完済できました。
実は返済を始めた当初、夫からもとから離婚の意思はないという事を言われました。不用なことで借金をした、私の態度や決意を見たかったのだと。その結果私の返済や離婚を回避したい意思が強い事が分かったため、夫も返済の援助をすると言ってくれました。しかし私は、私の身勝手な気持ちのためにした借金なのだから、夫の助けは借りずに自分自身で返済したいと返答しました。
もう私は妻であり母なのだから、弱い気持ちに振り回されない気持ちの決意でもありました。他人の目が気になることから買い物依存症へ。自分のことながら今考えるとバカだったなと思います。
最初は債務整理も考えたのですが、周囲にバレることがあると聞いて結局のところ自力で返済する事を決めました。多分、債務整理しても周りにバレる事は無いでしょうし、これもまだ周囲の目を気にしてしまう欠点が関係しているのかもしれませんね。もっと自分を強くもたなければと思っています。