【実録】「就職しない!」ギャンブル依存症になって抱えた多重債務350万円

【体験者プロフィール】

  • 性別:男性
  • 職業:フリーランス
  • 年齢:31
  • 居住地:愛知県
  • 借金:350万円
  • 対応方法:返済中

正社員では生きないという選択

私は大学卒業後、在学中に勤めていたバイト先でそのままアルバイトとして働き続けることを決めていた。就職自体が嫌であるというわけではない。いずれはそのバイト先と同じ業界で生きていきたい、と考えたうえでの選択だった。

元々、高校卒業後はなんらかの職人の道を辿ろうと考えていた私は、当初は大学にも入るつもりがなかった。しかし両親の説得により、大学を受験することにした。大学卒業後もすぐには一般的なサラリーマンにならずバイト先でスキルアップをしようと考えていたからだった。
私は何か手に職を就けて生きていきたいと常々考えていた。

アルバイトだけでは生活できない

しかし大学卒業後、バイトだけで生活していくのは難しいと実感した。
アルバイトで一ヶ月に稼ぐことができる給料は、当たり前だが正社員で働くよりも低かった。完全に自分の考えが甘かった。
「バイト先と同じ業種で生きていたい」なんていうのは、ただ普通に働きたくない言い訳でしかなかったようにも感じた。正直自分の目標はそもそも何だったのか、働くことに対する自分の考えはどういったものなのかを見失いつつあった。

借金してまで手を出したギャンブル

そんなアルバイトでは生活できない状況にあったにもかかわらず、私はパチンコやパチスロに傾倒し始めていた。
自分の夢や考えが間違いだったのではないかという不安や、アルバイトの給料では生活できない不安から、無意識に目をそらしていたのだと思う。
そもそもお金がないのにギャンブルをする…本末転倒だし、完全に現実逃避だったと思う。

当然のことながら、ギャンブルの資金はすぐに無くなり、消費者金融で借金をすることになった。
それが現在の膨れ上がる借金の元凶だった。

今にして思えば、借金をしてしまう原因と言うのは当然本人の意思によるものだが、周りの人の影響によるところも大きいのではないかと思う。というのも、そもそも当時の私はギャンブル自体はしていたが、借金までしてやろうとは全く考えていなかった。“借金”という言葉には恐怖を感じていた。恐らくはこの感覚の方が正しいのだが、当時今の私と同じように借金をしていて、既に恐怖を感じなくなっていた先輩の、甘い言葉の誘惑に負けてしまったのだ。

ギャンブルの欲求と借金

ギャンブルに関して言えば、大きく勝てている時期もあった。

それでも、トータルでみると負けているから借金が膨れ上がる。負けても取り返せばいい、借金が増えたとしても人生何があるかわからないのだから、後から人より多く稼げば返すのは容易だろう、との安易な考えだった。
しかし借金をギャンブルの勝ち金で返せたことなどただの一回もなかった。
私が100年ギャンブルをやったところで、ギャンブルで借金を返せることなど無いと、今では思う。ただし当時の私はバカだった。
のめり込んだギャンブルへの欲求しかなかった。「ギャンブルをしたい」という目先の欲求にしか目を向けられなかった。

次から次へと借金の額や、契約する消費者金融の数を増やしていった。
そのうち支払いが支払いが難しくなり、消費者金融の督促状なども届くこともあった。

このときの結果が現在31歳の今も返済中の身の上である。10年近くもの期間、毎月利息を払うだけで精一杯の生活を送ることになる。

多重債務で膨れ上がった350万円の借金

借金を初めてした日に契約した消費者金融のカードの限度額は50万円。
それから他の消費者金融と契約したり、クレジットカードの契約をしたり、立派な多重債務者となった現在の私は、実に350万円程の借金を抱えている。

定職についたが転職

私は350万円にまで膨れ上がった借金を返済しなければならず、定職についた。
当初の「アルバイトと同じ業種の仕事で活躍したい」という甘い考えをかなぐり捨てて、結果的に全く異なる職種についた。

就職先で真面目に仕事をこなしたが、初任給の給料では借金の元本が全く減らなかった。
このままでは将来的に借金を返すどころか、普通に暮らしていくのも苦しくなると感じた。考えた結果、転職をした。しかし転職後もなかなか定着することができず、何度か転職を繰り返すことになった。

転職は給料アップのために必要だと思う。しかし、生来の自分の計画性の無さや、すぐに結果を求めてしまう堪え性の無さが問題でもあると思う。

借金返済の停滞

しかし、給与が上がっても、借金は減っていくどころか現状維持のまま停滞していた。
原因は私が性懲りもなくギャンブルをしてしまうからだ。
せっかく1か月頑張って稼いでも、借金の返済とギャンブルによって月が始まって数日のうちにほとんど消えてしまう。

ギャンブル依存症

自分自身ギャンブル依存症だと思った。
ギャンブルの借金のために借金返済をしているのに、またギャンブルをしてしまう。
ダメだとわかっていても手をだしてしまい、自制することができない。
四六時中ギャンブルの事が頭から離れない時もあった。

借金をしていて一番辛いのは、この時だった。

結果的ギャンブルに負けてお金が無くなると、月の中盤には返した借金をまた引き出して生活するはめになる。
こうした悪循環で苦しく、そして自分が情けない気持ちでいっぱいになる。

お金の管理を親に頼る

だが現在の私はギャンブルからは一切足を洗っている。
恥ずかしい話だが、依存症に陥っている私は自分で自制やお金の管理が難しいため、管理の一部を親に頼ることにした。
全てではないが一部の管理を親に任せ、共有することで自分ひとりでは自制できないお金の出費を抑えることができるようになった。
親に話すことは勇気が必要だったが、依存症からの借金癖を打開するにはこうするしかないと思った。

まとめ

現在私は、フリーランスとして営業活動をしながら現在も借金を返済している。
正直に言って、この働き方で今ある借金をすぐにどうにかできるのか、というと自信はない。

元々ギャンブル以外には特に激しくお金を使う方ではないので、以前よりは目に見えて出費が減っている。
このままギャンブルをせず、少しずつでも借金を減らしながらフリーランスとして働き続けることができたら、と考えている。

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