月収11万でも借金を返さなければならない「ネットカフェ難民」の闇

【体験者のプロフィール】

  • 性別:男性
  • 職業:Webライター
  • 年齢:32歳
  • 借金:300万
  • 対応方法:任意整理

僕は32歳のフリーランスWebライターです。借金をしてしまい返済が困難な状況になり司法書士に相談、親に援助してもらいながら任意整理を利用して借金を完済しました。
そんな僕は、大学生の頃から一人暮らしを始め、就職・転職・無職を経験する中で借金を抱えました。収入が不安定な状況から家賃や光熱費の支払いも借金返済に回さなければならない状況に、それをきっかけにネットカフェ難民にまで陥ってしまいました。

借金によって自転車操業状態となり、家賃も借金返済にあてるためネットカフェ難民に。今振り返ってみても、もうあんな生活には戻りたくないとばかり思います。

はじまりは間違ったストレス発散の仕方

借金のきっかけは、就職してからのストレスが原因でした。大学を卒業して初めに働いた会社が、ブラック企業ではないもののとにかく残業が多い職場でした。平日は家と会社の往復のみ、休日はひたすら休息という生活が続き、ストレスのたまる環境でした。
ある休日に、初めてのボーナスが支給されたこともあり、友人と買い物に行きました。今まで休日は家でゴロゴロしてばかりでしたが、友達がいるということもあってショッピングセンターのある繁華街に出かけました。

その1 買い物

そこで普段は出不精・節約もあってあまり興味の無かった、高めの服と靴を購入しました。
その時、自分でも驚くほどに気持ちがスッキリするのが分かりました。ストレスがすっと抜けるような。お店でちょっとお高めの服を選んでいる時に、店員が腰を低くして商品を色々と勧めてくれて、試着をすると「お似合いです」と褒めてくれる。普段はただのしがない社畜でしかない自分が、お店で商品を選んでいるときは偉い人間になったかのような気分になったのです。
それからは1人でも進んでショッピングに出かけるようになり、店員にちやほやされるために高めの服などを購入していました。

その2 スロット

その後別の友人と暇つぶしにでかけたパチンコ屋でプレイしたスロットにはまり、買い物の帰りにスロットをする日もありました。スロットをしていると気持ちが無になるような気がしました。普段の雑多な気持ちから解放され、無になることで集中力が高まる気持ちがしたのです。
今になって振り返ると、平日の会社のストレスをそうやってストレス解消することで耐えていた気がします。

その後残業ばかりの仕事が嫌になり、数年働いた後に転職しました。

ストレス発散のために借金

転職先は、ほとんど残業がないのですが、人間関係がすごく悪く、必要以上の話はしないという雰囲気でした。やはりそういう雰囲気からストレスがたまり、もう癖のようにストレス発散のために買い物やスロットをする生活でした。
そのうちに生活費まで買い物やスロットで使い込んでしまい、カードの限度額を使い切ってしまいました。返済のことも考えず、結局数社のカードローンを利用してしまうことになりました。

無計画に目先のことだけを見ていました。完全に現実から逃げていたのです。

再び退職して無職に

結局この会社では数年働いたのですが、我慢できずにまた退職してしまいました。
つくづく自分は逃げ癖のあるダメ人間だと思います。
残ったのは借金だけ。

しかし僕はこの「借金を返済しなければならない」という現実にすら、目を背けていたのです。

アルバイト探しを邪魔する「正社員」だったというプライド

無職となってしまい収入のなくなった僕は、次の仕事を探しました。しかし当時28歳でそれなりに年をくっていた僕は、なかなか次の仕事を探せずにいました。前回の退職後にすぐ次が見つかったという過去もあり、今回もすぐに見つかるだろうと高をくくっていたのですが、今回はそうはうまくいきませんでした。

焦った僕は、次の仕事が見つかるまでということで、アルバイト探しを始めました。しかし納得できるアルバイトもなかなか見つからずにいました。今まで曲がりなりにも正社員としてデスクワークをしており、会社員としてそれなりの給料をもらっていたという変なブライドがバイト探しを邪魔していたのも事実です。自分でもバカだったと思います。もっと良い待遇のアルバイトがあるはずだ、とそれしか頭にありませんでした。

プライドを捨てて仕事を探し始めたが遅かった

そしていよいよこのままではヤバイと思い始めたころ、こだわりやプライドを消し去って仕事を探し始めることにしました。しかしいざ書類を送っても、面接に行っても、全く雇ってもらえるまでに至らないということが続きました。全く仕事が決まらない、収入が無く貯金が目に見えて減っていく焦りで背中にじっとりとした汗が流れるのがわかりました。そんなとき工事の現場仕事のアルバイトだけが合格し、藁にもすがる思いでそこで働くことにしたのです。

しかしこの仕事は日雇いのようなものでした。雨が降った時点でその日の仕事はそこで終わってしまったり、天候が悪い日が続くと休みになったりしました。もちろん収入は不安定でした。

家賃や生活費がなくなりネットカフェ難民に

正社員を退職後、今までのアパートにそのまま住んでいました。すぐに次の仕事が決まるだろうと思っていたからです。しかし正社員の仕事には就けず、日雇いのようなアルバイトであるために、家賃を払うということが難しくなってきました。何度計算しても生きる為の生活費も切り詰めても、来月の家賃、所謂固定費を払うのが厳しいのです。

なによりもどんなにきりつめたところで借金の返済をしなければならない。今まで現実から目をそらし続けたツケが来たと思いました。
今更引っ越そうとしても敷金や礼金、引っ越し代金を払う余裕もありませんでした。

結局僕は持てるだけの必要最低限の荷物を持って、インターネットカフェに身を寄せることになってしまいました。まさか自分がテレビで見た「ネットカフェ難民」になるなんて、退職前には、いや、数週間前には考えもしませんでした。
でも現実に僕はその時にネットカフェ難民でした。

ネットカフェ生活で自転車操業

インターネットカフェから現場のアルバイトに通う日々が始まりました。現場仕事のアルバイトは、月収11万に満たない月もありました。当時はいつも少ない手持ちのお金を数えていたと思います。何回数えても同じなのに。小銭を数えながら、明日の食事の金額の割り振りを考えていました。

アルバイトの少ない給料をもらい、ネットカフェの支払い、食事代、そして借金の返済。それでも足がでてしまい、そこで生活のために再び借金をすることになりどんどん悪循環なことになっていました。当時はその日生きることに必死で、ネットカフェ難民から抜け出しなんてことを考える余裕などありませんでした。

気が狂いそうになって司法書士に相談することに

こんなことをしばらく続けていましたが、このどうしようもない状況に危機感しかありませんでした。まわりの友達は結婚したり、彼女や友達と遊びに行ったりしているだろうに、自分はいったいこの惨めな生活をいつまで続けなくてはいけないのか。クリスマスや年末のにぎわいの中で、どうして自分はネットカフェの狭苦しい場所で小銭を数えているのか。なぜ明日は1食で我慢しようなどと考えているのか。
家族にも友達にも今自分がこんな生活をしていることを知られたくないと思っていました。特に友達や知り合いに、こんな姿やここで生活していることを見られたくないと、コソコソしていました。

同じネットカフェにいる人たちも、自分以外のほぼすべての人は一時の遊興のために来ているのであって、数時間後には出ていきます。僕が仕事に出たり帰ったりの間に、中の客のメンツは入れ替わっているはずです。それなのに僕はどうしてここで生活しているのか。

狭く暗いネットカフェのなかで、気が狂って大声で叫びそうになるのを堪えながら、その日は朝を迎えました。

とりあえず借金をすべて返して再出発しようと思いました。そう思ったらもう僕の頭の中はそれだけしかありませんでした。とりあえず情報収集。ネットカフェ難民にはネット環境だけは豊富でしたので、無職の人間が借金をすべて返済する方法・どうしたらこんな状況の人間でも再度働くことができるかしらべました。そしてあれほどまでに避けていた実家に帰ることを決意したのです。

司法書士からの提案「任意整理」

僕は実家に帰り、地元の司法書士事務所へ借金の返済の相談をしました。借金は、5社のカードローン会社からトータルで300万円の借金がありました。

現在の状況から債務整理のひとつである任意整理の提案を受けました。フリーのライター収入がある、親にも相談済みで援助してもらうことも可能、実家で暮らし家賃などの住居費が不要、これらの状況を踏まえたうえでの提案でした。

お願いしたのは「借金が周囲に知られないこと」

司法書士に相談するにあたって、お願いしたことがあります。それは、決して借金を抱えていることが知られないようにすることです。地元は都会のように周囲に比較的無関心ということはなく、何かあると情報はすぐに広がります。親とも相談した際にも、援助してもいいが情報が広まらないようにすることが約束でした。

司法書士が、債務整理から任意整理を提案したのも、このことも影響しています。任意整理であれば、他の債務整理のように官報などに掲載されることもありませんので、知られる可能性はかなり低くなります。

このように、司法書士は状況から最善の方法を導きだしてくれるだけでなく、こちらの立場に立って解決へと導いてくれる強い味方です。

債務整理である任意整理とは

任意整理は、司法書士が個々の相手と交渉し和解をしてくれる債務整理の方法です。
和解交渉では、司法書士が返済条件などを改善してくれるほか、今後の利息返済の免除も可能となるなど、借金の返済を楽に行えるようにします。裁判所の手続きによるものではなく、比較的簡単に進めることのできる債務整理方法です。

将来の返済方法を交渉するので、司法書士からは事前に家計の状況などを確認されます。この場合には、どのような生活スタイルなのかなど正直に答えることが必要です。無理がある返済となると、再び返済に困ってしまうことにもなりかねないので、司法書士とはともに返済に向けて取り組んでいるという認識が必要であります。

このように借金返済が楽になること、裁判所による手続きがなく比較的に簡単に進められることから、債務整理の中では最も多く利用される方法です。

任意整理はいいことばかり?

借金の返済が楽になる、手続きが簡単など、任意整理には良いことしかないように思えますが、もちろんデメリットもありました。

任意整理を利用すると、信用情報に登録されてしまいます。いわゆるブラックリストに入ってしまうということです。それにより、一定期間は新たな借り入れができなくなってしまうこととなります。また自己破産や個人再生などの他の債務整理と比較すると借金の減額効果は少なくなるので、整理後も借金返済に取り組む必要があります。そして任意整理は、司法書士による和解交渉が前提となるので、相手のスタンスによっては交渉内容や交渉の可否が変化してしまいます。

でも僕は自業自得だと考えていましたし、カードはもうこりごりだとも思っていました。将来必要だと思うこともあるだろうけど、しばらくは持ちたくないし、持つのが怖いと思っていたため、このデメリットは僕にはなんでもないことでした。

任意整理が可能な条件

ここまで司法書士から提案をされた任意整理についてお話しましたが、任意整理を利用できる条件などを整理しておきます。

1.任意整理後も返済をしていく意思があること

当たり前ですが返済の意思がなければ任意整理はできません。

2.安定した収入があること

本人に収入がない場合、親などに援助の意志があり返済できると判断できれば可能。

3.基本的に3年(最長5年)での返済が可能であること。

毎月の返済額×3年(5年)で返済可能な残額であること。

4.債権者が和解交渉に応じてくれる場合

債権者に交渉に応じる義務はない。しかし、自己破産などでは回収できない可能性もあるので、比較的応じる場合が多い。

5.住宅ローンや自動車ローンなど他にも借金がある場合、業者を選んで任意整理を行うことは可能。

このような条件や可能性が想定されます。このほかにも、さまざまなことが想定されますが、比較的他の債務整理よりは利用可能な場合が多いですが、司法書士の和解交渉が難しくなることや厳しい条件を提示されることになってしまうこともあります。

借金は完済するもの、でも・・・

借金をすると、返済しなくてはなりません。当たり前のことですが、これが難しくなった時に、債務整理などを利用して問題解決をします。
さまざまな種類の債務整理方法がありますが、忘れてはいけないのは借りた人は返す義務があるということ。「借りたら返す」が大前提です。「返さなくて済むようにするにはどうしたらいいか」ということではありません。

僕も返さなくても良い方法はないか…などというバカなことを考えて、ネカフェで検索したりもしました。ほんとにバカだったなと思います。しかし当時はお金も気持ちも余裕がなかったのです。

司法書士は借金解決の専門家

司法書士という職業の人とは、あまり接点がなく馴染みのない人でありますが、借金返済の問題には欠かせない職業の人だと改めて思いました。借金問題解決にはさまざまな方法があり、その人に合った方法で解決することができますが、そのような場合に頼りになるのが司法書士だと思います。

今回のように相手との交渉、また裁判所への手続きなども行ってくれるので、相談すべき相手です。僕も、利用して初めて関わることとなりましたが、とても頼りになり心強い存在でした。弁護士は少しハードルが高いと感じることもあるかもしれませんが、司法書士は借金以外であっても身近な問題に幅広く対応可能なので、身近な存在であるとも言えます。

そして大事なのは、司法書士は自分の味方になってくれるということです。

当たり前だと思われるかもしれませんが、当時は気持ちに余裕がなく、周りの人間全てが敵だと思っていました。敵だとは思わなくても、自分のこんな状況をあざけ藁っているのではないか、などという被害妄想がありました。そんな中で一人でも自分の「味方になってくれる人がいる」というのは、とても心強かったです。

自分自身の努力も必要

借金問題解決では、専門家である司法書士に相談することをおすすめしましたが、頼るだけでなく自分自身の努力も必要です。

今回の僕の経験を例にすると、収入はあるにしても所属のないフリーであったため親の援助が鍵となります。社会人であっても親にお願いをして、任意整理を可能にする下地づくりや家計をともに見つめなおし、交渉しやすい状況を整えるなど司法書士に任せるだけでなく、自身の努力も加えることで問題解決が容易になるという心構えが必要です。

まとめ

僕が陥ってしまった自転車操業のような複数の借金。就職していても、職場環境や生活環境により借金をしてしまう可能性は誰にもあります。僕は、初めの借金のためにさらなる借金をしてしまい、転職・退職という環境の変化もありネットカフェ難民になってしまう状況まで一人で悩んでいました。

借金をしていることを周囲に打ち明けることはなかなか難しいので、問題が大きくなってしまいます。しかし司法書士などの専門家であれば、秘密は守られますし的確なアドバイスがもらえるので、なるべく早くの相談ができれば、僕のように親に援助してもらうようなことにならずに問題解決できるはずです。

借金に悩み始めたら、迷わずに司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

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