【体験者のプロフィール】
- 性別 : 男
- 職業 : 年金受給
- 年齢 : 60代
- 借金 : 約250万円
- 対応方法 : 債務整理
私は数年前に定年退職をした60歳代で、60歳代の妻と30歳代の息子との3人家族です。年金受給者で生活をしています。息子は独身でずっと実家で暮らしています。
引きこもりの息子
息子はもう数年間にわたって、引きこもりの生活をしています。もちろん無職です。引きこもり生活が続いていることは良くないと思い、親なりに息子を諭してみるのですが、上手く行かず増々社会との関わりを持とうとしません。
そして気持ちが抑えられなくなると、暴力も振るうようになりました。
クレジットカードで250万円ゲーム課金していた
息子は自室に引きこもっている間、クレジットカードを利用して、インターネットショッピングで買い物をしたり、ゲームをしたりしていました。ある日クレジットカードの請求書を見て驚きました。その総額は、250万円でした。
息子はゲームにクレジットカードで250万円課金していたのです。退職金もわずかで年金生活をしていた私には、そのような金額を返済することはできず、とほうに暮れてしまいました。
クレジットカードの名義は私
息子が作ってしまった借金をどうして私の債務として背負うことになったのか。それは息子が利用していたクレジットカードが、私の名義であったからです。
本来であれば、借金を作った息子に請求し、返済に充てるということが良いのですが、ひきこもりで無職である息子には収入もなく、貯蓄も使い切っていることも知っていたので、要求することもできないのが現状でした。
当然のことながらクレジットカード会社は名義人である私に返済を求めてきていました。
我が子が恐ろしかった
息子は就職と退職を繰り返していたため、自分名義のクレジットカードを持っていません。
私名義のクレジットカードは、就職するために必要なものを購入することもあるだろうと貸したのですが、それと同時に家庭内暴力が始まってしまったために、強く返却を求められずままいたのでした。わが子ながら恐ろしかったのが正直なところです。
司法書士に相談することに
途方に暮れた私は、知り合いに相談しました。そして司法書士さんを紹介してもらい、相談することにしました。今までも自分で司法書士を探し、相談することもできたのかもしれません。しかし引きこもり、家庭内暴力、借金など、あまり大きな声で言えることでないことが多く、専門家への相談ができないでいました。
今回は知り合いに背中を押してもらった形になります。
年金生活者の債務整理
年金生活者に収入源は年金しかないため、なくなると死活問題です。私は債務整理を行った場合に、年金がどうなるのか不安でした。
債務整理は年金の受給には影響しない
結論から言うと、公的年金の支給が止まる事はありませんでした。
司法書士さんによると、公的年金を差し押さえすることは禁止されており、返済が難しくなったらといっても、生活の基盤となる公的年金が差し押さえられてしまうことはないとのことでした。
年金生活者の債務整理の注意点
しかし、差し押さえはされませんが、注意をしておかなければ結果として差し押さえられたことと同じようになることがあるとのことでした。
口座入金後の年金
先程も書いた通り、支給される公的年金が差し押さえられることはないとのことでした。
しかし銀行口座にある預金は差し押さえられる対象となると言われました。すなわち、公的年金が口座振替や支給後入金した公的年金であっても、差し押さえの対象の銀行口座にある預金残高は差し押さえられることになります。口座にあるお金を区別することができないので、支給された公的年金なのか、元々の資産なのか判断ができないからだそうです。
口座調整して差し押さえを回避
これは司法書士さんのアドバイスで、口座調整することで回避しました。
差し押さえられる口座から、別の口座へメインバンクを移したのです。
最後に
私は最終的に司法書士さんのお力添えによって、債務整理することができました。
息子は相変わらずで、親のドタバタにも我関せずといった風でした。ある日私がリビングにいる時に、息子が自室から降りてきたことがありました。おそらく何か食べものを漁りに来たのだと思います。思わず私は「お前がゲームなんかに使ったことで、私は色々なものを失った」と言いました。すると一瞬息子の方がビクッと動いた気がしました。
私はまた息子の暴力が始まるかと身構えましたが、そういったことはなく息子は自室へと戻りました。債務整理する際にカードは取り上げました。
これからどうなるのか。心配は尽きません。