家族の連帯保証人・自己破産で500万の借金!債務整理した35歳

【体験者のプロフィール】

  • 性別:男性
  • 年齢:35歳
  • 職業:工員
  • 借金 : 500万円
  • 対応方法:債務整理

兄から連帯保証人をお願いされた理由

僕と3つ離れた兄は、大学生の頃から起業したいという願望を抱いていました。なので、大学卒業後は会社でも立ち上げるのかなと思っていたのですが、兄は起業する事なく都内の不動産会社に就職。僕はてっきり起業を諦めたと思っていたのですが、兄にそのつもりはなかったようです。
僕が30代になった頃、兄から一本の電話がありました。その内容は銀行融資の連帯保証人になって欲しいというもの。
一度就職して会社の設立資金を貯めていたようですが、それでも足りなかったらしく銀行から融資を受けるとの事です。
母も父も今は年金暮らし、連帯保証人にはなれないという事で、正社員として働く僕に連帯保証人をお願いしたとの事です。
兄はしっかりとした人物だし頭もいい。そんな兄が起業に失敗するなんて、その当時は思いもしませんでしたし、例え失敗しても僕に借金を擦り付けるような事をする訳がないと信じていました。だから僕は迷う事なく、連帯保証人になる事を承諾しました。

兄の会社は僅か3年で倒産してしまった

兄が起業してから、僕は何度か連絡をしていました。心配だったという訳ではありません。起業前も兄とは連絡を取り合っていましたので。
「会社は順調?」と聞けば、兄は「最初だから軌道に乗るまでは不安定だね。」と笑いながら話していました。最初が不安定なのは当たり前だし、兄も余裕そうだから切羽詰まっているという訳ではなさそうだと、この時の僕は不安を微塵も感じていなかったです。
しかし、それから2年ほど経った頃、兄からの連絡はピタリと無くなり、その頃から僕は不安を感じ始めました。最初は仕事が忙しいのだろうと思っていたので僕から連絡をする事は無かったのですが、半年も連絡がなかったので病気か何かかと心配になり、僕の方から連絡をしました。すると、兄と電話がつながり、そこで僕が知らされたのは「会社をたたむことになった」という衝撃の内容だったんです。

連帯保証人の僕が500万円の借金を背負う羽目に

兄から会社の倒産を告げられてからしばらくして、僕の自宅に裁判所から破産手続開始の通知書が送られてきました。兄は銀行から借りていたお金が返せず自己破産という道を選んだのです。僕の中では「自己破産=借金が無くなる」という認識だったので、正直この時点では連帯保証人に影響はないと考えていました。

しかし、実際はそういう訳ではなく、その後、銀行から兄が借りていた500万円の一括返済を求む連絡と督促状が僕の元へ届きました。
兄が自己破産して借金は無くなったはずなのに、何故借金の返済が催促されるのか?僕はこれに納得がいかず、銀行に問い詰めました。そこで返ってきた答えは、自己破産は申立者本人の借金返済義務が免除されるだけであって借金が消える訳ではないというもの。要するに、兄の借金返済が免除された現在、銀行は兄から取り立てができない為、連帯保証人の僕に借金の返済を求めてきたという理屈でした。

弁護士に相談したが、借金問題は解決せず

弁護士に相談しましたが、やはり兄が借金を払えない以上、連帯保証人の僕が代わりに返済しなければならないそうです。ただ、僕に500万円なんて大金は払える訳もなく、そこで弁護士から提案されたのが債務整理という方法でした。

しかし、詳しく聞けば僕が債務整理を行うのは難しかったんです。僕には妻と2人の子供がいて、最近住宅ローンで家も購入したばかり。
そんな最中、自己破産をすればせっかく購入した家は失う。個人再生の場合だと、自分の持っている財産の価値より借金を減額する事ができないらしく、家や車等を合わせて500万円以上の資産を持つ僕には意味がない手続きだった。更に、任意整理をしたとしても返済はかなり厳しいという最悪の状況です。

両親と協力もあり、借金は何とか完済

それから間もなくして、僕のもとに父から連絡が入りました。僕の口座に300万円振り込んだと。
聞けば、会社が倒産した事を兄が打ち明けたそうです。

このお金は、両親が少ないながら老後のもしもの時に備えて貯めていたお金。
連帯保証人を引き受けたのは僕だし、これは自己責任だからそんなお金は受け取れないという思いはありましたが、現状はそうも言っていられない最悪の状況。僕は情けないと思いながらも、そのお金を受け取り、借金返済に充てました。

残りの200万円は任意整理で返済負担を減らし、5年後に完済しました。
ちなみに、現在兄は新たな職に就き、僕と両親が立て替えたお金を少しずつではありますが、返してくれています。正直、もう身内であっても連帯保証人になるのは嫌ですね。

よく読まれている記事