【実録】株に失敗して借金地獄から自己破産。免責許可がおりて人生のやり直しへ

【体験者のプロフィール】

  • 性別 : 男性
  • 職業 : 当時小売店店長 現在会社員
  • 年齢 : 30代
  • 居住地: 東京都
  • 借金 : 300万円
  • 対応方法 : 自己破産

副業のつもりで始めた株取引

20代後半の頃、とあるショップのアルバイトから店長に引き上げられたところまでは良かったものの、 労働条件は毎日12時間勤務+サービス残業、休みは週1日のみと超過酷でした。
このままでは体を崩してしまうと思っていた頃、何気なくネットニュースで知ったのが株式投資でした。

その記事は、誰でも億万長者になれる可能性があるという内容で、証券会社の口座を開くことでキャッシュバックをもらえるキャンペーンをやっていたこともあり、気軽な気持ちで口座開設を申し込んだことを覚えています。そして、何の知識もなく始めたトレードで、いとも簡単に、短時間で数千円単位のお金が増えていくことに衝撃を受けました。

借金をしてまで株式口座につぎ込んだ

これは、掛け金を増やせばもっと多く勝てるんじゃないか?億万長者も夢ではない!と、それまで持っていたクレジットカードや、昔作った消費者金融のキャッシュカードを引っ張りだし、200万円ほどを株式口座につぎ込みました。

その後1ヶ月間の取引で、最終的にプラス数十万の利益で終えることができ、もはや気分はトレーダーでした。そして、仕事を辞めてトレードに集中しようと、あまりにも甘い考えで辛かった仕事も早々に退職しました。しかし、その1ヶ月の勝ちは、ただのビギナーズラックだったのです。

どんどん手持ち資金が減る恐怖


取引額を大きくしようと考えた結果、現物取引ではなく信用取引に手を出しました。信用取引は入金額のおよそ3倍の取引を可能し、実利益分、実損益分が口座から増減するものです。仕事を辞めて自分の時間ができた私は、自前の素人に毛が生えたような分析で様々な株を買ったり売ったりしました。

そして、売買した中の1つの銘柄が勢いよく値段が上がっていき、あっという間に数万円の利益となりました。これはチャンスと思った私は、その銘柄を追加で購入し続けたのです。すると、翌日には数十万円の利益となりました。このままいけば、1週間で百万円の勝ちになるのでは?と、喜んでいたのですが、その翌日からこれまでの勢いがなくなってきたどころか、急に暴落しはじめたのです。

銘柄が急落して損失へ

それでもまだ全体としての利益は残っていたので、まだまだ上がると思っていた私は放置しました。すると、翌日も暴落、その翌日も暴落し、利益はいつの間にか損失に変わっていました。暴落はその翌日も続き、利益はとうとうゼロに、そして口座の金額もマイナスになっていたのです。

口座がマイナスになると、追加保証金が必要になります。つまり、入金しないと損失が確定してしまうのです。負けを認めたくなかった私は、いずれは上がるはずだとさらに借金をし、口座に入金していきました。最終的には損失は200万円ほどになり、これ以上借金はできなくなった私は、とうとう損失を確定しました。たった一瞬で200万円の借金が確定したのです。

たったの数ヶ月で人生が転落


仕事を無くし借金を抱えた私は茫然自失となりましたが、自分の甘さに気付き、借金を返済していくことを決意しました。都心の高額な賃貸マンションを引き払い、親戚の家に居候し、生活を改めました。幸い、派遣社員として新しい仕事に就くことはできましたが、200万円に対して利息が高額であり、元金が減らず、仕事を掛け持ちして返済する努力をしました。

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減らない元本

しかし、1年経っても元本はほとんど減っていかず、無理がたたって体調を壊し、ついに観念した私は債務整理について専門家に相談することにしたのです。相談した先生が優しく出迎えてくれたことがありがたかったのですが、持ち家が無く財産もほとんど無いことから、自己破産を選択するべきだと伝えられました。

https://free-saimu.com/post-96/

緊張した破産管財人との面談


私の自己破産は免責不許可事由があるということで、少額管財とされました。これは裁判所から選任された破産管財人(弁護士)が財産や免責不許可事由の有無を調査する方法です。つまり、破産管財人が中立の立場で調査をし、自己破産が妥当か否か判断するわけです。

免責許可とは

そもそも免責許可とは債務が大きくなりすぎて、借金を抱えた人がそれを返済する能力がないと裁判所が認めた場合「債務が免責される」というものです。つまり返済する必要がないということ。自己破産がこれです。

しかし私の場合は「免責不許可事由」があると言われました。
免責不許可とは借金の原因が以下のような場合です。

  • ギャンブル
  • 遊興費
  • 投資
  • 転売

私の場合は投資にあたるとされ、免責不許可になるだろうと言われたのです。
免責不許可になった場合、自己破産はできなくなります。

半ば自己破産を諦めて面談

自己破産を裁判所に申し立てた時点で、破産管財人との面談日程が決まり、当日出向きましたが大変緊張しました。借金にいたる経緯や、改善意欲などを聴取されたのですが、「基本的に、デイトレードや投機的な事柄での自己破産は、難しいと思ってください」とはっきりと伝えられました。

自分なりの下調べで理解していたものの、はっきりと言われてしまうとさすがに生きた心地がしませんでした。面談に同行してくれた先生は「大丈夫ですよ。」と言ってくれましたが、「この人は株式投資の失敗で作った借金を免責してくれるのだろうか」と不安しかなかったです。

債権者集会と免責許可


そして、それから約2ヶ月後、債権者集会が行われました。ここで、裁判官、破産管財人のもと、債権者に意義が無いか確認した上で、審判が下ることになります。当日は緊張しましたが、6つのテーブルで多くの人が埋まり、流れ作業のように集会が行われていました。私と同行した先生、右には裁判官と破産管財人の先生、向かいの債権者席は空席でした。

「これから、債権者集会を行います。では、管財人、報告を。」という裁判官の説明の後、破産管財人の「はい、調査の結果、特別な財産などもなく、今回は裁量による免責ということで、よろしいかと思われます」という言葉、そして、「今後はこのようなことがないように、誠実に暮らしてください」という裁判官の意見に涙ながらに頷き、集会は終わりました。

1週間後には依頼した先生から免責に関わる書面がメールで添付されてきました。そして、ようやく借金の苦しみから、真に解放されことを理解したのです。

そして、クレジットカードを持てる立場に戻った


もちろん私がしたことは許されることではありませんが、一方で、誰もが一度は過ちを犯すこともあるでしょう。あの時は死にたいと思ったこともありましたがそれでも勇気を出して債務整理の相談をして本当に良かったと思っています。生きていればなんとかなるものです。

私はこの失敗を活かしてお金の勉強を一から始め、ファイナンシャルプランナーの資格も取り、自分の失敗談を紹介しながらも、今はお金のアドバイスをする立場になりました。自己破産から10年が経った今、信用情報も回復し、一般の方々と同じようにクレジットカードを持つこともできました。苦しい時は一人で抱え込まず相談すること。きっと問題解決の方法はあるはずです。

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