【体験者のプロフィール】
- 性別:男性
- 職業:元会社員 現在フリーランス
- 年齢:34歳
- 居住地:東京都
- 借金:税金24万 カードローン40万
- 税金への責任感、恐怖心がまったくなかった僕
昔からお金には無頓着な性格で、アルバイト代もあるだけ全てをその月で使ってしまうような後先考えない金銭感覚でした。
そしてこれは僕が東京で初めて一人暮らしをした時の話です。
その当時はプロスポーツ選手をしていましたが、それだけでは食べて行けずアルバイトもしていました。
家賃、光熱費、食費を払ってギリギリの生活で税金の優先順位は最後になってしまっていて、支払いの手紙が来ていても封を開けずに放置していました。
実際の生活では税金は目に見えないもので、税金を払う義務の責任感や重大さなど全くなく払わなくてもなにも変わらないだろうと、軽く思っていました。
手紙だけでは怖くなかった
住民税の請求書が入った手紙は最初は普通の封筒でした。
僕の記憶だと東京都荒川区は最初の封筒の次に、少し文字が黒く太くなって『重要』と書かれた白い封筒が来て、次に黄色い封筒が来ました。
黄色い封筒にはとても大きな文字で『必ず開封してお読みください』と書かれていました。
それでも、手紙だけだとまったく恐怖心が湧かず支払う意思はありませんでした。
スポーツ選手を引退して就職・引越
家にも役所の方が来ていたと思いますが、僕は家にほとんどいませんでしたので対応もしておらず焦りも恐怖心もありません、そんな時期にプロスポーツ選手を引退しました。
引退と同時に勤めていた職場をアルバイトから正社員として雇用していただくことになり、就職で異動になり引っ越しをすることになったのです。
住民票の移動をせず税金の支払いを忘れていた
以前住んでいた荒川区から都内の違う区へ引っ越しました。
異動が多く年に3回ほど引っ越しを繰り返すような職種で、僕は住民票の移動を怠ってしまいました。
もちろん引っ越しをしていることを区役所の人は知らないはずなので、手紙は前の住所に送られていたと思います。
引っ越しをして手紙が来なくなった僕は、税金のことなどすっかり忘れていました。
無視し続けた結果差し押さえられる
区役所の電話で税金滞納の実感がわいた
半年ほどたったある日、僕が勤めていた職場に一本の電話が入ります。
僕が担当をしていた職場での電話だったので僕がでました。
前に住んでいた荒川区役所からの電話でした。
内容は「手紙は届いていますか?」というものでした。
僕はそこで初めて恐怖というか、滞納している実感が湧いたのです。
焦ってしまって「今は仕事中ですので帰宅次第確認します。」と、その場しのぎの嘘をついてしまいました。
引越して督促状をそのまま放置した
何回も引っ越しをしていて、支払いの催促の手紙は残っていませんでした。
そしてそのまま放置してしまいます。
1週間経っても区役所からの電話はありませんでした、これでまた恐怖心が薄れた僕は趣味のキャンプに行きました。14日から1泊2日で毎月15日が給料日だったのですが、僕は給料日だのみで帰りの交通費は持たずに出かけました。そして楽しいキャンプを終えて帰ろうと銀行へ給料をおろしに行きました。
カードが使えず差し押さえられたことに気づいた
キャッシュカードを持っていなかったので、窓口でおろそうとしたのですが、いつもなら5分ほどで手続きが終わるのですが、10分ほど待たされました。
そして銀行員の方からこちらの通帳の残高は差し押さえられていますと伝えられました。
確認すると全額ではなかったのですが給料の半分が『差押え』と記帳されていました。
そこですぐに気が付きました、住民税の滞納だと。
その当時の喪失感と絶望感に襲われたことを今でも鮮明に覚えています。
区役所に滞納分を分割にしてもらう
差押え金額が半分だったのですが、生活が本当にきつかったです。
差し押さえられた月は副業を必死でやって、なんとか家賃や光熱費などはまかなうことができました。
そして僕はやっと税金への重大さや責任感に気が付きました。
今まではばれなければいい、逃げればいい。という考えでしたがいざ差し押さえられてみると生活面でもダメージですが、自尊心が損なわれました。
そして区役所に自ら電話をして、謝罪と返済していきたい旨を伝えました。
区役所の方はとても気持ちのいい対応をしてくれて無理のない返済計画を提案してくれました。
溜まった住民税は約24万円、これを一年間で返済することになり、今も返済を続けています。
生活への影響
公的機関の料金の滞納は信用問題にも影響するらしく、僕は今ではクレジットカードを作ることができません。
なにか病気になった時にも医療ローンも組めません。
税金は目に見えないものですが、僕たちが乗っている電車、バス、道路etc
これは税金で補われています、今ではそれぞれの公共機関を利用するたびに税金のことを考えます。
ただのものはないのです、これからは心を入れ替えてまっとうに生きていこうと差押えを経験して思いました。