【実録】アメリカ留学の奨学金を使い込んだ20歳学生

【体験者のプロフィール】

  • 性別 : 男性
  • 職業 : 学生
  • 年齢 : 21歳
  • 借金 : 288万円+親に借りた分
  • 対応方法 : 奨学金のため卒業から返済開始

「アメリカ行って社長になりたい!」唐突に親に言った一言でした。

僕は当時、目標を叶えるために大きな賭けをしようとしていました。
その大きな賭けとは、「20歳にして300万円という大金を借りる」ことでした。
300万円の大金とは、アメリカ留学のための奨学金です。

留学のため300万円の奨学金を借りる

前述の通り、私の借金は目標であったアメリカ留学のための「奨学金」でした。

「奨学金って借金なの?」と思われる方もいるかもしれません。私は、奨学金は借金と同じだと考えています。借りていずれ返さなければいけないものだからです。
私の奨学金は返済義務がある上に、金利も発生するため、基本的には借金と大差ないと思います。

テレビ番組の社長の生活に衝撃を受けた

小学生のころ、その後の僕の人生を左右するものに出会いました。
ある日、何気なく家で見たテレビ番組に衝撃を受けたのです。その番組は、数人の会社の社長が特集されていて、プライベートに密着したり、自宅や持ち物などを紹介していました。

その中で見たものは数百坪もの敷地面積を擁する大豪邸やフェラーリやポルシェなどの高級車、更に高級ファーストクラスでの海外旅行など、まさに豪華絢爛といったものでした。

その社長の姿を見て私は子供ながら「かっこいい、この人達みたいになりたい」と思いました。社長になったらお金がたくさん稼げて、好きなものがたくさん買える!! という、なんとも単純な理由でした。(笑)

アメリカへ行くという目標

「どうしたらこんな風になれるんだろう」と思っていると、その番組では紹介されていた社長の経歴なども特集しており、その多くがアメリカの大学出身でした。
どの社長も成功していたので、私は単純に「自分もこういう風になるにはアメリカに行くしかない!」と思い、僕はいつかアメリカへ行くことを目標とするようになりました。

私はビジネスを勉強したいと思っていました。そこでアメリカでも西海岸のカリフォルニア州に留学したいと考えていました。理由は多くの企業があるカリフォルニアなら、起業するためひ必要な、様々なことを学ぶことができると考えたからです。

お金という問題

しかし、高校進学後、本格的に留学の準備に取りかかり始めた時に、留学に必要なお金が足りないといった問題が起こりました。
カリフォルニアの大学の学費が高額だったのです。

その1. 学費が高い

画像は年間に必要な学校の経費です。

アメリカの大学は日本のように「頭のいい国公立大学なら学費も安い」というわけではありません。学力があると言われる大学であるほど、私立・国立関係なく高いのです。

カリフォルニア州は現在財政難で、海外からの留学生に出せるような奨学金がほとんどありません。そのため年間150万円を個人負担しなければなりませんでした。
こういったことから、留学するにあたって少なくとも300万円(短期大学用)は学費として必要でした。

その2. 生活費がかかる

生活費も想像以上のかかることが分かりました。

カリフォルニアでは家賃の高騰が激しく、留学生は住むのが厳しい環境が続いています。
ワンルームのアパートの家賃で2,000ドル(日本円で約22万円)ということも少なくありません。その中でも、私が留学を希望していたサンタモニカとシリコンバレーはカリフォルニア州の中でも、トップクラスに地価の高い地域として有名でした。

この2つの地域はアメリカでもトップクラスで地価の高い地域と言われ、シリコンバレーに至っては「全米一家賃の高い地域」と言われるほど高騰していることがわかりました。

余談ですが実際に今住んでいるアパートは2LDKで約3600ドル(日本円で約40万円)にもなります。東京の港区のとあるタワーマンションの41階が3SLDKで35.5万円なので、べらぼうに高いことがわかります。

その3. 食費が高い

また食費などの日常でかかる金額も高いことがわかりました。
特に外食費です。日本でラーメンを食べると安ければ500円、多くても1000円ぐらいでしょう。しかし、アメリカではラーメン1杯で15ドル、だいたい1600円取られることも普通にあります。

支払いの10%~20%取られるチップ

加えてアメリカにはチップ文化があるので、合計の約10%から多い時には20%を追加することもあります。そうすると、合計で2000円を超えることも。食費だけで月に6万円から8万円かかることもザラにありましたし、その他諸々を含めると家賃を含まなくても10万円かかることも頻繁にありました。

海外留学奨学金を借りることに

これらのことからアメリカへの留学は、金銭面の問題から難しいのではと思い悩んでいたころ、奨学金担当でもあった高校の先生が日本学生支援機構の「海外留学奨学金」を勧めてくれました。私はすぐに海外留学奨学金を受けることに決めました。子供の頃からあこがれてきた、アメリカへの留学が、お金の問題で叶えられないという絶望の淵にいた私には朗報でした。

これでようやく私は、奨学金を借りて目標であったカリフォルニア留学を実現できました。
しかし、私はアメリカでお金の面で多くの失敗をしました。

浪費癖で奨学金を使い込んだ

正直、私はすごく浪費家です。とにかく、財布にある分は使ってしまいます。
そんな私が月に12万円という大金を手に入れた時、振込のたびに欲しいものを買ってしまっていました。

特にひどかったのが初回の振込でした。

奨学金でAirpodsやテレビを買ってしまった

大学に書類を提出し、受理されて振込開始されたのが6月でした。その時に6か月分の奨学金がまとめて振り込まれました。総額72万円。
私は「よし、Airpods買おう」と思い、即座に購入しました。

しかも当時退屈すぎるあまり、プレイステーション4(約3万円)と40インチのフルHDテレビ(約2万5千円)、さらにBeatsのヘッドフォン(約4万円)も購入してしまいました。さらにお金に余裕ができてしまったことで、外食やデリバリーの頻度も増えていき、最初の一か月で20万円ほどの出費をしてしまいました。
画像は当時買ったものです。

このようにして、私は自分の欲求を抑えることができずに多くのお金を浪費してしまいました。

生活がひっ迫して親に援助してもらった

留学生活の補てんのための奨学金の無計画な使い込みは、その後にツケとなってやってきました。先程も書いた通り、月々の高い家賃や食費によって、あると思ったお金はどんどん目減りしていきました。
さすがに焦った私は、なんとか節約しようと食費を抑えたり、友達との外出を控えたりしました。

しかし節約といっても微々たるものでした。食費を抑えたことで体調もよくなく、このままではそもそもの学業自体がおろそかになると考えました。そしてとうとう最終手段としていた、親に頼み込んで資金援助してもらうという選択肢に手をつけてしまったのでした。
自分の愚かな浪費癖の為に、奨学金を受けた意味が薄れてしまったような気がしました。

親から資金援助してもらったとき、なんとも言えない気持ちになりました。親にとっても大事であるお金を、しかも少なくない額を送ってもらった。本来なら奨学金でなんとかできるはずなのに、自分のせいでそれができなかった悔しさ。

今までもお金よりも大切なもののように感じました。これを期に、私は無駄遣いをやめ、お金をやりくりしながら真面目に生活しています。

奨学金の返済計画

奨学金の返済計画としては、まず4年制大学を卒業してから返済を開始しようと思っています。
奨学金のメリットとして、大学卒業後までは返済をストップできるというシステムがあります。貸与終了から六ヶ月間は返済猶予として、返済をする義務を止めてもらえるのです。私はこの制度を使って、編入後に日本の4年制大学を卒業するまでの期間は返済を止めてもらい、勉学や就職活動に集中しようと思っています。

そして卒業後に月々の返済額を増やして、早期の完済を目指しています。

最後に

留学中はいろいろなことがありました。
お金を使い込んだために、毎日の生活が苦しくて仕方がない時もありました。学業だけではなく、お金や生活に関しても学ぶことは多かったように思います。
そして親の大切さも身にしみて感じました。

これから奨学金と、親に援助してもらったお金を返していくことになりますが、自分の身に経験したことを忘れずに頑張ろうと思います。

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