生活苦で200万円の借金持ちの売れないバンドマンが個人再生した話

【体験者のプロフィール】

  • 性別:男性
  • 職業:ミュージシャン
  • 年齢:25歳
  • 借金:200万円
  • 対応方法:個人再生

バンドマンの厳しい現実を突きつけられた

中学生の頃からギターを弾くのが大好きだった俺は、進学した大学の軽音サークルで気の合

った2人とバンドを組んだ。
学生時代のバンド活動は順風満帆、学園祭で歌を歌えば観客の学生たちは盛り上げてくれるし人気もあった。ライブチケットも大学で販売すればバンバン売れたので、学生時代にライブハウス代で困ったことはない。
そんな事もあって音楽に自身を持った俺は、バンドで食っていこうと本気で思っていたし、メンバーもそのつもりでバンド活動に明け暮れ、就職しないまま大学を卒業。

しかし、その後はどうだろう。
大学でチケットが販売できなくなった俺たちはチケットノルマを達成できず、自腹でライブハウス代を支払うのが当たり前となった。

バンドマンとして活動する為に借金

俺はバンドマンとして成功できるならお金を惜しまずに使っていた。
いい音を出せるなら高価な機材も買ったし、告知の為ならとミュージックビデオも撮った、CDなどのグッズも作った。

アルバイトよりもバンド活動を優先する事が当たり前だと考えていた当時の俺の収入は月に10万円ほど。当然資金は足りなくなったから、その分は借金で補った。
アマチュアバンドであれば借金は当たり前。
いずれは必ず成功する。
当時の俺はそんな自信があったからこそ、惜しまずに借金する事ができたのだろう。

メンバーが借金苦で脱退し窮地に追い込まれる

バンド活動を始めてから5年が経ったが、未だにライブハウスを埋める事ができない。

そんな困窮した状況でバンドメンバーの一人が俺に抜けたいと相談してきた。そいつも俺と同じでバンド活動の為に借金を背負っていた。
しかし、このままだと返済はできない状態で、何より将来が不安で怖いとの事だった。
アマチュアなら当たり前だ!今売れているバンドも10年以上の下積みを経験している!そうメンバーに語ってはみたが、それからそいつはバンド活動に顔を出さなくなった。

それから1か月後、残ったメンバーも普通の生活を送りたいという理由で抜けてしまい、俺は一人になってしまったのだ。

自分自身も借金が払えなくなってしまう

何としても音楽で成功したかった俺は、一人になっても活動を続けた。
三人で出し合っていたライブハウス代は俺だけの負担になり、バンドが解散した為、曲やグッズも一から作り直し。
再出発に多額のお金を費やしてしまった。

その結果、借金は200万円にまで膨れ上がり、借金の返済は困難な状況に。
でも、ここまできて借金を理由に音楽活動を辞めたくはない。アルバイトを増やせば音楽活動は疎かになる。
そんな考えから俺はネットや大学時代の友人を頼って借金の返済負担を減らす為の情報をかき集めた。

そして見つけたのが債務整理という手段だった。

友人に紹介してもらった弁護士に相談

債務整理といっても俺にはそれがどのようなものなのかは検討もつかず、ネットで調べてもチンプンカンプン。
どの弁護士を頼ればいいのかも分からない。そんな時、一人の友人が俺に債務整理に強い弁護士を紹介してくれた。
それから数日後、友人に紹介してもらった弁護士に会いに行き、俺は現在の収入や借金の額、借金を作ってしまった経緯、音楽活動をしている事などを打ち明けた。

そして、弁護士が俺に提案してくれた方法が個人再生というものだった。

聞けば、俺の収入や今後の返済負担を考えれば、利息をカットできる任意整理よりも個人再生の方が計画的に返済できるようになるとの事。
その反面、今後しばらくの間は借金を作る事はできないと伝えられた。
音楽活動を続けていくうえで唯一の資金調達方法であったクレジットカードやカードローンが使えなくなる。
それは俺にとっては大きなデメリットではあったが、借金苦で音楽活動を断念するよりはマシだと考え、俺は弁護士に個人再生をお願いした。

個人再生してからの話

個人再生を弁護士にお願いしてから半年後、俺の借金は100万円にまで減額した。
そして3年後、その借金を完済する事ができた。

借金が出来なくなったことでライブハウス代も払えなくなった俺は、個人再生を行ってから路上ライブを頻繁に行うようになった。
いつも同じ場所でギターを弾き続け、気づけばファンもできていた。
そのおかげで俺はライブハウス代をチケット販売で補えるようになり、いいときにはそれが収入にもなった。
借金を完済した現在もミュージシャンとして活動している。
事務所にも所属する事ができ、ある程度人気も出てきた。
今後は借金などせず、金銭面も考えた計画的な音楽活動を行っていきたいと思う。

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